東京交響楽団 第103回新潟定期演奏会
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2017年10月29日(日) 17:00  新潟市民芸術文化会館 コンサートホール
 
指揮:ダニエル・ビャルナソン
ヴァイオリン:神尾真由子
コンサートマスター:グレブ・ニキティン
 

ビャルナソン:ブロウ・ブライト

ショスタコーヴィチ:ヴァイオリン協奏曲 第1番 作品77

(ソリストアンコール)
  パガニーニ:カプリース第24番

(休憩20分)

リムスキー=コルサコフ:交響組曲「シェエラザード」 作品35

 

 先月に引き続いての新潟定期です。今月は大きなコンサートが毎週開催されて疲れ気味。今日も「こうもり」を観た後、引き続いてのコンサートです。
 恒例の13時からのロビーコンサートは、土屋杏子(Vn.)さんと景山梨乃(Hp.)さんの出演で、是非とも聴きたかったのですが、「こうもり」に行っていましたの聴けませんでした。

 県民会館で「こうもり」を楽しんだ後、りゅーとぴあに移動しました。今回の指揮者はアイスランド出身のダニエル・ビャルナソンさんで、昨夜の川崎定期が日本でビューでした。アイスランドの人口はわずか34万人というのは驚きで、新潟市の半分以下の小国からたくさんの音楽家が輩出しているのは驚異的です。さて、どんな音楽を聴かせてくれるでしょうか。
 そして、今日の共演は神尾真由子さん。新潟定期への出演は、2004年7月の第27回、2015年8月の第91回以来の2年振り3回目になります。

 拍手の中団員が入場。今日のコンマスはニキティンさんです。オケの配置は、ヴァイオリンが左右に別れ、コントラバスとチェロが左、ヴィオラが右の対向配置です。
 ニキティンさんよりさらに長身のビャルナソンさんが登場し、最初は指揮者自身の作曲による曲です。挨拶代わりということでしょうか。現代曲で、取り留めなく感じますが、音響的には楽しめました。

 続いては真っ赤なドレスの神尾さんが登場して、ショスタコーヴィチのヴァイオリン協奏曲です。CDでは聴いていますが実演では初めて聴く曲で、緊張感が漂い、疲労感を感じながら聴いていました。精神集中が限界になりそうなときに、第3楽章終末の激しく長大なカデンツァで目覚めさせられ、燃え上がる第4楽章に突入。超絶技巧と気迫に圧倒されました。神尾さんのパワーにオケは負けていて、生ぬるく感じるほどでした。神尾さんの独奏の添え物という感じで、独奏者とオケがぶつかり合う協奏曲ではなかったように思えました。
 アンコールも、超絶技巧に圧倒されるばかりで、いつも聴くカプリースとは全く別の曲に思えました。この演奏を聴いただけで今日来た甲斐があったようにさえ思えました。

 後半は「シェラザード」です。新潟でのこの曲の演奏は、NHKで全国放送された1998年12月のゲルギエフ/キーロフ歌劇場管弦楽団の名演が今なお忘れられず、2002年11月の再演も素晴らしかったです。そのほか2006年12月の五來貴洋さんを擁する新潟大学管弦楽団の伝説の名演も記憶に残っています。しかし、意外にも東響新潟定期での演奏はなく、今回が初めてになります。

 始めはオケのまとまりがイマイチかなという印象で、演奏のほころびもあって、アレッという感じでしたが、後半から盛り上げてくれました。ニキティンさんのソロをはじめ、各パートのトップの皆さんはそれぞれの見せ場を良くこなしていたと思います。
 ただし、全体的な音響的まとまりといいますか、色彩感、切れなど、いつもの東響とは違ったような印象を持ちました。指揮者のせいだと思うのですが、飯森さんだったら良いのになあ、などと感じながら聴いていました。

 今日の定期は、全体としては感動と興奮という点では欲求不満もあり、前半の神尾さんの超絶的名演がすべてだったと思います。終演後に神尾さんのサイン会も開かれて大盛況でした。

 これから東響の皆さんは新潟滞在して、火曜日・水曜日と恒例の小学5年生を対象としたコンサートをこなし、最後は一般向けの特割コンサートが控えています。ご苦労様ですが、新潟の子どもたちに素晴らしい音楽を届け、オーケストラの素晴らしさを示してあげていただきたいと思います。
 

(客席:2階C*-*、S席:定期会員:¥5670)