軍事用語のサイト

サイトマップ
軍事用語サイトのトップページへ戻る 自己紹介 サービス内容 お問い合せ

電子復刻

日本擬人名辞書

ヨヘイ画集

小泉八雲-幽霊

小泉八雲-童謡集

うしのよだれ

一語千笑

滑稽笑話

滑稽百笑話

明治・大正の川柳

つむじまがり

野草の食べ方

近世少年日用文範

マコチン虹製造

青森縣俚諺集

安全いろはかるた

新撰いろはかるた

語原学式仮名遣新書

歌集しがらみ

林泉集(中村憲吉)

梅の栽培と加工

近世少年日用文範(教育新聞社・明治42年)

近世少年日用文範

『近世少年日用文範』(教育新聞社・明治42年)に、接続詞や副詞などについて、その使い分けが記載されています(例:また【又/亦/復】すなわち【即ち/則ち/乃ち】)。

『近世少年日用文範』(教育新聞社・明治42年)に、接続詞や副詞などについて、その使い分けが記載されています。例えば:

  • また【又/亦/復】
  • すなわち【即ち/則ち/乃ち】

私自身、ちょっとした発見があったので、テキストにしてご紹介します。

尚、読みやすいように、表記は現代仮名遣いに変えたりしていますので、学術的な引用には適しません。ヒントを得るための参考としてお使いください。

他にも有用と思われる項目があれば、随時テキストにして追加したいと思います。

(2013年2月 金森国臣)


一〇 助語と和語の略解

主なる助語

尚(なお) はまだその上にあるという意にして、加えるという義。尚之(これにくわうる)などの如し。

猶(なお) 立ちもどりて見れば、やはりそのすぢであるという意にして、猶行平地(なおへいちをゆくがごとし)の義なり。

又(また) 二つ並べていう時に用う。

亦(また) もまたといい、他に比べてこれもまたという意なり。

復(また) 再の意にして、重ねていう時に用う。

乃(すなわち) そこでという意。上と下とをつなぐ時に用うること多し。

則(すなわち) そういうことにして見ればの意。

即(すなわち) ぢきに又はとりもなおさずの意。

輙(すなわち) たやすくの意。

曾(かつ)テ ちよっとでもという意。ふと一回ありしことに用う。

嘗(かつ)テ まえかたという意。なめる、こころみるともよみ、一回二回にかかわらず、あまねくの義なり。

弥(いよいよ) いやが上にもという意にして、段々みちて一ぱいにわたること。

愈(いよいよ) 今までとは異り、段をこえてすぐれたという意なり。

能(よく) 自分にて自由に出来ることをいう。

善(よく) 誰が見てもよいという意。

克(よく) 成しとげる意。力を用いてその難きところを尽くすをいう。

悉(ことごとく) ありだけという意。一つづつ数えて残さぬをいう義なり。

尽(ことごとく) 残りなくの意。だんだんに尽くし終ること。

漸(ようやく) だんだんという意。水のおいおいとしみこむ如き義なり。

稍(やや) 少しづつの意。

屡々(しばしば) たびたびの意。

驟(にわかに) 急の意。

唯(ただ) 一念にそのことばかりにいう意。

但(ただし) 外のことをのけていう意。いくつもある中で外のものをのけていう義。

徒(ただに) むだにという意。

啻(ただに) そればかりでなく、まださきのある意。

奚(なん)ゾ 啻の意。

只(ただ) ばかりという意。外に対してこのことばかりの意をいう。

始(はじめ) 終の反対にて事をはじめる意。

初(はじめ) 後(のち)に対することにて、最初の意。

豈(あに) いかでかの意。

既(すでに) そうあったという意。終りたるあとを見ていう義なり。

已(すでに) もはやの意。已は現在に用い、既は過去に用う。

益(ますます) ます意にして、今までに比し多くなったといふ義。

増(ますます) かさねかける意。上へ重ねる義なり。

因(よって) それによっての意。

安(なんぞ)、曷(なんぞ)皆同意にして、どうしてといい意。いづくんぞより軽(かろ)し。

最(もっとも) すべてのものの中にて、一番さきという意。

尤(もっとも) 常とかわりたる意。

此(この) 目さきのものをさす意。

是(これ) その中の様子をいう意。

適(たまたま) 丁度その時にという意。

偶(たまたま) 思いよらずふとありたること。

聞(きく) ちょっと聞くこと。聴(きく)は丁寧にきくこと。

在(あり) ありとよみ、その地位につきていふ。

有(あり) その物についていう。無に対する字なり。

恰(あたかも) ちょうどの意。宛(あたかも)はさながらの意。

嵯(ああ) 感心していうことば。喜賞にも悲嘆にも用いる。

嗚(ああ) さてもの意。思いやりてなげくこと。

口喜(ああ) 腹のそこより出づる声をいう。(金森註:実際の表記は「口偏に喜」です。)

恒(つね) いつもの如くの意。

常(つね) あけくれにの意。

如(ごとし) その通りの意。

若(ごとし) その様なとの意。

似(に) どこやら同じさまがあるという意。

終(おわり) しじゅうのところがという意。

遂(つい) とうとうなしとげるという意。

縦令(たとい)、仮令(たとい)、饒使(たとい)、は皆同じ意味なり。もし又よしやの意。喩(たとえ)、譬(たとえ)も同意にてたとえていわばの意なり。

敢(あえて) おしきって、しいての意なり。

旨(むね) 納得の意。

見(み) あっさりみる意。

観(み) みぬく意。

妄(みだりに) わけもなくの意。

猥(みだりに) なれなれしくの意。

蓋(けだし) 大略をおさえていう意。

主なる和語

けり 過去に属することばにして、生徒に数えけりの如し。

たり は、てありの約(つづまり)にして過去に属することばにて、本を読みたりの如し。

き、し、 みな過ぎ去りし語に用う。帰りたりきの如し。

じ 未来のことを然らずという意。君はまだ遠くは行かじの如し。

らん であろうの意。未然をおしはかる意なり。

つつ 過去のつを重ねたるもの。又ながらの意にも用う。

べし ましょうの意。量り定むる義にして、人の笑となるべしの如し。

まし あろうのこころ。

なり にありの約にして、忠孝の道を守らざるものなりの如し。

せり しありの約にして、工夫せりの如し。

ず ないという意。ぬ、ね、皆同じ。


書誌情報

近世少年日用文範』の書誌情報

  • タイトル:近世少年日用文範
  • 著者:教育新聞社編輯局 編
  • 出版者:教育新聞社
  • 出版年月日:明42.2

プライバシーポリシー

Copyright(C) 2002-2019 TermWorks All Rights Reserved.