新潟大学管弦楽団第39回サマーコンサート
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2018年7月7日(土) 18:30  新潟市民芸術文化会館 コンサートホール
 
指揮:河地良智
 



ハチャトゥリアン:組曲「仮面舞踏会」
   Tワルツ、U ノクターン、V マズルカ、W ロマンス、X ギャロップ 

モーツァルト:交響曲第31番 ニ長調 「パリ」 K.297

(休憩:20分)

ヴォーン・ウィリアムズ:交響曲第5番 ニ長調

(アンコール)
ピーター・ウォーロック:カプリオール組曲 より 
              第1楽章 「バス・ダンス」





 

 西日本では大雨特別警報が続き、甚大な被害が出ています。新潟でも大雨こそなりませんが雨が降ったり止んだりで、気分も晴れません。
 こんな土曜日ですが、久しぶりに新潟大学管弦楽団を聴くことにしました。プログラムされているヴォーン・ウィリアムズの交響曲第5番が新潟初演ということであり、今後聴く機会もないかも知れず、これは聴かねばということで駆けつけたしだいです。
 私の母校のオケということで、かつては毎回のように聴いていたのですが、最近は所用が重なって聴きに行けないことが多く、2016年12月以来になります。

 ということで、雨の中りゅーとぴあに到着。ちょうど開場が始まっていて、私も列に並び、2階Cブロックに席を取りました。周りにはご子息が出演されると思われる方々。メンバー表を見ながら話が盛り上がっていました。
 大学のオケですから当然でしょうが、客層は若いですね。若者がいっぱい。この人たちがみんな新潟に残ってコンサートに足を運び、東響定期会員にもなってくれたら安泰なんでしょうけれど、卒業後は新潟から去っていくんだろうなあなどどと感慨にふけるのでありました。

 さて、曲ごとの出演メンバー表がプログラムに挟まっていましたが、大所帯の新大オケだけあって、コンマス以外は曲ごとにメンバーが大きく変わり、別のオケを3つ聴くような感じです。選抜メンバーだけでないというのも良いですね。

 開演時間となり団員が入場。最後にコンマスの松本さんが登場して大きな拍手が贈られました。お馴染みの河地さんが登場して、最初は、「仮面舞踏会」です。
 5曲からなる組曲の演奏でしたが、急ー緩ー急ー緩ー急という5曲の対比も面白く、良くまとまったいい演奏だったと思います。出だしの「ワルツ」の重厚なサウンドを聴いて、今年の新大オケの良さがすぐに感じられました。
 2曲目の「ノクターン」でのコンマスの長大なソロを始め、「ロマンス」でのトランペットソロなど、各曲の聴かせどころかバッチリと決まりました。オーケストラの醍醐味を感じさせるゴージャスなサウンドが心地良く、文句なく楽しめました。

 メンバーが入れ替わって2曲目はモーツァルトの「パリ」です。「仮面舞踏会」の重厚さがそぎ落とされ、いかにもモーツァルトというような軽快な機動力のあるオケに一転しました。軽快に、淀みなく、爽やかに音楽が流れ、透明感のある音楽に身を委ねました。これもいい演奏でした。

 休憩後の後半は、新潟初演のヴォーン・ウィリアムズの交響曲第5番です。もちろん演奏を聴くのは初めてです。心に優しく響くき、癒しをも与えてくれるいい曲ですね。この曲の良さを知らしめてくれたのは演奏の良さがあってのこと。管のソロも弦のアンサンブルもバッチリ。こんなにも美しい弦楽のサウンドを聴けるなんて、予期せぬ驚きでした。
 各楽章とも良かったですが、第3楽章「ロマンツァ」は特に心打ちました。ビロードのようなオーケストラサウンド。こんなにも美しい音楽を聴けるなんて・・。天に昇るような心地良さを感じました。
 目を閉じて聴いていますと、これが新大オケとは思えません。もしかして東響定期の間違いじゃないかと自問自答しました。大学の入学式で聴いた「マイスタージンガー」がこのオケを聴いた始まりでしたが、ついにここまで極めたのですね。

 カーテンコールの後河地さんの挨拶があり、アンコールに弦楽合奏で「カプリオール組曲」の1曲が演奏されて終演となりました。新潟初演という冒険に出た河地さんに拍手を贈り、隠れた名曲を紹介してくれたことに感謝したいと思います。

 学生オケですので、当然毎年メンバーが大きく入れ替わり、毎年別のオケと言っても良いのかもしれませんが、伝統を受け継ぎ、成長しています。半年間の練習の成果が遺憾なく発揮されており、各パートともいい仕事をしていました。当然今年のベストコンサート候補に上げておきたいと思います。

 若者たちの渾身の演奏に元気をもらい、いい音楽を聴かせていただいた喜びと感謝を胸に家路に着きました。

  

(客席:2階C6-3、 ¥700)