今日からGWが始まりました。行楽にお出かけの方も多いものと思いますが、私は出かける予定はなく、その代わりに音楽を楽しませていただきます。
ということで、今日は新潟室内合奏団の演奏会です。昨年10月に開催された第88回演奏会以来、半年振りになります。
先回は日曜日の午後の開催で、会場もりゅーとぴあ・コンサートホールだったのですが、今回はいつもの土曜夜の開催で、会場も新潟市音楽文化会館に戻りました。
メインプログラムは、先回は「田園」でしたが、今回は「英雄」です。前半は協奏曲が組まれることが多いのですが、今回はシューベルトの交響曲第5番です。好きな曲ですので、楽しませていただきたいと思います。
なお、新潟市音楽文化会館は、5月1日から老朽化に伴う大改修工事のため、長期の休館になりますので、休館前の最後の演奏会になります。
穏やかな土曜日の午後、テレビでアルビの敗戦を見届けて、暗い気分で家を出ました。東区の某所で休息を取り、早めの夕食を食べてりゅーとぴあへと向かいました。
白山公園駐車場に車をとめて、穏やかな夕暮れの中、新緑の美しさを感じなから公園を散策し、春の喜びを満喫しました。
りゅーとぴあでチラシ集めをして、音楽文化会館に行きますと、ちょうど開場が始まるところでした。列に並んで入場し、中央付近に席を取り、この原稿を書きながら開演を待ちました。開演時間が近付くに連れて客席は満遍なく埋まり、なかなの盛況と言えましょう。
開演時間となり、団員が入場。弦5部は、5-6-6-6-2 です。メンバー表では、ヴァイオリンは全部で12人のはずでしたが、11人でした。コンマスは井口歩さん。第2ヴァイオリンのトップに、賛助出演の佐々木友子さんがおられました。
若き指揮者・神成さんが登場し、まずはベートーヴェンの序曲「コリオラン」です。最初の和音が美しくホールに響き、「ホー、なかなかだなあ」と感激して聴き入りました。緊迫感を感じさせる良い演奏だったと思います。
管の入れ替わりがあり、続いてはシューベルトの交響曲第5番です。第1楽章は、春を思わせる明るいメロディを軽やかに歌い、まさに今の時期にぴったりだなあと感じました。
第2楽章は、緩徐楽章ではありますが、少しゆっくり過ぎかなと感じました。ゆったりと美しいメロディに浸りたいところでしたが、アンサンブルが破綻するのではないかと勝手に緊張感を抱きながら聴いていました。
第3楽章は、刻むようなちょっと暗いメロディと中間部の流麗さの対比が魅力です。管は良かったですが、弦はちょっとばらけ気味でしたでしょうか。でも、しっかりと持ちこたえてくれました。
第4楽章は、軽快に颯爽と駆け足し、美しく歌わせながら、足取りを速めて、ちょっとあっけない中にフィナーレとなりました。
アンサンブルの乱れなど、アマチュアらしさを感じる場面がありましたが、それは当然こと。この曲の魅力は十分に伝わってきました。
休憩後の後半は、ベートーヴェンの「英雄」です。切れの良い、颯爽とした出だしで、前半にはなかったティンパニが加わって良い味付けがされ、前半のシューベルトよりも引き締まった演奏に感じました。小編成ですので、各個人の力量が垣間見えてしまいますが、演奏技術を超えた熱さが感じられ、良い演奏でした。
第2楽章は、暗さは感じられず、堂々とした風格を感じさせる演奏でした。第3楽章は、軽快に、小気味良く駆け抜けて、ホルンのファンファーレもバッチリ。終始スピード感を維持し続けました。
そして、アタッカでつないだ第4楽章は、ピチカート後の合奏の乱れを感じたりはありましたが、すぐに持ち直して、その後の盛り上げ方も素晴らしく、ゆったりとした合奏からゆっくりとリズムを刻み、壮大に歌い上げました。急にギアチェンジしてスピードアップし、エンジン全開の中にフィナーレを迎えました。
感動の演奏に大きな拍手が贈られて、指揮者にも花束が贈呈されました。アンコールを期待しましたが、そのまま終演となりました。
アマオケならではのアンサンブルの乱れは感じましたが、それは当然のこと。小編成の室内オケですので、弦の厚みが不足するのは仕方ないですが、その分機動力が発揮できていて、若き指揮者とともに、熱量に溢れた音楽を創り上げて、感動を誘いました。
大いに楽しませていただき、心地良い春の空気の中、ライトアップされた公園の木々を見ながら駐車場へと早足しました。春っていいですね。
*次の第90回演奏会は、11月10日(日)14時から、りゅーとぴあ・コンサートホールで開催され、指揮者は、喜古恵理香さんです。メンデルスゾーンの交響曲第1番のほか、独奏者に佐々木友子さんを迎えてのチャイコフスキーのヴァイオリン協奏曲が演奏される予定で、今から楽しみです。
(客席:13-9、\1000) |