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夏の星座(北畠八穂童話集)

「夏の星座」をテキストにしました。底本は、国会図書館の近代デジタルライブラリーにある『マコチン虹製造:北畠八穂童話集』です。

表記は新字に変えています。他の収録作品も随時テキスト化する予定です。

  • タイトル:マコチン虹製造 : 北畠八穂童話集
  • 著者:北畠八穂 著
  • 出版者:さ・え・ら書房
  • 出版年月日:昭和24

(2013年3月 金森国臣)


目次


2. 夏の星座

北天の梢真中にま夏の宵を期して
ミウジックの女神が現われる
つよいほし琴と命つぐるこの星座

海から生れてここに昇った音楽の司は
リズミカルな藻なす腕に立琴をだき
女神なのに前立のある兜で額を飾る。

その左右に音楽の弟子二人よりそう。
右の一人は龍座、左の一人は白鳥座
二人とも美少女ながらやはり少年の装。

龍は鱗にはづみをつけて絃をひき
白鳥は矢をくわえて翼を整えるのは
音は発して速やかにゆくものの故か。

ひびきは弦と弓の力の調和であるからか
つたわって流れて遠ざかってゆくからか
龍も白鳥もミウズに海からついて来た。

一夜かなでた音のしたたりは
よあけ朝つゆになって地にしづくして
煌めいて人の目は息に吸われて消える。

それは人々の魂ふかくしみこんで
ああいつか呼ばうひびきのある時に
こたえて鳴り出すしほを待つために。

(ギリシャへのノスタルジア)

金森による註(順不同):

なし


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