毎年楽しみにしている新潟市ジュニア音楽教室のスプリングコンサートです。新潟市が誇る新潟市ジュニア邦楽合奏団、新潟市ジュニア合唱団、新潟市ジュニアオーケストラ教室の演奏を、まとめて聴けるという、大変お得で内容の濃い演奏会です。毎年欠かさず聴かせていただいており、今年もチケット発売早々にチケットを購入して、今日の日を待ち焦がれていました。今回は、回を重ねて20回目という節目を迎えました。
このスプリングコンサートは、2004年まではジュニアオーケストラ教室単独のスプリングコンサートとして開催されてきましたが、2005年からジュニア合唱団が加わり、これがジュニア音楽教室としての第1回となりました。2006年の第2回からはジュニア邦楽教室も参加して、現在の形になりました。
私は2008年の第4回から参加させていただき、2020年の第16回と2022年の第18回は新型コロナ感染の拡大により中止になりましたが、それ以外は欠かさず参加させていただいています。
この間、2015年までは無料の整理券でしたが、2016年から700円になり、2021年は1000円になり、2023年からは1500円になりました。高くなったものと思いますが、値段以上の感動を味わえますので、良しとしましょう。
ということで、昨年の第19回以来、1年ぶりのスプリングコンサートです。天候が回復して、すっかり春めいた日曜日。ゆっくりと昼食を摂り、りゅーとぴあへと向かいました。
駐車場に車をとめて、白山公園を歩きますと、桜の蕾は膨らんで、ピンク色に色付き始めており、開花を待っていました。
りゅーとぴあに入り、インフォメーションで某コンサートのチケットを買い、開場待ちの列に並びました。ほどなくして開場となり、2階席の正目に席を取り、ロビーコンサートを聴くべく、ロビーに移動しました。
時間となり、階段の上に待機していたジュニアオーケストラ団員によるファンファーレで、ロビーコンサートが開演しました。
まずは、ジュニア邦楽合奏団の尺八合奏で「ジュピター」が、ほのぼのとした響きで演奏され、その後、三味線、箏、尺八の合奏で「戦場のメリークリスマス」が演奏されましたが、しっとりと美しい合奏で、素晴らしいものでした。
続いて、ジュニアオーケストラ教室のフルート四重奏で「小さな世界」が爽やかに演奏されました。そして、弦楽合奏で「プリンク・プランク・プルンク」がピチカートで軽快に演奏され、再びフルート四重奏で「葦笛の踊り」が演奏されて、ロビーにこだまする美しい響きを楽しませていただきました。
最後は、ジュニア合唱団で「ぜんぶ」が歌われました。男子も4人いて、合唱の厚みが出ていて良かったです。思わず感動の涙が浮かんできました。
ここで代表による挨拶がありましたが、素晴らしいスピーチに感動しました。そして「Seasons of Love」をフォーメーションを変えながら歌い、見事な歌声に圧倒され、さすがジュニア合唱団と唸りました。感動で胸は高鳴り、もうこれで帰っても良いようにさえ思えました。でも、これからが本番なんですよね。
客席に戻りますと、かなりの混雑になっており、人気のほどが伺えました。プログラムを眺めたりしているうちに開演時間となり、ジュニア邦楽合奏団の演奏でコンサートが始まりました。
最初は、初中級合奏で鯨岡先生作曲の「四季彩きらり」でしたが、四季にちなんだ童謡がメドレーで演奏され、初中級者ながらも美しい合奏で楽しませてくれました。
団員による挨拶があり、続いては、中上級合奏で「アシタカせっ記」と「いのちの名前」が続けて演奏されましたが、鯨岡先生による編曲も素晴らしく、邦楽合奏でジブリの世界が美しく、情感豊かに表現されていました。
団長による挨拶があり、中上級合奏により「祭り幻想」が演奏されました。川崎絵都夫先生によるオリジナル曲であり、日本各地の祭囃子のメロディが現れる聴き応えある曲ですが、見事な演奏で楽しませてくれました。大きな拍手とともに鯨岡先生に花束が渡されて休憩に入りました。
休憩時間にステージが整えられて、左手にピアノが設置され、ステージ前に特設された指揮者席に馬場先生がスタンバイしました。
場内が暗転し、団員による挨拶の間に団員がステージに登場して整列しました。お馴染みの「ビューティフル・サンデー」で開演しましたが、これまでとは全く異なる振付で楽しませてくれました。
続く「山口さんちのツトムくん」は、男声のソロがあって新鮮でした。そして「幸せの黄色いリボン」がリボンを持って歌われましたが、この曲も最後に男声ソロが入って良かったです。
「Sing」は振り付けなしでの合唱で、美しい歌声に感動し、「赤鬼と青鬼のタンゴ」は、年少者が前列に出て歌い、ほのぼのとした雰囲気で楽しませ、「ママごめんなさい」は、ママ役の団員が出てきて、楽しく聴かせていただきました。
照明が落とされた中で歌われた「追憶」は感傷的で、情感たっぷり。男女二人が登場して別れ、悲しみの場面を演出して感動を誘いました。
「ムーンリバー」はムード満点で、感動で涙腺は崩壊状態となりました。後半は曲調を変えて踊りながら軽快に歌い、胸を熱くしました。
そして最後は「トゥナイト」です。赤い照明がパイプオルガンに当てられ、どんどんと盛り上がり、感動の中に歌いきりました。
カーテンコールとして、再び「ビューティフル・サンデー」が歌われ、興奮は更に大きくなり、ホールは感動の熱気で満たされました。馬場先生とピアノの高橋先生に花束が渡され、感動のステージは終演となりました。
長らく続いた海野先生体制から馬場先生に移行しましたが、ジュニア合唱団の魅力はさらに磨き上げられているようです。
歌声もさることながら、新しい振り付けが新鮮であり、演出も含め、素晴らしいステージでした。さすがジュニア合唱団とうならずにいられませんでした。
休憩時間にステージが整えられ、続いては新潟市ジュニアオーケストラ教室です。今回もA合奏とB合奏の合同での演奏です。
開演時間となり、団員が入場しましたが、合同演奏といいながらも、弦楽は少ないように感じました。指導者・賛助出演者を含めても、弦5部は
10-10-6-8-3 でした。もう少しほしいところですね。フルートは7人もいて、楽器によるアンバランスさを感じました。
碇山先生が登場して、1曲目は「ハンガリー舞曲第5番」です。やはり楽器のアンバランスさは音でも感じられましたが、演奏としては楽しめました。
団員による挨拶と曲目紹介があり、「花のワルツ」が演奏されました。聴かせどころの客演のハープもそつなく演奏し、美しいワルツを楽しみました。
そして最後は「道化師」です。指導者の本間さんも助演してくれましたが、見事な演奏でした。10曲からなる組曲ですが、いずれも聴き応えある演奏で、ジュニアの演奏であることを忘れて曲を楽しむことができました。碇山さんに花束が贈られて終演となりました。
そして、最後は、5年ぶりの合同演奏です。これまではジュニア邦楽合奏団は合唱で参加していましたが、今回は邦楽合奏で参加し、本来の合同演奏となりました。
ステージが整えられている間に合唱団員により挨拶がありましたが、合同演奏用に編曲してくれた後藤丹先生の紹介があり、客席におられた後藤先生が立ち上がって拍手を受けておられました。
碇山先生が登場して、「花」と新潟市民歌の「砂浜で」が演奏されましたが、オーケストラに邦楽合奏がほのぼのとした味付けになっていて、新たな魅力を感じさせました。
美しい合唱とともに、感動の中に全てのプログラムの演奏は終わり、全員で礼をして感動のステージは終演となりました。ロビーコンサートの開始から終演まで、3時間の長丁場となりましたが、あっという間の3時間でした。
やっぱりジュニア邦楽合奏団、ジュニア合唱団、ジュニアオーケストラ教室は素晴らしいですね。子供たちの頑張りと、期待を裏切らない見事な演奏と歌声に、元気をいただきました。ジュニア音楽教室は新潟市の宝であることを再認識して、明るい気分でりゅーとぴあを後にしました。
(客席:2階C5-12、¥1500) |