佐渡裕指揮 シエナ・ウインド・オーケストラ演奏会 
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2023年11月5日(日) 14:00 長岡市立劇場 大ホール
指揮:佐渡 裕
 

ブラスの祭典☆2023 レスピーギ ローマ三部作

レスピーギ/森田一浩編:交響詩「ローマの祭り」

音楽のおもちゃ箱〜佐渡裕のトークと音楽〜
  マンボNo.5(全員参加)
  パーカッショングループによるボディパーカッション
  アフリカン・シンフォニー

(休憩20分)

レスピーギ/磯崎敦博編:交響詩「ローマの噴水」

レスピーギ/木村吉弘編:交響詩「ローマの松」

(アンコール)
スーザ:星条旗よ永遠なれ

 昨日の柏崎遠征に引き続いて、今日は長岡遠征です。今回は久しぶりにシエナ・ウインド・オーケストラです。指揮はもちろん佐渡裕です。今回は長岡市立劇場開館50周年記念として位置づけられている演奏会であり、参加させていただくことにしました。

 この公演は、佐渡裕 X シエナ《ブラスの祭典2023》「ローマ三部作」としての全国ツアーの一環です。11月3日の多治見公演、4日の熊谷公演に引き続いての長岡公演です。
 この3日連続の公演の後はひと休みして、12月8日の足利公演で再開され、滋賀公演、名古屋公演、秋田公演、長野公演、そして25日の文京シビックホール公演までツアーが続きます。

 シエナ・ウインドオーケストラの演奏会は、2006年12月(新潟)、2007年9月(長岡)、2009年3月(新潟)、2009年8月(長岡)、2010年10月(加茂)と聴いてきましたが、その後はご無沙汰してしまい、今回は13年振り6回目となります。
 今回は私が好きな曲であるレスピーギの「ローマ三部作」が演奏され、大編成の迫力あるブラスサウンドでストレス解消できることが期待され、アンコールでは観客も参加できる「星条旗よ永遠なれ」もコロナ後初めて復活することも楽しみでした。サービス精神旺盛な佐渡さんの指揮ですので、楽しいコンサートになることは間違いなく、久しぶりに参加させていただくことにしました。

 昨日は天候が崩れましたが、今日は曇り空ながらも穏やかな天気になりました。いつものように経費削減のため高速は使わずに、分水・与板経由で長岡入りし、快適なドライブで市立劇場入りしました。長岡市立劇場に来たのは、6月に開催された開館50周年記念の「どうする太郎」以来になります。
 車の中で時間調整して劇場に入り、開場待ちの列に並んで、早めに入場。ロビーでこの原稿を書きながら開演を待ちましたが、開場の列は館外まで長く伸びていました。シエナ人気、佐渡さん人気、いや、吹奏楽人気はすごいですね。
 開演のアナウンスがあり客席に着きましたが、ほぼ満席のホールは熱気に満ちていました。ステージには、打楽器群のほかに、ピアノ、チェレスタ、ハープなど、たくさんの楽器が並び、気分は盛り上がります。

 開演時間となり、佐渡さんがステージに登場して挨拶があり、長岡は7回目であること、シエナとのほかに、ベルリンドイツ交響楽団やウィーン・トーンキュンストラー管弦楽団とも来演したことがあることなど、楽しいトークがありました。

 佐渡さんが下がって、拍手の中に団員が入場。ステージの左袖にはバンダのトランペットが3人スタンバイしました。最後にコンマスが入場して大きな拍手が贈られ、チューニングとなりました。

 佐渡さんが登場して、「ローマの祭り」で開演です。バンダのトランペットか炸裂し、迫力あるブラスサウンドとともに、ローマの闘技場での奴隷と猛獣との戦いが眼前で繰り広げられました。その圧倒的迫力に、シエナの魅力が早々に再確認できました。
 その後は、巡礼者による賛歌が静かに歌われ、マンドリンのセレナーデが美しく流れ、最後は華々しく賑やかに祭りを楽しんでフィナーレとなりました。
 強奏部での大音量に否応なく興奮させられ、静けさの場面での透き通るような美しいサウンドにうっとりと聴き入りました。
 10人もの打楽器奏者が様々な楽器を演奏し、レスピーギのオーケストレーションの素晴らしさと、それを具現化するシエナの皆さんのパフォーマンスによって、豪華絢爛・総天然色の音楽絵巻が眼前で繰り広げられました。
 吹奏楽編曲版ではありましたが、何ら違和感はなく、フルオーケストラ同様の感動が得られ、音楽を聴く楽しみ、吹奏楽の素晴らしさを再認識させられました。

 続いては「音楽のおもちゃ箱」のコーナーです。コロナ禍で中止していた企画が復活しました。佐渡さんのトークとともに、まず最初は「マンボNo.5」です。
 観客全員参加でステップを踏んで手拍子し、掛け声を上げたり、歌ったりという趣向です。佐渡さんとその他の団員が派手なラテンの衣裳を身に着けて、客席に下りてきて盛り上げてくれました。シエナ名物の楽しい企画により、ホール内は一体化して盛り上がりました。
 続いて、パーカッショングループがボディパーカッションで楽しませてくれました。観客も拍手で参加して、楽しく過ごしました。
 そして最後は、シエナのかっこいい演奏を聴かせるとのことで、「アフリカン・シンフォニー」が演奏され、切れの良いリズムによる熱い演奏が気持ちよかったです。

 休憩後の後半最初は「ローマの噴水」です。ローマ3部作の中では、派手さがなく、一番静かな曲ですが、透き通った水のように、輝きと透明感のある演奏に、うっとりと聴き入りました。鐘の音とともに、静けさの中に曲は終わり、しっとりとした感動をいただきました。

 そして、最後は「ローマの松」です。光り輝くように華やかな「ボルゲーゼ荘の松」から、ちょっと不気味な「カタコンブの松」、月明かりの夜に鳥がさえずる「ジャニコロの松」、そして古代ローマ軍が行軍する「アッピア街道の松」と、色鮮やかな音楽絵巻に身を委ねました。
 ステージ左袖にトランペットのバンダが4人、右袖にトロンボーンのバンダが2人が出てきて、行軍の足音が次第に近付き、どんどんと音量を増し、興奮と感動のフィナーレへと爆発させました。
 これほどの演奏を聴かせられたら、感動しないわけにはいきません。シエナの皆さんの熱い演奏、それを引き出した佐渡さんの熱い指揮。最高のひと時でした。
 単に大音量で圧倒するのではなく、静寂の表現も秀逸であり、プロの吹奏楽団ならではのパフォーマンスに、胸が高鳴りました。

 大きな拍手が贈られて、アンコールは、観客も楽器を持って参加できる、シエナ名物の「星条旗よ永遠なれ」です。多数の観客が参加し、ステージはいっぱいになり、熱い演奏で興奮は最高潮となりました。

 このアンコールは撮影OKとのことであり、私も撮影させていただきました。

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 大きな感動とともに終演となり、気分爽やかに会場を後にしました。
 
 

(客席:30-14、A席:¥7000)