今日は東京交響楽団新潟定期の日。17時からの定期演奏会の前にひとつコンサートを聴くことにし、時間的にちょうど良いこのコンサートを選びました。
随分前に主催者の方よりこのコンサートの案内をいただき、魅力ある出演者もあって、楽しみにしていましたが、当初は仕事の予定が入っていて聴けないはずだったのですが、予定が変更になって、聴けることになって良かったです。
フルート、ヴィオラ、ハープという珍しい組み合わせでの演奏会です。もちろん私は初めてであり、どんな演奏になるのか興味津々でした。
フルートの工藤さんは言わずと知れた日本の第一人者です。私が工藤さんを聴くのは、2014年4月のLFJ新潟での演奏以来です。
ヴィオラの鈴木さんは、柿崎出身で、TOKI弦楽四重奏団のメンバーとして新潟ではお馴染みですが、読売日本交響楽団首席でもあります。
ハープの山宮さんは、新潟市出身で活発な演奏活動をされています。これまで何度も聴かせていただいており、この10月にも、水谷川優子さんとのデュオリサイタル聴いたばかりです。
ちなみに、チケットの番号は何と 00002。だからどうだということでもないのですが、いい感じしませんか。まあ、ただの自己満足ですかね。
今日は他にもたくさんの公演があり、選択に困るほどです。新潟バッハ管弦楽団や鼓童のように、チケット完売の公演もあり、盛況で何よりです。
昨夜は泊まりの忘年会で二日酔い状態。ぼーっとした頭で、12時からのロビーコンサートはパスして、このコンサートに臨みました。
会場は能楽堂。中正面左後方に席を取りました。豪華な出演者ということで、満席かと思ったのですが、客の入りとしましてはまずまずというところでしょうか。
開演時間となり、最初は鈴木さんのヴィオラ独奏で、バッハの無伴奏チェロ組曲第1番のヴィオラ版が演奏されました。チェロの名曲中の名曲をヴィオラで何の違和感もなく演奏し、曲の良さを再認識させてくれました。
続いては、工藤さんとダークグリーンのドレスの山宮さんにより、「モーツァルトの《魔笛》の主題によるポプリ」です。ポプリというのはメドレーのことで、《魔笛》のメロディーが次々に出てくる楽しい曲で、素晴らしい演奏で楽しませてくれました。
次はフルート・ソロで、「エア」です。武満徹の遺作となった曲で、胸に響く深淵な音世界に、心が洗われるようでした。
前半最後は、武満徹の「そして、それが風であることを知った」です。後半最後のドビュッシーのソナタに触発されて作られた曲だそうで、私には少し難解に思われましたが、緊張感溢れる音が、能楽堂の中に風となって吹き抜けました。
後半は、工藤さんのフルート・ソロで「パンの笛」で開演しましたが、その前に、フルートとハープの音楽についての解説があり、その中で、ビゼーの「アルルの女」のメヌエット、フォーレの「シシリエンヌ」、ドビュッシーの「牧伸の午後への前奏曲」の一節を演奏してくれました。
続いては、ハープ・ソロで、「雨に濡れた庭」。雨降る情景をしっとりと演奏し、幻想的な清廉な音楽に心は清められました。
続いては、3人により、「亡き王女のためのパヴァーヌ」です。編曲も素晴らしく、感傷的な胸に迫る音楽が心を揺さぶりました。
最後は、ドビュッシーの「フルート、ヴィオラ、ハープのためのソナタ」です。名曲中の名曲と解説にありましたが、私は知りませんでした。さすがに聴き応えある音楽ですね。この曲を演奏するために今日のコンサートが組まれたとも言って良く、たっぷりと堪能しました。
アンコールに「月の光」を演奏して終演となりましたが、様々な組み合わせで、多彩な音楽で楽しませていただきました。
(客席:中7-4、\4000) |