2009年コンサート・マイ・ベスト10



 2009年は、昨年に引き続いて不幸が続き、慌ただしい年でした。チケットを購入しながら行けなかったコンサートもいくつかありました。それでも結果として数多くのコンサートに行くことができました。そんな中から、記憶に残ったコンサートを開催日順に10公演を選んでみました。
 

2009年1月25日:ふたりとふたつの物語(山本貴志、水谷川優子)

 山本の鍵盤をなめるような独特な演奏は異様ではありますが、そこから生み出される音楽は詩情にあふれ、その澄んだ音色とダイナミックレンジの広さに感嘆し、心が揺さぶられました。
 

2009年4月19日:東京交響楽団第53回新潟定期演奏会(指揮:ルイゾッティ)

 ルイゾッティは身振り・手振りが大きく、頭を振るわせたり、大きく煽ったりと、やりすぎにも思えるくらいの派手な指揮ぶりでした。この指揮通りに演奏したらオケは破綻しそうに思えましたが、東響の皆さんは、大谷さんの下、指揮に応えて、熱気あふれるダイナミックな演奏を繰り広げました。
 

2009年5月31日:茂木大輔のオーケストラコンサートNo.5 

 4時に開演して15分間の休憩を挟んで、終演は7時15分を過ぎていました。これだけ長時間で内容豊富でありながら、飽きることなく、興味深く聴くことができ、満足感でいっぱいでした。これまで興味を持てず、食わず嫌いだったハイドンの魅力を味わうことができました。
 

2009年6月6日:山本真希オルガンリサイタル・シリーズ No.7

 このリサイタルは、山本さんのすばらしさを再認識させるもので、多彩な音色、優しさと激しさの対比に感銘しました。爆発する山本さんを見たのは初めてであり、どんどん進化していく山本さんに驚きを感じました。
 

2009年7月5日:山形交響楽団演奏会

 小編成であることが信じられないくらいに良く鳴っていました。前日から新潟入りしてリハーサルを積んでいたとのことであり、ホールの響きを存分に生かして、迫力ある演奏を披露してくれました。編成が小さい分、透明感もあり、各楽器の音が澄んで聴こえたように思います。
 

2009年10月7日:仲道郁代 ピアノリサイタル

 演奏はもちろんですが、わかりやすい解説、優しい話しぶりも好感度満点。ヴィジュアル的にも一流であり、すばらしいコンサートでした。これで2000円というのもうれしかったです。
 

2009年11月8日:東京交響楽団第56回新潟定期演奏会(指揮:スダーン)
 
 マーラー版のシューマンは聴いたことがなかったのですが、弦のアンサンブルが美しく、管楽器も破綻することなく良い演奏を聴かせてくれて、曲の良さを再認識することができました。
 

2009年11月22日:新潟交響楽団第85回定期演奏会

 後半のプロコフィエフの5番は、アマチュアであることを一瞬忘れてしまうほどの演奏でした。第1楽章からエンジン全開。ダイナミックな見事な演奏に一部拍手が湧きましたが、その気持ちもわかる名演奏でした。続く各楽章もお見事と言うしかありません。松沼さんを指揮者に迎え、潟響はこれまで以上にレベルアップしたように感じます。
 

2009年12月1日:オーストリア・ハンガリー・ハイドン・フィルハーモニー

 ハイドンばかりで飽きるんじゃないかと思いましたが、演奏の良さのためか、気持ち良く聴くことができました。コンパクトな編成ながらも音量は全く問題なく、小編成ならではの音のまとまりがあって良かったと思います。対向配置の良さも存分に体験できました。
 

2009年12月6日:ゲルギエフ指揮マリインスキー歌劇場管弦楽団

 ロシアものならゲルギエフ/マリインスキー管の右に出るものは現在ないのではないでしょうか。ゲルギエフのコンサートはかなり聴きに行っており、何回目か分からなくなってしまいましたが(オーケストラx8回、オペラx2回かな)、毎回裏切ることがないばかりか、新たな感動を生み出してくれます。



 この中からベストワンを選ぶとすると、東京交響楽団第53回新潟定期演奏会(指揮:ルイゾッティ)です。弾けるような心高ぶる躍動感があるベートーヴェンの交響曲第1番、明るく元気で気持ちよく、楽しく聴けるブラームスの交響曲第4番に感動しました。