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フィリピン活動記:

フィリピン料理 その1

フィエスタの料理 フィエスタの料理:フィエスタでは各家庭が料理を用意し、訪れた客に振舞います。

フィリピン料理の特徴は淡白であること。甘いもの、しょっぱいもの、すっぱいものが多く、辛い料理はほとんどみかけません。
味付けにはココナツ、パティス(魚醤)を利用したものが多く、これが独特の甘みや香りを出しています。素材は豚肉、鶏肉がメインで、フィエスタ(お祭り)の時にはこれらを使った料理が振舞われます。

フィリピン料理はいろいろな国の食文化が交じり合っていて興味深いです。民族や文化と同様に、スペイン、中国の影響を特に大きく受けていますが、他の東南アジア諸国の料理と共通するものがあったり、また、醤油をふんだんに使うなど日本の食文化も取り入れられています。
このページでは代表的なフィリピン料理を紹介します。


  • アドボ
  • シニガン
  • カレカレ
  • ティノーラ
  • ビコール・エクスプレス
  • イニハウ・ナ・イスダ
  • エスカベッチェ
  • キニラウ
  • レチョン
  • フィリピン風バーベキュー

  • アドボ ADOBO

    アドボ アドボ:鶏、豚両方の肉からうまみが出ています。

    肉を甘辛く煮た料理です。
    肉は鶏肉、豚肉の両方、または一方を使用し、醤油、酢、ニンニク、胡椒などで漬け込みます。肉を取り出して焼いたあと漬け汁に戻し、柔らかくなるまで煮込みます。
    肉は酢漬けにしたことで非常に柔らかくなっており、また、複数の調味料の味が溶け合って奥深い味になっています。

    アドボは酢漬けというスペインから伝わった料理方法です。もともとは醤油を使わなかったのですが、日本の食文化の影響で醤油を使うようになり、今日のような料理となりました。


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    シニガン(酸味スープ) SINIGANG

    シニガン シニガン・ナ・イスダ:魚のシニガンです。

    魚介類または肉を具とした酸味のきいたスープです。酸味のもとはタマリンド。

    シニガンや後述のカレカレ、ティノーラなどのスープ料理、汁気の多い料理は、ご飯に混ぜて食べるのがフィリピン流。まずは汁をすくってご飯にかけ、そこに具をとってよく混ぜてから食べます。


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    カレカレ(ピーナッツソース煮) KARE KARE

    カレカレ カレカレ:右上にあるのはアミのバゴオン。

    肉と野菜をピーナッツソースで煮込んだ料理。マイルドな味わい。
    カレカレには一般的にオックステール(牛の尾)が使われますが、豚のほほ肉、鶏肉、野菜だけのものもあります。
    アミのバゴーン(塩辛)を加えていただくのがおいしいです。
    名前や見た目はカレーにそっくりですが、辛くないし味も異なります。


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    ティノーラ(チキンスープ) TINOLA

    ティノーラ ティノーラ・スペシャル:地鶏と青パパイヤで作ったティノーラ。

    鶏肉を煮込んだスープ。
    ニンニク、たまねぎを油で炒め、香りが出てきたら鶏肉を入れてさらに炒めます。そこに水、塩を投入して柔らかくなるまで煮込み、仕上げにホースラディッシュなどの野菜を入れて再び煮込んで完成です。

    地鶏と青パパイヤの入ったティノーラは特に美味。私の任地では「ティノーラ・スペシャル」と呼ばれています。
    フィリピン人が「このティノーラは地鶏を使っているのか?」と聞くくらい、地鶏を使ったティノーラはうまいのです。


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    ビコール・エクスプレス BICOL EXPRESS

    ビコール・エクスプレス ビコール・エクスプレス:フィリピンでは珍しく辛い料理。

    ルソン島南部ビコール地方の名物料理。
    魚介類や肉を、大量のシリ(唐辛子)とココナツミルクで煮込んだもので、フィリピンでは例外的に(唯一?)辛い料理です。

    ココナツ風味の中に辛さが溶け込んでいるこの料理はフィリピン風タイカレーとでもいうべき存在で、日本人の口によく合います。ぜひお試しください。


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    イニハウ・ナ・イスダ(焼き魚) INIHAW NA ISDA

    イニハウ・ナ・イスダ イニハウ・ナ・イスダ:

    「イニハウ」は「焼いた」、「イスダ」は「魚」の意味。すなわち、焼き魚です。
    イニハウには2種類あります。1つは塩焼きで、魚に塩を刷り込んで焼いたもの。もう1つは漬け焼きで、醤油、カラマンシーで作ったタレに漬け込んでから焼いたものです。

    ちなみに、串に刺した豚肉の塩焼きは「イニハウ・ナ・バボイ」と呼ばれます。酒の肴に最適。


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    エスカベッチェ(揚げ魚甘酢あんかけ) ESKABECHE

    エスカベッチェ・写真準備中 エスカベッチェ:

    揚げた魚にケチャップの入った甘酢あんをかけた料理です。

    フィリピンではこのようにケチャップで作った甘酢あんをかけたり、トマトソースで煮込んだりした料理が多く、スペインの影響を感じさせます。


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    キニラウ(魚介類の酢じめ)

    キニラウ キニラウ:

    生の魚、海老を酢で閉めたもの。
    魚は海水魚を使い、生姜、たまねぎなどの薬味をきかせて酢じめにします。
    使う魚には地域差がありますが、私の任地では、マグロ、カジキマグロ、サワラなどを使います。
    魚だけでなく、海老のキニラウ、イカのキニラウもあります。


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    レチョン(丸焼き) LECHON

    レチョン・バボイ・写真準備中 レチョン・バボイ:豚の丸焼き。お祝いの料理。

    豚または鶏の丸焼きです。
    豚の丸焼きは「レチョン・バボイ」と呼ばれます。子豚の内臓を取り除き香草を詰め、頭から尻尾にかけて棒で串刺しにし、火の上でゆっくり回しながら丸1日かけて焼きます。レチョン・バボイは料理に手間がかかるため高価で、フィエスタや誕生日などの祝い事のといきに振舞われることが多いです。皮はパリパリして北京ダックのよう、肉はやわらかくジューシーで美味です。
    鶏の丸焼きは「レチョン・マノック」と呼ばれます。ちょっとしたパーティーで出されたり、酒の肴にすることが多いです。

    レチョン・マノックのレシピはこちら。


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    フィリピン風バーベキュー BARBECUE

    バーベキュー バーベキュー:炭火の上で焼いているところです。

    フィリピンでは夕方になると各家庭の前でバーベキューを焼いて売る習慣があります。甘めのバーベキューを食べながらサンミゲルビールを飲むと、ああ、フィリピンだなーなんて感じに浸ることができます。

    フィリピンのバーベキューの特徴はなんと漬け込みダレに炭酸飲料を使うこと! 炭酸飲料に漬け込むことで肉が柔らかくなります。
    ちなみに、この炭酸飲料はスプライトまたはセブンアップと決まっています。コーラを使ってはいけません。フィリピン人いわく、スプライトとセブンアップが一番肉を柔らかくするが、コーラは効果が薄いのでダメとのこと。科学的根拠の無い話と思いますが、フィリピン料理はフィリピン人の言うことに従うのがベストということで納得しています(苦笑)。

    タレの基本は、スプライトまたはセブンアップ、砂糖(ブラウンシュガーがベター)、潰したニンニク。好みで醤油、酢、カラマンシーを入れます。酢やカラマンシーを入れると甘酸っぱいバーベキューとなります。なお、醤油、酢、カラマンシーは焼きあがった後のディップソースにしても構いません。
    肉をタレに一晩漬け込み、串に刺して焼くだけです。
    肉は豚肉または鶏肉を用います。豚の皮付き脂身のところはコリコリしていて、ビールによく合います。


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