2022年コンサート・マイ・ベスト10



 今年も新型コロナに明け暮れした1年でしたが、コロナ前と変わらないくらいに、たくさんの演奏会が開催されました。感染拡大に関連しての自主規制で、チケットを買っていながら行けなかった演奏会も多々あったのですが、この中から印象に残った演奏会を10公演を選びたいと思います。

 なお、私が1年で最も楽しみにし、生きがいとしている「新潟市ジュニアオーケストラ教室第41回演奏会」につきましては、例年のように殿堂入りということで、ベスト10からは除外させていただきます。

 では、例年のように、心に残ったコンサートを、順にご紹介しましょう。

 

2022年1月29日(土)15:00 新潟市民芸術文化会館 コンサートホール
九州交響楽団新潟公演

 オケのサイズは10型と小型でしたが、芳醇な響きのコンサートホールと良くマッチし、美しい響きで魅了されました。軽快さの中にも堂々とした風格が感じられ、エネルギー感に溢れる熱い演奏で楽しませてくれました。


2022年2月23日(水)14:00 新潟市民芸術文化会館 コンサートホール
ジャパン・ナショナル・オーケストラ 2022ツアー

 反田恭平さんの弾き振りによるショパンのピアノ協奏曲第1番は、私がこれまで生で聴いた中で最良の演奏であり、ショパンコンクールでの演奏そのままに、自分の思うがままに音楽世界を創り上げ、一期一会の素晴らしい演奏を聴かせてくれました。


2022年3月17日(木)19:00 新潟市民芸術文化会館 コンサートホール
辻井伸行・三浦文彰・東京フィルハーモニー交響楽団

 圧巻のチャイコフスキーと題された演奏会でしたが、三浦さんによるヴァイオリン協奏曲、辻井さんによるピアノ協奏曲第1番とも、スピード感とエネルギー感に溢れ、生き生きと躍動感が溢れるオケと共にパワフルな演奏を聴かせ、ホールは熱く煮えたぎった感動のるつぼと化しました。


2022年5月21日(土)14:00 長岡リリックホール コンサートホール
松田華音ピアノ・リサイタル

 柔らかく、ふくよかなピアノの響きが、残響豊かなホールに響き渡り、光り輝き透き通るようなピアノの美しさ感銘を受けました。強靭な打鍵での激しい場面でも、決して音は濁らず、美しい響きで魅了されました。


2022年6月5日(日)14:00 新潟市民芸術文化会館 コンサートホール
新潟交響楽団第108回定期演奏会

 新指揮者の平川範幸さんの下で、これまでの潟響から大きく脱皮し、燃え上がる演奏を披露してくれました。このような熱い演奏を前にしますと、演奏技術を議論することなど意味はなく、ただ音楽に身を委ねるだけでした。


2022年7月17日(日)17:00 新潟市民芸術文化会館 コンサートホール
東京交響楽団第127回新潟定期演奏会

 マーラーの5番が演奏されましたが、弦楽の濃厚なアンサンブルの素晴らしさ、トランペット、ホルンをはじめとして、抜群のパフォーマンスで魅了した管楽器、打楽器陣も寸分の狂いもなく、バシッと決めてくれました。前日の演奏では致命的なミスがあったと伝え聞きましたが、今回は各パートとも持てる力を遺憾なく発揮し、ノットさんのアグレッシブな指揮に見事に応え、一期一会の渾身の演奏を創り出してくれました。


2022年9月24日(土)14:00 新潟市民芸術文化会館 コンサートホール
新日本フィルハーモニー交響楽団新潟公演

 全身を使った井上道義さんの指揮。ステージ上を動き回り、豪華絢爛・総天然色の音楽絵巻が、新日本フィルの見事な演奏で具現化されました。音楽の洪水に身を委ね、束の間ではありましたが、心を無にすることができました。


2022年11月5日(土)18:45 新潟市民芸術文化会館 コンサートホール
新潟室内合奏団第86回演奏会

 大瀧拓哉さんを迎えてのブラームスのピアノ協奏曲第1番は、ピアノとオケとが絡み合い、せめぎ合い、高め合い、熱い血潮がみなぎり、高揚感で胸が高鳴りました。これぞブラームスという重厚感と力強さと共にフィナーレを迎え、ノックアウトされました。


2022年11月6日(日)17:00 新潟市民芸術文化会館 コンサートホール
東京交響楽団第128回新潟定期演奏会

 前音楽監督のスダーンさんが作り上げた音楽は、寸分の隙もなく、風格を感じさせる堂々たるものでした。ノット/東響とは一味も二味も違った、いぶし銀の音楽がそこにありました。


2022年12月4日(日)17:00 新潟市民芸術文化会館 コンサートホール
東京交響楽団第129回新潟定期演奏会

 藤岡幸夫さん指揮による前半のにいがた東響コーラスとのフォーレは、心が洗われるような清廉な音楽に心が清められ、後半はラヴェルのオーケストレーションの素晴らしさに酔いしれました。最後は理屈抜きに高揚させられ、明るい気分でホールを後にすることができました。



 以上10公演を選びましたが、そのほかにも、イオン・マリンの指揮による「東京交響楽団第126回新潟定期演奏会」、バッティストーニ指揮による「東京フィルハーモニー交響楽団長岡特別演奏会」、工藤俊幸さん指揮による「新潟メモリアルオーケストラ第31回定期演奏会」なども忘れ難く、りゅーとぴあならではの「5台ピアノの世界」はイベントとして忘れられません。
 また、コンサートとは違いますが、「Noism X 鼓童 「鬼」」は、その異次元の圧倒的パフォーマンスに圧倒され、ひれ伏すのみでした。

 この中で、私が選んだベスト1は、「東京交響楽団第127回新潟定期演奏会」です。音楽監督のノットさん指揮によるマーラーの交響曲第5番は神懸かり的な奇跡の演奏と言えましょう。

 皆様方のベスト1は何だったでしょうか。来年も良い音楽が聴けますように・・・。