TOKI弦楽四重奏団 2019
  ←前  次→
2019年7月28日(日) 14:00 新潟市民芸術文化会館 能楽堂
TOKI弦楽四重奏団
 Vn1:岩谷祐之、Vn2:平山真紀子、Vla:鈴木康浩。Vc:上森祥平
 



ヴォルフ:イタリア風セリナーデ ト長調

ヴィヴァルディ:トリオ・ソナタ ニ短調 作品1-12 「ラ・フォリア」

メンデルスゾーン:弦楽四重奏曲 第5番 変ホ長調 作品44-3

(休憩)

プッチーニ:弦楽四重奏曲 「菊」

レスピーギ:弦楽四重奏曲 第3番 ニ長調 P.53

(アンコール)
ヴィヴァルディ:四季 より 夏

 毎年夏に恒例の、TOKI弦楽四重奏団の公演です。もう16年にもなるそうで、私も何度か聴かせていただいておりますが、このところご無沙汰しており、2013年以来、久しぶりの参加になります。

 今年の公演は、昨日は小千谷、今日は新潟、そして明日は五泉、さらに31日には東京での公演が予定されています。
 新潟での3公演は、それぞれ料金設定が異なり、新潟が一番高くなっています。本当は、職場からも遠くない明日の五泉公演に行こうかと思っていたのですが、いろいろ予定も重なり、結局新潟公演となりました。

 白山公園の駐車場は満車で、陸上競技場に車をとめ、早足でりゅーとぴあに急ぎました。新潟県音楽コンクールで賑わうコンサートホールを横目にエレベーターで5階に上がり、開場15分前に能楽堂前に到着しました。
 狭いロビーに開場待ちの列が長く伸びており、私もその列に並んで入場し、中正面に席を取りました。始めは客の出足が遅いかと思いましたが、次第に席は埋まって、最終的にはかなりの入りとなりました。さすがに地元ですね。

 今日のプログラムは、イタリアにちなんだものです。ヴォルフの曲名通りのイタリア風の明るい曲で開演しました。残響のない能楽堂ですので、各楽器の音がダイレクトに迫り、その分アンサンブルの良さが際立って感じられました。
 続くヴィヴァルディを穏やかに演奏し、鈴木さんの挨拶とメンバー紹介、曲目紹介があり、メンデルスゾーンの弦楽四重奏曲が演奏されました。
 この曲とイタリアはつながりませんが、交響曲の「イタリア」で有名なメンデルスゾーンということでのこじ付けだそうです。
 最初は心地良いアンサンブルに意識が遠のきそうでしたが、演奏は次第に熱を帯び、汗がほとばしるような鬼気迫る熱い演奏に眠気は吹き飛ばされ、興奮の中に休憩に入りました。

 後半はプッチーニで開演しました。プッチーニがこんな曲を作っていたとは知りませんでしたが、さすがにメロディメーカーだけあって、そのまま映画音楽にしても良いような美しい曲でした。しっとりと情感溢れる音楽に魅了され、うっとりと聴き入りました。

 ここで岩谷さんのトークがあって、最後はレスピーギです。イタリアの明るさというより、ちょっと暗さも感じるしっとりとした曲で、切々と心に迫るようでした。各楽章とも内容豊富で聴き応えがあり、フィナーレでは胸を熱くしました。

 アンコールはヴィヴァルディの「夏」。これは機関銃の連射の如く攻撃的な演奏でした。雷鳴とどろく大雨特別警報とでもいうべき演奏で、聴衆はノックアウトされました。さすがですね。ブラボーの声も響く中に終演となりました。

 各奏者とも多彩な活動を続けている実力者ですが、毎年夏に集い、このようなコンサートを開催されているのは素晴らしいことと思います。16年目となり、熟成度は増し、魅力溢れるカルテットとなっています。

 演奏の良さはもちろんですが、日頃聴けない珍しい曲を聴かせてくれるのも楽しみです。来年はどんなプログラムになるのか楽しみ待ちましょう。

 

(客席:中6-12、¥3000)