シエナ・ウインド・オーケストラ演奏会
  ←前  次→
2010年10月23日(土) 15:00  加茂文化会館 大ホール
 
指揮: 金 聖響
ゲスト: 内海源太(エレクトーン)
 
 

バーンスタイン(ゲランドマン・編):スラヴァ!

ホルスト(伊藤康英・校訂):吹奏楽のための第1組曲

リード:アルメニアン・ダンス (全曲)

(休憩:20分)

シャーマン兄弟(福田洋介・編):メリー・ポピンズ〜メイン・タイトル

ジアッチーノ(三浦秀秋・編):Mr.インクレディブル〜栄光の日々、スーパー・クレジット

ジマー、バデルトほか(清水大輔・編):パイレーツ・オブ・カリビアン/呪われた海賊たち

(アンコール)
曲名不詳
星条旗よ永遠なれ
 
 

 今年で創立20周年のシエナの演奏会に行ってきました。これまでは佐渡裕の指揮で何度か聴いていますが、金聖響の指揮では初めてです。今回は昨年8月の長岡公演以来5回目のシエナの演奏会となります。

 仕事を早めに切り上げ、職場を1時半に出発。秋晴れの中、田舎道を快適に走って加茂文化会館に思ったより早く到着しました。
 これまで聴いたシエナの公演は毎回チケット完売でしたので、今回も満員かと思いましたが、意外にも空席が目立ち、7割程度の入りでしょうか。これはちょっとビックリしました。

 開演に先立ち、ロビーコンサートがあり、キュートなフルートの2人(シエナ・フルーツ)とカホンによる演奏がありました。たった1曲でもの足りなかったですが、見事な演奏でした。間近に見る西田さん、金野さんの美貌にうっとりしました。

 さて、バーンスタインで開演です。前半はホルスト、リードと続いて、本格的な吹奏楽曲を聴かせてくれました。きびきびした金さんの指揮の下、迫力ある演奏を聴かせてくれました。ホールいっぱいに響き渡りますが、強奏部でも音の濁りがなく、見事なアンサンブルです。やっぱりプロは違うなあと実感しました。
 圧巻は吹奏楽の定番のアルメニアン・ダンスです。第1楽章はパート1として聴く機会がありましたが、全曲通して聴いたのは初めてでした。これを聴けたことが今回の収穫と思います。

 後半はディズニー関連の楽曲です。メリー・ポピンズの後に金さんのトークがあって演奏が進められました。パイレーツ・オブ・カリビアンではエレクトーンの内海さんが加わっての演奏でした。演奏に先立って、金さんにより内海さんの紹介とエレクトーンの紹介がありましたが、エレクトーンというよりシンセサイザーと言うべき多彩な音色に驚きました。
 実は後半の曲は「Disney on Brass」としてCD化されていますし、昨年3月の新潟でのコンサートで佐渡さんの指揮で演奏されています。このときも内海さんのエレクトーンが参加していました。このときの演奏と比較しますと、指揮者の違いもありますが、遊び心に若干欠けるような印象がありました。ポップスでなく真面目に吹奏楽を聴かせるという印象でした。

 佐渡さんのときはお遊びコーナーなどもあって、客を楽しませる場面も作っていたように思いますが、今日は遊びの場面はなくて、一貫して吹奏楽演奏会という感じでした。演奏そのものは素晴らしく、芸術性高い演奏に思いますが、娯楽としての音楽の楽しみはその分失われたように思います。後半はもっと砕けたノリノリの演奏があっても良かったかもしれません。
 アンコールの「星条旗」も義務的にやっただけのような感じで、感動もイマイチでした。普通ならアンコールのアンコールで「星条旗」をもう1回となるところと思うのですが、金さんも団員もさっさと引き上げてしまいました。参加した地元の方々はもう少し演奏したかったのじゃないでしょうか。
 金さんも団員の皆さんも乗っていなかったのかもしれません。空席の多さにがっかりしたのかなあ・・。もしかしたら、明日東京芸術劇場で全く同じ曲目で特別演奏会があるので帰りを急いでいたのかなあ・・。

 などと、前半の「アルメニアン・ダンス」には感動しましたが、後半は欲求不満というのが正直な感想でした。 
 

(客席:18−20、S席:5000円)