2018年コンサート・マイ・ベスト10



 今年も記憶に強く残っているコンサートを、県外で聴いたコンサートは除いて、日付順に列挙します。

 なお、例年のように新潟市ジュニアオーケストラ教室の定期演奏会は別格ですので、ここでは除いておきます。今年はグリーグの「ペールギュント」と、何とストラヴィンスキーの「火の鳥」に挑戦し、驚くべき名演に涙しました。ついにここまで来たんですね。

 では、順に10公演を選びたいと思います。


2018年1月14日(日) 新潟市民芸術文化会館 コンサートホール
東京交響楽団第105回新潟定期演奏会

 記録的大雪中でしたが、いかにも飯森さんというような、豪華絢爛、総天然色の聴き映えのする壮大な音楽を作り上げました。これぞオーケストラというような圧倒的迫力で、音の洪水に身をゆだね、音楽の喜び、オーケストラの素晴らしさを有無を言わせず感じさせてくれました。


2018年3月18日(日) 新潟市秋葉区文化会館
新潟セントラルフィルハーモニー管弦楽団特別演奏会

 期待の俊英・大瀧拓哉さんが、新潟の総力を結集したオケに真っ向から対峙し、音楽の神が乗り移ったかのごとく、熱い演奏を聴かせてくれました。ほとばしる熱気に火傷しそうであり、怒涛の音楽の洪水に身をゆだねるばかりでした。一期一会の神がかり的名演に立ち会えた幸せをかみしめました。


2018年6月17日(日) 長岡リリックホール コンサートホール 
長岡交響楽団第59回定期演奏会

 横島さんという素晴らしい指揮者に導かれ、燃え上がるような演奏を聴かせてくれました。感動を与えてくれるという点では新潟県内最強ではないでしょうか。演奏を聴いていますと、音楽にはプロだのアマだのという区別に意味はなく、心に響く音楽かどうかが重要だということが実感されました。


2018年7月7日(土) 新潟市民芸術文化会館 コンサートホール
新潟大学管弦楽団第39回サマーコンサート

 目を閉じて聴いていますと、これが新大オケとは思えません。もしかして東響定期の間違いじゃないかと自問自答しました。学生オケですので、当然毎年メンバーが大きく入れ替わり、毎年別のオケと言っても良いのかもしれませんが、伝統を受け継ぎ、成長しています。半年間の練習の成果が遺憾なく発揮されており、各パートともいい仕事をしていました。

 
2018年9月8日(土) 長岡市立劇場 大ホール 
反田恭平ピアノリサイタル

 すべての曲を反田さんの体内に取り込み、反芻され、新たな生き生きとした音楽に変化させ、火山が爆発するがごとく、燃えるような音楽が生み出されました。もう、反田ワールドの虜です。噂以上の実力と魅力。大したものです。もっと驚きは、今月24歳になったばかりということ。これからの楽しみが尽きません。

 
2018年9月30日(日) 新潟市民芸術文化会館 コンサートホール
東京交響楽団第109回新潟定期演奏会

 
みなぎるパワーを振りまきながら、元気いっぱいに飛び回る若き指揮者とともに、東響の皆さんは踊り狂い、熱く爆発する音楽をホールいっぱいに響き渡らせました。聴く者の心を揺り動かす音楽のパワーに圧倒されるばかりでした。音楽ってすばらしいなあ、と燃え上がる感動を抑えきれませんでした。指揮者とともに、熱く爆発した東響の皆さんにブラボーを贈りたいと思います。

 
2018年10月7日(土) 新潟市民芸術文化会館 コンサートホール
NHK交響楽団新潟特別演奏会

 井上道義さんはゲストコンマスのキュッヒルさんとともに、N響のツワモノたちを見事にまとめ上げ、鼓舞し、燃え上がるような熱い演奏を引き出しました。生き生きと輝きのある音楽、流れ出る音の洪水に身を委ねました。 

 
2018年10月12日(金) 新潟市民芸術文化会館 コンサートホール
ワルター・アウアー&シュトゥットガルト室内管弦楽団

 
プロモーション的にはアウアーのフルートを前面に出したコンサートでしたが、シュトゥットガルト室内管弦楽団の極上の弦楽アンサンブルに酔いしれた一夜でした。ここ数年で聴いたなかでも最高のアンサンブルではなかったでしょうか。

 
2018年11月4日(日) 新潟市民芸術文化会館 コンサートホール
東京交響楽団第110回新潟定期演奏会

 隅々まで注意が払われ、一音一音が美しく響く丁寧な音楽作り。鍛え上げられた絶妙のアンサンブル。かつて前音楽監督のスダーンと名演奏を聴かせてくれた東響は、ノットさんの下で、さらに高い極みへと踏み出しました。心の奥底に溜め込まれた燃え上がるエネルギーが爆発し、興奮と感動のフィナーレを迎えました。


2018年11月18日(日) 長岡市立劇場 大ホール
アシュケナージ指揮アイスランド交響楽団

 辻井さんのピアノの輝きのある音色に驚きました。クリスタルのように輝く透き通った音。個人的にはそれほど好きな曲でもないのですが、どんどん演奏に引き込まれました。感動の涙とともに、うっとりと聴き入るばかり。81歳の老練の指揮者のサポートを得て、若き天才の創り出す音楽が淀みなく流れ出ました。世代を超えた芸術家による音楽の饗宴。贅沢な時間を過ごせました。




 この中からベスト1を挙げるとしますと、東京交響楽団第110回新潟定期演奏会を選びたいと思います。