今週末は天候に恵まれ、絶好の行楽日和となりました。白山公園・やすらぎ堤の桜は、先週の日曜日は満開でしたが、残念ながら花は散り葉桜となりました。しかし、地面は花びらでピンク色に染まり、色鮮やかな絨毯を敷いたかのようです。(→ブログ)
信濃川の川面を渡る風も爽やかで、心が和み、つかの間のストレス解消ができました。
さて、今日は今年度最初の東響定期です。今月から主席客演指揮者に就任したルイゾッティの新潟初登場ということで楽しみでした。若々しいベートーヴェンの1番と、渋いブラームスの最後の4番という組み合わせを、オペラを得意とするイタリア人指揮者がどう聴かせるのかという点に興味が湧きました。
いつものように拍手の中楽員が入場しました。今日のコンマスは大谷さんで、ひときわ大きな拍手が湧きました。長身のルイゾッティが登場し、いよいよ開演です。
最初はメンデルスゾーンの序曲です。初めて聴く曲ですが、なかなか面白い構成の曲で楽しめました。そして2曲目はベートーヴェンの1番です。若々しく颯爽とした演奏で、軽快で明るい演奏です。弾けるような心高ぶる躍動感があって、新鮮な感動を感じました。
後半はブラームスの4番です。これがまたベートーヴェンの上を行く、明るく元気な演奏でした。ルイゾッティは身振り・手振りが大きく、頭を振るわせたり、大きく煽ったりと、やりすぎにも思えるくらいの派手な指揮ぶりでした。この指揮通りに演奏したらオケは破綻しそうに思えましたが、東響の皆さんは、大谷さんの下、指揮に応えて、熱気あふれるダイナミックな演奏を繰り広げました。アクセントの付け方が小気味良く、管楽器のソロもお見事で、見事なアンサンブルでした。ひとつひとつの楽章が力が入っていて、1曲終わったかのような熱演でした。チャイコフスキーをロシアのオケで聴くような感じで、オケを鳴らしきっていました。
芸術性だの精神性だのと議論する人には、異論があるかも知れませんが、私は大いに楽しめました。こんなに気持ちよく、楽しく聴けるブラームスはありません。やっぱりイタリア人の国民性なのでしょうか。明るく元気な演奏は心躍らせます。
指揮棒を下ろすまで拍手は待った方が良かったかと思いましたが、盛大な拍手が湧き起こりました。カーテンコールの振る舞いは明るいイタリア男そのもの。大谷さんに抱きついたり、投げキッスをしたり、小躍りしながらステージに出たりと、やりたいことをやってましたが、これが様になるところが憎いですね。
最近ストレスが溜まり気味なのですが、元気をもらったように思います。東響としても会心の名演だったのではないでしょうか。ルイゾッティとこれからどのような演奏をしてくれるのか大変楽しみです。
毎度のことながら、大谷さんが出演するときの東響ははずれがありません。今シーズンの東響新潟定期のオープニングは文句のない名演奏でした。次の定期は6月。アントン・レック指揮でマーラーの6番をやりますが、チェロのミュラー=ショットとの共演も楽しみです。
(客席:2階C5-**、S席:定期会員、5500円) |