世の中は次第に忙しく、小うるさく、世知辛くなって、行く末が案じられるのだが、ここでため息ばかりついていても智恵のない話だ。
人に負けず働いて、人に負けず楽しむ工夫をしなければ、妙案など浮かぶはずもない。
人生は理屈で固めたものであると考えるのは大いなる野暮であって、そういう考えでは百年の長計など立つはずもない。世界は四角なものにあらず。
千里の馬も駆け通しではついには腰が抜けるのと同じで、人生には小半時の楽しみがなければならない。
ここに明治期・大正期の狂句や川柳を集めて諸兄に供するもこの手段であって、議論が煮詰まり二進も三進も行かぬときには大いに利用されたい。
- 狂句集(江草斧太郎編) 出版年:明治38年(1905年)
- 家庭川柳(角恋坊編) 出版年:明治39年(1906年)
- 川柳解(雨谷幹一編) 出版年:明治44年(1911年)
- 川柳選(芳賀矢一校) 大正元年(1912年)
(2009年11月 金森国臣)
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