今週は天候不順で、冬の訪れを実感させる日々でしたが、今日は朝から上天気で、青空が心地よい日曜日になりました。まさに行楽日和ではありましたが、潟響定期は外せません。6月の演奏会は小品ばかりのプログラムで、ちょっともの足りない感じもしましたが、今回は重量級のプログラムです。
某所でラーチャンを食べ、早めに駐車場入りし、やすらぎ堤を散歩してきました。日差しが心地よく、気分爽快です。バンブーハウスでひと休みしてホールに着くとちょうど開場の時間でした。いつものCブロックは指定席でしたので、3階正面最前列に席を取りました。
拍手の中団員が入場し、最後に新潟の大谷康子ことコンミスの松村さんが登場して一段と大きな拍手が湧きました。松沼さんが颯爽と登場し、最初は「6声のリチェルカーレ」です。この曲は昨年12月の東響新潟定期で飯森さんの指揮で演奏されていますが、忘年会のため聴くことができませんでした。
さて、演奏は・・・。管の弱さが前面に出てしまい、ちょっと残念な演奏でした。弦は厚みのあるきれいなサウンドだっただけに、管の不安定さが残念でなりません。
続く「運命」はなかなかの名演だったと思います。少し早めのテンポで、エネルギッシュな松沼さんの指揮に呼応し、熱気溢れる演奏でした。ただし、ここでも弦のすばらしさに比して、管の弱さを感じないわけにはいきませんでした。しかし、そういう難点を勘案しても感動的な演奏だったと思います。
後半は大曲のプロコフィエフの5番です。この曲を生で聴くのは、2000年4月のゲルギエフ指揮ロッテルダム・フィルの演奏会以来です。奇しくもこの時も前半に「運命」が演奏されています。この時の感動は今でも思い出されますが、今日の演奏も十分に期待に添う名演だったと思います。
管のトップの入れ替わりもありましたが、前半とは見違えるような演奏であり、アマチュアであることを一瞬忘れてしまうほどでした。第1楽章からエンジン全開。ダイナミックな見事な演奏に一部拍手が湧きましたが、その気持ちもわかる名演奏でした。続く各楽章もお見事と言うしかありません。松沼さんを指揮者に迎え、潟響はこれまで以上にレベルアップしたように感じます。
アンコールはプロコフィエフつながりということで、「三つのオレンジへの恋」の「行進曲」が演奏されましたが、さすがに大曲を全力で演奏しきったためか息切れがしたようでした。これはご愛敬ということで・・・。
終演後外に出ると空は曇っていました。いつまでも好天は続きませんね。これから新潟は鉛色の空が続く冬を迎えます。白山公園の木々もすっかりと落葉し、寒々と感じます。
さて、今日のコンサートを振り返ってみますと、前半の管の弱さは気になりましたが、総じてなかなかの演奏だったと思います。特に後半のプロコフィエフのすばらしさは、これまでの潟響定期の歴史の中でも屈指の名演奏だったのではないでしょうか。実は、ゲルギエフ/ロンドン響のCDを聴きながらこの文章を打っているのですが、貧弱な私の再生装置で聴くロンドン響より生で聴いた潟響の方が数倍感動的だったように思います。
次回(2010年6月13日)の定期は、ニコライ:「ウインザーの陽気な女房たち」序曲、ブラームス:ハイドンの主題による変奏曲、シューマン:交響曲第2番だそうです。ちょっと派手さのない渋い演目ですが、ハイドン変奏曲は先日の山本真希さんのリサイタルでオルガン版が演奏されましたし、シューマンの2番は先回の東響新潟定期でマーラー版が演奏されています。松沼さんの下で、潟響がどんな演奏を披露してくれるか楽しみですね。
(客席:3階 I 1-9、自由席:1000円) |