毎年のGWに恒例の新潟クラシックストリートです。私にとってGW唯一のイベントであり、これだけに絞って楽しみにしていました。
今年は、新潟市内23会場で、全105公演が開催されました。どの会場のどの公演を聴くのか思案するのも楽しみのひとつです。
今年は5月から、これまでの主要会場であった音楽文化会館が改修工事で休館のため、会場の設定に苦労があったものと推測します。本来の趣旨としては、喫茶店やライブハウスなどで、飲み物や食事をいただきながら、音楽を楽しむのが良いと思いますが、歩き回るのが大変ですので、今年も会場をしぼって、純粋に音楽を楽しみたいと思います。
今日は、こどもの日。空は晴れ渡り、清々しい快晴の休日になりました。どうしようか悩みましたが、新装なった新潟駅の見学を兼ねて、最初の公演は、マルタケホールでの大島みなみさんと小林浩子さんの公演を選びました。
早めに駅前の駐車場に車をとめて、新潟駅を見て回りましたが、随分ときれいになっていて、昭和の時代に親しんだ新潟駅の面影は消えていました。駅を一回りして、ベンチで時間をつぶしてマルタケビル入りしました。
エレベーターで8階に上がりますと、すぐ目の前がマルタケホールです。ここに来たのは、2021年5月以来ですので、3年振りになります。
すでに開場されていましたので、そのまま入場して、正面3列目に席を取り、この原稿を書きながら開演を待ちました。
小さなステージにはスタインウェイの小型グランドピアノ。時間となり、黒いドレスの大島さんと、黒地に赤模様のドレスの小林さんが登場。ベートーヴェンのスプリング・ソナタが演奏されました。
安定感のある小林さんのピアノに支えられて、大島さんは堂々とした演奏を聴かせてくれて、春の喜びが伝わってきました。客席からはブラボーの声も上がり、その演奏を讃えました。
大急ぎで新潟駅前から車で移動し、長期戦に備えて市役所駐車場に車をとめて、白山神社を抜けて上古町へと早足し、開店直後の桜蘭で昼食。絶品の冷やし中華をいただきました。昨日から始めたとのことで、ラッキーでした。これを食べないと、私の春は来ません。
次の公演が迫っていましたので、急ぎ足で白山神社を抜けて、りゅーとぴあ入り。ホワイエでは、ザ・リコーダーズの皆さんの演奏が行われており、美しいリコーダーのアンサンブルが残響豊かなホワイエに響いていました。
演奏は続いていて、最後まで聴いていたかったですが、時間が迫っていましたので、コンサートホールに移動し、毎年楽しみにしている新潟中央高校コーラス部の公演です
お馴染みの「青い珊瑚礁」で楽しく始まり、今年のコンクールの課題曲など、たっぷりと歌ってくれました。この合唱団の十八番で、毎回楽しみにしている「ヘイル・ホーリー・クイーン」も抜かりなく歌ってくれて良かったです。
ホワイエに移動し、続いてはチェロ三重奏の Trio Cecilia
です。意表をついて、ドラゴンクエストで開演し、「花は咲く」から「カルメン」まで、多彩な曲を見事なアンサンブルで演奏し、アンコールの「見上げてごらん、夜の星を」をしっとりと演奏し、感動を誘いました。
コンサートホールに移動して、次は敬和学園高等学校混声合唱部です。昨年の公演で聴いたオラ・イェイロの「The
Ground」に感動し、一気にファンになりました。
混声合唱、男声合唱、女声合唱と様々な曲で楽しませてくれましたが、混声合唱の音の厚みや迫力は素晴らしく、この合唱団の実力をまざまざと知らしめてくれました。
最後は敬和学園では全校生徒で歌うという「ハレルヤ」で盛り上げて終演となりましたが、合唱も、ユーモアあふれるMCも素晴らしく、大きな感動をもたらしました。
ホワイエに移動して、続いてはクラリネット四重奏のアンサンブル・ベヴィトーレです。ハイドンのディヴェルティメント、ベートーヴェンの「運命」、ファリャのスペイン舞曲第1番が演奏されましたが、残響豊かなホワイエに響き渡るクラリネットの調べは美しく、オーケストラを聴くかのような聴き応えある演奏、躍動感に溢れる演奏に圧倒されました。アンコールにオンブラ・マイ・フをしっとりと演奏し、爽やかな感動を誘って終演となりました。
コンサートホールに移動し、次はアンサンブルフィーデルです。新潟のヴァイオリン界のレジェンド・鈴木和子さんを代表として、新潟市西区で活動する弦楽アンサンブルですが、お世話になっている方が参加されていることもあり、毎回欠かさず聴かせていただいています。
モーツァルトのディベルティメントと、ピアノの村山和子さんを迎えてのドヴォルザークのピアノ五重奏曲第1楽章が演奏されましたが、これまで以上の美しいアンサンブルに感動しました。
アンコールの「トルコ行進曲」も、速いパッセージでも乱れることなく、流れるような演奏にうっとりと聴き入りました。私と同年代の熟年者が多いアンサンブルですが、毎年進歩しているのが素晴らしいですね。
ホワイエに移動して、今度は浅利守宏さん率いる新潟木管五重奏団Plus+ギターです。開演前のリハーサルからブラボーが贈られる素晴らしい演奏でした。
木管四重奏によるロッシーニの6つのカルテット第1番、オーボエが加わって木管五重奏による荒川洋の「メセナの丘にて」が素晴らしいアンサンブルで演奏され、残響豊かなホワイエで、天上から音が降り注ぐようでした。
最後はギターが加わって「情熱大陸」が演奏されましたが、全員立っての演奏で、手拍子も交えて、興奮と感動の演奏を聴かせてくれて終演となりました。
コンサートホールに移動し、次はクラリネット(石尾きらら)、チェロ(山田慧)、ピアノ(栄長敬子)の3人からなるユニットの
Trio Beer です。Beer というのは有名なクラリネット奏者だそうですが、浅学な私は何も知らず、このユニット名から初めて知りました。
ベートーヴェンのクラリネット三重奏曲、ブラームスのクラリネット三重奏曲のそれぞれ第1楽章が演奏されましたが、実力者3人によって、聴き応えある曲が卓越した演奏によって具現化され、圧倒されました。アンコールに日本の唱歌がメドレーで演奏され、感動の中に終演となりました。
この後は少しだけ時間が空きましたので、ロビーでこれまでの演奏についての原稿を書いていました。この後はホワイエに移動して、18時からの小助川謙二さんのエレクトーン演奏を楽しむはずでしたが、原稿を書いているうちに入場が遅れて、ホワイエに入れませんでした。19時からの鍵冨さんのリサイタルの開場の関係で、ホワイエの客数を絞ったそうです。
ロビーに漏れ出る演奏を聴いているうちに、鍵冨さんの開場が始まり、私も入場して席を確保し、ホワイエに出て小助川さんの演奏を聴かせてもらいました。
昨年も聴かせていただきましたが、編曲の良さもあって、エレクトーンの魅力を如実に知らしめてくれました。トークで感じ取られる人柄も素晴らしく、これからの発展を応援したいと思います。
そして19時からは、今年のクラシックストリートの最後を飾る鍵冨さんのリサイタルです。今年は他の公演と重ならない特別枠が設定され、コンサートホールでのリサイタルとして開催されました。
これにつきましては別に記事を書かせていただきたいと思いますが、ピアノ、オーボエとともに、素晴らしい演奏を披露してくれて、大きな感動をいただきました。
朝10半の公演に始まって、最後の終演は、予定時間を大きく超えて、20時20分頃でした。全10公演、移動も含めて10時間近くも音楽漬けの1日になりました。
出演された新潟の音楽家の皆さん、運営に当たった関係者の皆さん、ボランティアの皆さんに感謝したいと思います。ありがとうございました。
(1日フリーパス券:¥2000)
|