日頃は朝寝坊の私たちが、その日の朝は午前6時前に目が覚めました。バリ島で初めての朝です。庭に出て海の方を見ると、東の空に太陽が昇ってきています。ジンバラン湾は、バリ島の西海岸なので朝日は島側から昇りますが、それでも十分すばらしい光景です。
旅行2日目の予定は、ダイビングです。これは、インターネットで申し込んだものではなく、今回のツアーのおまけで付いていた無料体験ダイビングです。(無料といっても、機材レンタル代$25が必要です。)午前中、この体験ダイビングを楽しんだ後、午後からはクタビーチに行き、夜はナイトマーケットで食事をする予定です。
その前に、まずは腹ごしらえです。朝食付きツアーのため、毎日メインダイニングで朝食をとることになります。ホテルの敷地内を散歩しながら(道に迷いながら)、メインプール横のレストランまで歩いて行きました。
席に着きメニューを見ますが、さて、何を注文すればいいのか(ツアーに付いている朝食はどれなのかが)わかりません。よくわからないまま、とりあえず「アメリカン・ブレックファースト」を注文しました。食事をしていると、ボーイさんがテーブルに伝票を置きます。見てみると、American breakfast : Rp. 55000と書いてあります。「げげっ、朝食はただとちゃうんか!!」そこで、勇気を出してボーイさんに言いました。"あうあ ぱっけーじつあー いんくるぅーど ぶれっくふぁーすと!" すると、ボーイさんに、"Yes,includeded. You can choice everything."と言われました。「ええっ!何でも注文してよかったんかぁーーー!!もっと高いもんたのんだらよかったぁーー!」
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体験ダイビングのピックアップは、ホテルロビー前8時20分です。時間通りにツアーの車が迎えに来て、女子大生4人グループと一緒になりました。彼女たちは、バリ島8日間の旅の7日目で、あす日本に帰るとの事でした。オプショナルツアーで行った「ボロブドゥール」(ジャワ島、ジョグジャカルタにある遺跡)が一番良かったとの事でした。彼女たちも、空港で「勝手なポーター」に引っかかり、「とても恐かった」そうで(結局、チップは払わずにすんだ。)、改めて怒りがぶり返してしまいました。
車で30分ほど走り、サヌールにあるツアー会社のダイビングショップに着きました。そこには、レストランとダイビング用プールがあり、港にはクルージングツアーの船が停泊しています。ウェットスーツとフィン、持参のゴーグルとシュノーケルを着け、まずはプールでシュノーケリングの練習です。シュノーケリングは経験があったので難なくこなした後、今度はダイビング用機材を付けての練習に入ります。器財のセッティングや装着は、インストラクターにお任せなので、簡単な使い方や水中でのコミュニケーションの取り方等を教わったあと、プールでのダイビング練習です。BC(水中で浮力をつけるジャケット)を付けタンクを背負うと、陸上では重くて立っていられません(私の体力では・・・)。プールに入りBCにエアーを入れて浮力をつけますが、入れ過ぎると体が浮いてしまい潜ることができず、逆にエアーを抜き過ぎるとそのまま沈んでしまい、プールの底にへばりついてしまいます。浮きも沈みもしない状態(中性浮力)を保つのがひと苦労でした。初めてレギュレーターをくわえて息を吸い込むと、何の抵抗もなく呼吸ができ、「こんなに簡単に水の中で息ができるのか!」と感動してしまいました。
何とか水中で行動できる様になると、いよいよ実際に海でのダイビングです。サヌールでは、海岸からボートで10分ぐらい沖に出たところからエントリーとなります。私たち夫婦とインストラクターで3人一組になり、手をつないで体験ダイビングの始まりです。海にはいるとすぐに、私たちの回りには魚たちが泳ぎ、徐々に潜っていくと様々な色のサンゴが見えてきます。すばらしい海底散歩の時間は、あっと言う間に過ぎてしまいました。ボートに帰ってから聞いてみると、実際に潜っていた時間は25分ぐらいで、水深は8mぐらいまで潜ったとのことでした。
少し残念だったのは、想像していたより海の透明度が良くなかったことでした。この日が特に透明度が悪かったわけではなく、グァム島や沖縄に比べると、透明度は落ちるみたいでした。
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ダイビングを終え、いったんホテルに戻った後、午後からはクタの街に行く予定です。クタはバリ随一の繁華街で、ビーチも街も一日中いろいろな人々でにぎわっています。(・・・と、ガイドブックに書いてある)
ホテルからクタまでは車で20分ぐらい、とても歩いては行けないので、ホテルのシャトルバスを利用することにしました。(もちろん無料)帰りのバスは午後4時までですが、夕食をとってからホテルに戻るつもりなので、帰りをどうするかが問題です。タクシーを拾えば良いのですが、ガイドブックによると、バリ島のタクシーはメーター制の車ばかりではなく、乗車前に料金を交渉する場合も多く、白タクも少なくありません。(実際、クタの街を歩いていると、何度もタクシーに乗らないかと声をかけられました。)空港での出来事があり、疑心暗鬼の固まりとなっていた私たちは、「また騙されるかもしれない」と、タクシーに乗る気になれません。(もちろん、白タクを含め、まじめな運転手さんがほとんどなのでしょうが。)そこで名案を思いつきました。世界各国「DFS」のマークで有名な免税店まで歩いて行き、そこからホテルまでの送迎バスを利用するのです。(やっぱり無料)
ホテルのシャトルバスは、大型ショッピングセンター「クタ・スクエア」に到着、とりあえず私たちは、地図を頼りにビーチへと向かいました。ガイドブックに書いてあるとおり、街はたくさんの人でにぎわっており、歩いていると何度も何度も日本語で声をかけられます。「にほんじん?」、(ケースに入った、たくさんの銀細工のアクセサリーを見せながら)「せんえん、せんえん」、「タクシーいらない?」等など・・・・。5メートル歩くごとに声をかけられ、(あぁー、もう、うっとーしい!)と思いながらも、にこにこして声をかけてくる物売りのお兄さんやおじさん達を、無視することのできない私たち。
「観光客の中には、韓国人や台湾人も多いのに、何で日本人ってわかるんやろか?」「そら、こんなおーきなカメラ持ってたらなぁ・・その上ビデオまでもっとるがな、眼鏡もかけてるし。」「いやー、ちゃうでぇ、前から思てたんやけど、やっぱり化粧法が違うねんで。」
ためしに、「にほんじん?」と、声をかけてきたおっちゃんに、「ちゃいにぃーずぅ」と答えると、「うそつきねぇ」と言われてしまいました。(そら、日本語に反応してたら、ばれるがな!)
クタのビーチは広々としており、人はたくさんいるのですが、日本のビーチの様に混雑はしていません。ビーチから見る夕日は素晴らしいとの事でしたが、日没までにはまだ時間があったため、街に戻ることにしました。
しばらく街並みを楽しみながらぶらぶらした後、帰りのバス確保のため、例の免税店の場所を確認しておこうという事になり、地図を頼りに免税店に向けて歩き始めました。確かにこの道で正しいとの確信はあったのですが、かなりの距離を歩いても免税店は見えてきません。「この道の先に絶対あるはずやから、もう、戻ろうか?」と、もと来た道をUターンしたらすぐ、その免税店が見えました。しかし、あたりは閑散としておりひとけがありません。「げげっ、今日は休みかぁー?」「そんなあほな。」店の入り口近くにいた警備員らしき人にたずねると、免税店は違う場所に移転したとの事でした。移転は最近のことだったので、ガイドブックの地図には移転前の場所が記載されていたのでした。幸いにも移転先は少し歩いたら行ける場所でしたので、何とかたどり着くことができました。途中、「あのー日本のかたですよねぇ・・」と、日本人の女の子2人組に声をかけられました。(やっぱり、日本人とばれてます・・。)「免税店から歩いて海まで行きたいんですけど、ここはどこになるんでしょうか?」と、地図を見ながらたずねてきます。やはり彼女たちも古い地図を見ていたため、道に迷ったようです。彼女たちは私たちとは逆に、ホテルから免税店まで無料バスに乗ってクタの街に出てきたのです。(同じ様な事してる日本人が、バリ島中におるんやろな・・・)と思いながら、私たちの歩いてきた道を教えてあげました。
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最終のバスは10時と確認した後、今度は夕食をとるためにナイトマーケット(地元の人も訪れる、格安で食事ができる屋台街)に向けて歩きました。かなりの距離を歩き、到着した時には日も暮れかけていましたが、まだ夕食の時間には早く、人影はまばらでした。意外に狭い場所で、店もあまり多くなく少しがっかりしました。それでも、ビーチで夕日を見るのはあきらめ、呼び込まれるまま食堂(とてもレストランという感じではない)に入りました。
店に入ると日本語のメニューもあり、地元の人も来るとの事でしたが、しっかり観光化されているようです。日本語のメニューは、ラーメン、焼きそば、焼きめしなど、日本の観光地の食堂といった感じでしたが、店の看板には"Chinise Restaurant"となっています。英語のメニューもあったため、そちらを見せてもらうと、Mie Goreng、Nasi Gorengなどと書いてあり、料理の説明が書いてありました。私たちは、ビール(ビンタン・ビール)とナシゴレン(インドネシアの焼きめし)を注文しました。ナシゴレンは、見た目にはあまりおいしそうには見えませんでしたが、まずまずの味で、なんといってもびっくりしたのはその値段でした。ビール付きの夕食を、二人分たったRp.10000(約500円)でとることができたのでした。
食事を終え、店を出ると日は落ちており、いつのまにかマーケットにはたくさんの人が集まってきています。入り口にある屋台に、ひときわたくさんの人が集まっており、何か天ぷらの様なものを揚げて売っています。何を売っているのだろうと興味津々で見ていると、一人の青年が声をかけてきました。「どうしたの?」「あの、これなんですか?」私が、天ぷらの様なものを指してたずねると、「ああ、それはバナナ。食べる?」と、彼が買ったうちの一つを私にくれました。それは、バナナの天ぷらの様なもので、衣は少し甘く、フレンチドックのソーセージがバナナになった様なおやつでした。彼は、クタに住んでいる地元の人で、日本語を勉強しているとの事でした。とても感じが良く、さわやかな笑顔で去って行きました。(バリの人は、優しい笑顔の人が多いなぁと、空港での怒りが薄れていきました。)
帰りに、グラエル・デワタというスーパーマーッケトに寄って、ビールを買い(ホテルで飲むと高いから・・ああ、泊まっているホテルの割に、なんてケチケチ旅行なんでしょう!今日は、タクシーにも乗らずに歩き回ってるし・・・)免税店のシャトルバスでホテルに戻りました。
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