ラ・フォル・ジュルネ新潟2014 第3日
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2014年4月27日(日)   新潟市民芸術文化会館、新潟市音楽文化会館
 
 

9:40 (交流ステージ) 和栗葉久(ピアノ)
                 バルトーク:ルーマニア民族舞曲

10:00 新潟室内合奏団、高橋裕之(指揮) “0歳からのコンサート”

11:15 ムジカーシュ(民族音楽)

12:30 群馬交響楽団、大友直人(指揮)

13:53 (交流ステージ) 前田悠太朗(ピアノ)
                  リスト:3つの演奏会用練習曲より 第3番 ため息

14:05 (交流ステージ) 紫竹友梨(チェロ)、小林浩子(ピアノ)
                  ドヴォルザーク:我が母が教え給いし歌
                  リスト:愛の夢
                  ポッパー:ハンガリー狂詩曲

15:00 正戸里佳(Vl)、ニコラ・ラメズ(Hr)、岡田奏(Pf)

16:20 オーレリアン・パスカル(Vc)、群馬交響楽団、大友直人(指揮)

17:35 新潟市ジュニアオーケストラ、松村秀明(指揮)

18:50 フィリップ・ジュジアーノ(Pf)、群馬交響楽団、大友直人(指揮)

20:10 ケレモンス・ドゥ・フォルスヴィル(Vl)、梁美沙(Vl)、ベンジャミン・ベック(Vla)
     東条慧(Vla)、ドミトリー・シルビアン(Vc)、オーレリアン・パスカル(Vc)

 

 
 
 LFJ新潟の3日目です。今日も好天に恵まれ、清清しい日曜日になりました。今日も朝から参加です。

 9時半過ぎに会場入りしましたが、すでにたくさんの親子連れで、ロビーは混雑していました。人並みを掻き分け、交流ステージに行きますと、清心女子中学・高等学校のハンドベルの演奏が終わるところでした。
 その次の和栗さんのピアノを聴きました。まだ小学5年生というのが信じられないような落ち着いた演奏でした。今後の活躍を期待したいと思います。

 本日最初のコンサートは、恒例の「0歳からのコンサート」です。賑やかといいますか、騒々しくて音楽を楽しむ環境じゃないことは過去の経験で知っています。本来ならパスするのですが、パスポート券を買っていて無駄にしたくなかったので、今年も聴くことにしました。
 チケット完売となり、ホールは関係者席と思われる席を除いては満席となりました。乳幼児は親がだっこしていますから、子供を含めた人数は収容人数を大きく上回っているのではないでしょうか。
 演奏は、新潟室内合奏団の実力を知らしめるもので、子供たちの泣き声など気にならないような素晴らしさでした。「弦楽セレナード」は、昨日OEKで聴いたばかりですが、決して引けをとらない演奏でした。「美しき青キドナウ」も「モルダウ」も、騒音など気にならないほどでした
 考えてみれば、家族連れで、気兼ねなく音楽を楽しむというLFJの趣旨を一番反映しているのがこの「0歳からのコンサート」です。たくさんの親子連れで満員になったというのは大成功といえましょう。

 能楽堂に移動して、次はムジカーシュです。オープニングセレモニー、昨日の交流ステージと、すでに2度聴いていますので、今さら聴くこともないように思いましたが、そうとは知らずに、前からチケットは買ってありましたので聴かざるを得ません。演奏は肩の凝らない楽しいものでしたので、損はなかったですけれど・・。

 次は群馬交響楽団による「新世界」です。日曜日の昼ということもあってか、ほぼ満員の大盛況となりました。3階のサイド席まで満員というのに、どの公演でも空いている関係者席と思しき席(それも特等席)が空いていて、もったいなく感じました。
 演奏は東響時代の大友さんからは想像できないような燃えるような演奏でした。群響の音楽監督となり、オケを自在にドライブしているように思いました。東響に比して荒っぽさはありますが、それが盛り上がりへとつながったように思います。

 昨日同様、ドナウ広場で昼食を摂り、今日のお目当てのひとつである交流ステージでの紫竹さん、小林さんの演奏を楽しみました。
 紫竹さんと小林さんは4学年違うそうですが、同じ中央高校音楽科の出身とのこと。初めての共演とは思えない息の合った良い演奏でした。紫竹さんは名古屋方面で盛んな演奏活動をされているだけあって、トークも上手です。これからさらに花開くものと思います。小林さんも負けず劣らずの実力の持ち主。今日は伴奏でしたが、単独の演奏を是非聴きたいと思います。今後コンサート予定があるとのことで、活躍が期待されます。

 その後も、次の群響の公演まで交流ステージを聴こうと思ったのですが、足が疲れましたし、出演者が伏せられていたLFJ出演者による公演がまたムジカーシュの出演と聞いてがっかりしたため、急遽この時間のチケットを買って聴くことにしました。それが音楽文化会館での「フォル・ジュルネ・カメラータ」の公演です。
 「フォル・ジュルネ・カメラータ」は、ルネ・マルタン氏が、パリ音楽院の学生を中心に、若いトップソリストたちを集めて編成した室内アンサンブル・プロジェクトだそうです。そのカメラータ・メンバーのピアノの岡田さんの演奏と、ヴァイオリン、ホルン、ピアノの三重奏曲が演奏されましたが、珍しい曲を良い演奏で聴けて良かったです。

 続いては、群馬交響楽団です。今度は、カメラータのメンバーでもあるパスカルさんを迎えてのドボコンです。名曲の公演にも関わらず、客の入りはかなり減ってしまいました。演奏は若さと情熱が溢れるもので、これまで聴いたこの曲の中でも一番感動的じゃなかったかと思います。

 タイムサービスの軽食を食べ、今度は「新潟市ジュニアオーケストラ」です。ジュニオケ・ファンの私としましては、外すわけにはいきません。音楽文化会館の狭いステージですので、編成は小さくしてあるものの、ぎゅうぎゅう詰めです。
 演奏はお見事。ジュニオケの実力を知らしめるものだったと思います。「ハンガリー舞曲」はOEK、新潟交響楽団が演奏していますし、「モルダウ」は群響、新潟室内合奏団、プレ公演でスペシャル市民オーケストラが演奏していて、聴き飽きた感はありますが、ジュニアの演奏は、他の演奏に決して引けをとらないものだったと思います。新潟の至宝・ジュニアオケ。これからも応援を続けたいと思います。

 再びドナウ広場で、出会った友人と割引販売されていた夕食を食べ、再び群馬交響楽団の演奏を聴きました。今度は、過去のLFJでおなじみのジュジアーノさんを迎えてブラームスのピアノ協奏曲第1番です。2番は好きなのですが、1番は好きになれず、いつも退屈してしまいます。今日の演奏も例外とはならず、良い演奏だったのだろうとは思いますが、イマイチ楽しめませんでした。

 そして、いよいよ最終公演です。二つあるうち選んだのは能楽堂でのフォル・ジュルネ・カメラータの公演です。これが最後を飾るにふさわしい熱気あるれるものでした。若き音楽家の情熱がぶつかり合い、丁々発止のせめぎあいに圧倒されました。ネームバリューこそないかもしれませんが、その実力は計り知れません。良い音楽を聴いたなあという充実感を胸に会場を後にしました。

 これで今年のLFJ新潟の終わりです。本公演の有料公演は全部で17公演聴くことができました。さすがに疲れましたが、心地良い疲れです。2日間休みが取れて、音楽三昧できたことに感謝しなければなりません。来年がどうなるのか分かりませんが、是非続けていただきたいと思います。

 本公演は終わってしまいましたが、関連公演はまだ続きます。今度は何を聴こうかなあ・・・。