ラ・フォル・ジュルネ新潟 「熱狂の日」音楽祭2010 第2日 
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2010年5月1日(土)    新潟市民芸術文化会館、新潟市音楽文化会館 ほか
 
 
 
211:ケフェレック(Pf)、シンフォニア・ヴァルソヴィア、カントロフ(指揮)


241:アブデル・ラーマン・エル=バシャ(Pf)

212:山本真希、新潟市ジュニア合唱団

222:リチェルカール・コンソート、ピエルロ(指揮) ほか

213:東京交響楽団アンサンブル(金管五重奏団)

243:トリオ・ヴァンダラー(ピアノ三重奏)

234:ピーター・ウィスペルウェイ(Vc) 無伴奏チェロ組曲全曲演奏第3部

224:タチアナ・ヴァシリェヴァ(Vc)、プラメナ・マンコーヴァ(Pf)

215:エル=バシャ(Pf)、パスキエ(Vn)、シンフォニア・ヴァルソヴィア、カントロフ(指揮)
 
 
 今朝は5時に目覚めたら雨が降っており、どうなるかと心配しましたが、雨雲は去り、晴れの上天気となりました。幸い今日は仕事が休みなので、朝一番の公演から聴くことにし、早めに家を出ました。
 今日はメーデーということで、陸上競技場は労働組合の方々が集結し、デモ行進したりもあり、白山周辺は大にぎわいでした。公園の桜は散り、地面が花びらでピンク色に染まっていました。

 チューリップの花で作られた門をくぐり、りゅーとぴあに行くと、まだ早い時間に関わらず、たくさんの人でロビーは賑わっていました。最初の公演開始まで少し時間があったので、周辺を歩いてみました。空中庭園に巨大な花絵が作られていて、たいそうきれいでした。たくさんの出店があって、早くも美味しそうな食べ物が並んでいました。せっかくなので「くじら汁」をいただいて、コンサートに向かいました。

 最初はコンサートホールでのケフェレックのピアノ、カントロフ指揮シンフォニア・ヴァルソヴィアによるバッハとショパンの協奏曲です。3歳以上入場可であり、ホールは老若男女でいっぱいでした。オケは昨夜の公演では好印象を持ちませんでしたが、弦楽だけのバッハではすばらしいアンサンブルで、見違えるようでした。編成の大きくなったショパンでは昨夜同様にイマイチに感じました。ピアノのケフェレックは良かったです。経歴を見ますとご年配のようですが、遠目で見ると小柄でキュートで魅力的でした。演奏は良かったのですが、落ち着かないお子様方が多数あり、感動をそがれてしまいましたが、まあ、お祭りですから仕方ないですね。

 ここで、出店でカレーを食べ、音楽文化会館に行き、エル=バシャによるバッハとショパンを聴きました。ホールは満員。バッハの前奏曲とショパンの前奏曲を交互に弾くという斬新なプログラムで良かったです。

 急いでコンサートホールに行き、山本さんと新潟市ジュニア合唱団の演奏を聴きました。聴衆も多く、いつものように、期待通りの演奏をしてくれました。

 今度は出店で焼きそばを食べ、劇場へ。古楽アンサンブルのリチェルカール・コンソートを聴きました。古楽器の柔らかな調べ、ソプラノのケオハネの歌声も良く、大満足でした。

 続いてはコンサートホールでの東京交響楽団金管五重奏団の演奏です。P席を除けばほぼ満席という大盛況。東響定期でもなかなかこうはいきません。メンバーの自己紹介をしながらの演奏で楽しませてくれましたが、特にハミルさんの楽しいトークが良かったです。ただし、演奏は万全とはいかなかったように思いました。

 かなり疲れてきましたが、ここからが追い込みです。音楽文化会館に行って、トリオ・ヴァンダラーによるピアノ三重奏です。ショパン、C.P.E.バッハともにすばらしい熱演に息を呑みました。

 アンコールで時間が押して、大急ぎで能楽堂へ。今度はウィスペルウェイによる無伴奏チェロ組曲全曲演奏第3部です。昨夜の第1部に引き続いて聴くことになりましたが、すさまじい演奏でした。正面2列目ということもあり、奏者の息づかいが直に伝わり、ダイレクトに胸に迫ってきました。聴衆の集中力もたいしたもの。後半で地震があり、緊張感が一旦途切れましたが、その後は再び渾身の演奏が続き、打ちのめされました。

 今度は劇場でヴァシリエヴァのチェロとマンコーヴァのピアノの演奏です。先ほどのウィスペルウェイのチェロとは対称的に、女性らしい歌うよなチェロの音色に心癒されました。マンコーヴァのメガトン級ダイナマイトボディには驚きましたが、容姿からは想像できない柔らかなピアノの音色に感嘆しました。

 いよいよラストです。若干の時間が空いたので、交流ステージでの最終公演を聴くことができました。新潟オーボエ協会と有志の皆さんの出演でしたが、オーボエだけじゃない大編成のアンサンブルになっていて、最後を飾るにふさわしい盛り上がった演奏を披露してくれました。

 さて、ついに2日間の最後を飾る公演になりました。ヴァイオリンのパスキエ、ピアノのエル=バシャを迎えてのカントロフ指揮シンフォニア・ヴァルソヴィアの演奏です。さすがに夜遅くなり、客席も満席とはいきませんでしたが、すばらしい演奏に大盛り上がりでした。

 いずれの公演も客の入りが良く驚きました。交流ステージは常に黒山の人だかり。2日間で2万6千5百人もの集客があったとのことです。古町でのイベントも盛況だったそうです。晴天も幸いし、第1回目としては大成功と言って良いのではないでしょうか。来年はどうなりますか。これで終わりにはならないでしょうね。