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梅漬けの造り方(まとめ)

南高梅がいちばん良いと思うが、農薬や化学肥料の助けを借りたメタボな梅ではなく、固く引き締まったものを選ぶ。

梅漬けは、小学生の頃からつくっています。記述している手順はその経験がベースになっています。

自分がつくっているのは、「ドブ漬け」だとばかり思っていましたが、本格的なものではなく、超簡易バージョンであることが最近わかりました。

全くの簡易バージョンですが、自家消費用には充分だろうと思い、手順をまとめてみました。

  • 準備するもの
  • 梅漬けをつくる
  • 干し梅をつくる
  • 梅酒のつくりかた(番外編)
  • 梅のラッキョウ酢漬(番外編)
  • 梅漬けが失敗した原因の考察

内容の多くは、「梅シロップの造り方」と重複しています。


古い資料ですが『梅の栽培と加工』(奈良県月瀬青年学校著)というのを見つけたので、第四章「梅の加工法」をテキストにしています。何かのヒントになるかも知れません。


(2012年12月 金森国臣)(2013年7月 若干の訂正)(「干し梅をつくる」 2014年1月追加)(番外的に「梅酒のつくりかた」を末尾に追加 2014年6月)(「梅のラッキョウ酢漬」を追加 2015年6月)

立ちどまり梅の梢を見上げたり夕かぜに鳴る枯蔦あはれ(吉井勇)


準備するもの

単純には、梅の実、粗塩、シソの葉、ビンだけなので「うんちく」のようなものはありません。

梅の実

1キロ(だいたい1袋1キロで販売されている)。追記:「1キロ」と書いているが、実際には最低でも2キロで作って欲しい。1キロでは梅酢の量が少ないことと、シソの葉の1束が、どうも2キロを見当にしている感じがするため。

南高梅がいちばん良いと思うが、農薬や化学肥料の助けを借りたメタボな梅ではなく、固く引き締まったものを選ぶ。青梅でもよいが、少し黄色く熟れたものがよい。完熟しているものは、カビが生えやすいので、失敗する可能性が高い。庭に自生している梅が最高です。(プロは完熟梅を使うのかな?)

高額な梅を使うと、失敗した時のショックが大きいので、価格はそこそこのものにする。張り切りすぎて、最初からドサッと造ろうとしないようにする。小分けにすると、万一の時の被害を軽減することができる。

粗塩

梅1キロに対し、粗塩は180〜200グラム(塩分18%〜20%)。

これはキッチリ守る。減塩にしようとか、蜂蜜を混ぜてみようとか、余計なことはしないようにする。シンプルにすることで、失敗の可能性が低くなる。

精製塩ではなく、にがりを含んでいる粗塩を使う。塩が基本になるのでケチらないようにする。(例:粟国の塩250g

シソの葉

梅1キロに対し、1束と考える。不明であれば、青果店の人に尋ねると教えてくれます。(梅2キロに対し、1束かも知れない。)

梅酢があがってくる時期になるとシソの葉が出回るという実に見事なまでの自然の摂理で、これにはいつも感心させられます。

質のよいシソの葉を選ぶようにとのレシピもありますが、どのようなものが高品質なのか、これも知識がありません。

ビン

梅が1キロであれば、2リットルのビンで十分。漬けるときは一杯になるが、梅酢が出ると容量は極端に少なくなる。

なので梅が2キロであれば、3リットルのビンになると思う。しかし、他への用途を考えれば、4リットルが都合がよいと思う。

吊り手が付いているものが持ち運びに便利。できれば日本製がよい。「果実酒ビンの選び方」を参考にしてください。

購入したら、食器洗い用の洗剤で丁寧に洗い、水気を切っておく。

消毒のため、梅を入れる前にホワイトリカーを浸したガーゼで拭くとよい。とは言うものの、面倒なので私はホワイトリカーを少し入れ、かけ回して消毒しています(2回やっている)。

煮沸するとビンが割れることがあるので、これはしないでください。


梅漬けをつくる

塩分と梅に含まれているクエン酸は、熱中症の予防に効果があるとのことです。ちょうど梅漬けが完成するころに、夏が本番になるわけで、自然は実にうまくできていると思います。

梅を洗って塩漬けにする

とにかく、時代的には「洗う」ことが重要になっています。当地では「黄砂」という余計なものまで降ってきます。最近ではPM2.5もあります。

(1)梅のヘタを取る

梅のヘタを取る。先が尖っているもの(竹串や爪楊枝)を使うと便利。私はプラスチック製の紐通しを使っている。

ザックリと傷が入っていたり、グズグズしている梅は思い切って捨てる。
熟した梅では、ヘタのところにカビが生えているものがあるので、それは捨てる。
一個のために全体をダメにする可能性があるので、惜しいと思わないようにする。

(2)梅をざっと洗う

梅のヘタを取ったら、ざっと洗う。

(3)アクリルたわしで梅を洗う

アクリルたわしで、梅を一粒づつ丁寧に洗う。そっと軽くこする感じで洗う。

すべて洗い終わったら、再びざっと洗って、よく水気を切って乾かしておく。

百円均一で見つけたので、この方法に変えた。

(4)ビンに入れて塩漬けにする

消毒したビンに、梅→塩→梅…の順で一段ずつ重ねる感じで入れる。残った塩は、上からフタをするような感じで入れる。

しばらくすると梅酢が出てくるので、ビンを回して全体に梅酢がかかるようにする。これを1日に何回か繰り返す。そうすると早く梅酢が出てくる。

赤じそで漬ける

(1)シソの葉をキレイに洗う

砂や汚れが付いているので、これをよく落とす。驚くほど付いているので、最低限三回は洗う。小分けすると洗いやすい。

シソは、葉の部分だけを使い、葉柄や茎は使わない。

(2)水気を切って、よく乾かす

水気が残っていると、カビの原因になりやすい。

(3)粗塩をかけて揉む

ボールにシソの葉を少し入れ、粗塩をかけて揉む。最初からギュッ、ギュッと強く揉まないようにする。サワサワと軽く揉んでいると、自然にシンナリしてくる。

徐々にシソの葉の量を増やし、片手に収まるような大きさの量になったら、ギュッ、ギュッと揉む。あまり強く揉むと手を痛めるので注意する。

アクが出てくるので、それは捨てる。

(4)粗塩をかけて、また揉む

丸くなっているシソの葉をほぐし、粗塩をたっぷりかけて、再び揉む。するとまたアクが出てくるので捨てる。

これをもう一回やる。つまり、最低でも三回はもむ。アクが出なくなるまで、もっと頑張ったほうがよい。

(5)シソの葉と梅酢を混ぜる

ボールに入っているシソの葉の上に梅酢を全部注ぐ。割り箸などでシソの葉をほぐし、全体に梅酢が行き渡るようにする。赤色に染まった綺麗な梅酢ができる。

一般的な手順は上記のとおりだが、梅酢を移すのが面倒だし、雑菌が入るのを防ぐため、私は、割り箸でシソの葉をほぐしたあと、それを直接ビンに入れている。

ここで気を付けなければいけないのは、シソの葉を塊にしないことで、塊にするとカビが生えてしまう。

梅酢が十分に行き渡るようにバラバラらにし、それを梅の間に軽く押し込むようにする。強く押し込むと梅がつぶれてしまう。

そうしたあと、ビンをコロコロ回して、梅酢がシソの葉にかかるようにする。これを丁寧に行うと、全体が美麗な色に染まる。

(6)梅酢をビンに戻す

梅酢をビンに戻し、シソの葉は、上からフタをするように梅の上に重ねる。

時々ビンを回して全体に梅酢がかかるようにする。これは1ヶ月ぐらいしたら後はしなくてもよい。


干し梅をつくる

農協の販売所で「干し梅」というのを見つけた。梅干しをカラカラに乾かしたものだが、梅漬けの梅を干しても同じようなものができるのではないかと思った。

検索して調べてみると、干し梅のつくり方がいろいろとある。それらを参考に試しにつくってみた。

用意したもの(いずれも百円均一にある):

  • 眉毛用のカットはさみ
  • ピンセット
  • 多用途ネット(万能干しかご

(1)梅漬けの梅を予備的に少し乾かす

梅漬けの状態のままでは、べちゃべちゃして扱いにくいので4、5日干す。

このまま1ヶ月ぐらい干して、干し梅にしてもよい。

(2)種を取る

梅の先っぽ(へたのほうではない)を軽く十字に切る。

そこからハサミを差し込み、種の表面に沿ってジョキジョキと切る。

ある程度まで切ったら、ピンセットで種をグッとつかみ取り出す。左右にひねるようにすれば取り出しやすい。

(3)本格的に干す

1ヶ月ぐらい干せば、干し梅ができる。4、5日としているレシピもあるが、その日数では足りないように思う。

梅は自然にペッタンコになるので、とくに作業の必要はない。

タネなし干し梅(参考にしたサイト)


梅酒のつくりかた(番外編)

アルコールを飲まないので、基本的に梅酒はつくらないが、他にも自分的には高いハードルが二つあった。

  • 密封ビンのよいものがなかった
  • ホワイトリカーの品質に疑いを持っていた(原料がよくないらしい)

しかし、最近、これらの心配事を払拭するような物をアマゾンで見つけた。

梅酒のつくりかたは、非常に簡単です。青梅(1kg)、ホワイトリカー(1.8L)、氷砂糖を用意すればよい。これに最適なサイズが4L容器です。

最初に梅を入れ、次に氷砂糖をかぶせるように入れ、上から焼酎を注ぐ。(梅やビンの洗い方などは上記を参照。)

梅は、青梅の固いもので、可能であれば無農薬・無肥料のものがよい。つまり、庭先にある梅の木。

ちゃんとした梅酒を楽しもうしたら、多少のお金はかかるのだろうと思います。


梅のラッキョウ酢漬(番外編)

数年前、ラッキョウ酢が余ったので、梅のラッキョウ酢漬をつくってみた。

1ヶ月くらいすると食べ頃になるとのことだったが、酸っぱくて、そのままにしておいた(もともと酸っぱいものが嫌い)。

今年(2015年6月)、それを「発見」し、おそるおそる食べてみたら、これが案外にいける。

漬け汁もちょっとなめてみたら美味しい。炭酸水で薄めて飲んだら、さらに美味しかった。

  • 梅 (適量)
  • ラッキョウ酢 (適量)

洗って乾燥させたビンに梅を入れる(殺菌しておくとよい)。少し梅の頭が出るくらいにラッキョウ酢を注ぐ。最初の2〜3日は軽くビンを揺する。

ラッキョウ酢や梅が余ったら、お試しください。

2リットルのビンであれば、梅1キロだとちょっと多い(6個ぐらい余る)。ラッキョウ酢は1.8リットルの半分ぐらいの見当になる。

梅2キロの場合は、ラッキョウ酢が1.8リットルとして4リットルのビンでちょうどよい。

いずれの場合も、液漏れを防ぐため、ラッキョウ酢の量は肩口までにする。


梅漬けが失敗した原因の考察(2013年)

手順が面倒なので、梅干しを造ったことはなかったが、「ビン干し」という手法があることを知り、挑戦してみることにした。

プラスチックの保存袋に、等量の梅と塩を入れ、梅酢が少し出た段階で瓶に移し、土用の頃にビンごと干すという手順であった。

しかし、シソの葉を入れたら、しばらくしてシソの葉にカビが生えてしまった。手順的に異なっているのは、プラスチックの袋を使うという点であり、ここに原因があったと思われるが、はっきりしたことはわからない。

プラスチックの袋からビンに移したとき、雑菌が混じったのかも知れないし、ビンの消毒が不十分であったのかも知れない。

普段であれば、シソの葉を揉んだとき、梅酢をすべてボールに移し、シソの葉を泳がす感じにしていたのだが、今回は梅酢の量が少なかったような気もしている。

いずれにしても、梅を移動させる回数が多いほど、雑菌が混入する機会が多くなるので、プラスチックの袋を使ったことが主な敗因かも知れない。

ビン干しの結果であるが、いつまでたっても「梅干し状態」にならず、これは途中で諦めた。


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