林さんは、新潟県内を中心に演奏活動、レッスンをされているそうですが、恥ずかしながら、お名前は存じ上げておりませんでした。CDショップのコンチェルトさんのブログで紹介があり、初めて知ったしだいです。共演者を迎え、凝ったプログラムになっているというお話を伺い、聴きにいくことにしました。
というのは表向きで、正直言えば、このチラシに魅かれたというのが真実です。ほんわかした、何とも魅力的な写真じゃないでしょうか。ひざの曲げ加減なんかいいですねえ・・・。脱力系で、見ているだけで癒しを感じます。今年見かけたコンサートのチラシの中で、一番の出来のように思います。(こんなこと言っているのは私くらいでしょうね。)
さて、今日は珍しく家族全員揃っての昼食。こういう何気ないひとときがうれしいものですね。お腹いっぱい食べてホールへと向かいました。ホールに着くと、ちょうど開場時間でした。まずまずの入りでしょうか。
黒いドレスの林さんと、濃紺のドレスの片桐さんが登場して、開演です。林さんは髪をアップにされ、写真とは違った印象でした。初めは硬さも感じられましたが、次第に落ち着きをみせ、お馴染みの片桐さんのサポートで、好演奏を聴かせてくれました。
このホールでのクラリネットのコンサートといいますと、2011年1月の、シャーリー・ブリルの名演奏が思い起こされますが、林さんもなかなかの演奏だったと思います。
休憩時間には、ハープの奥田さんが入念にチューニングされていました。薄ピンクのドレスの奥田さんのチューニング姿も美しく、「華麗なるチューニング」という演目にしても良かったかも・・。
冗談はさておき、水色のドレスに着替えた林さんの挨拶があって、後半最初は、奥田さんのハープソロで「六段」が演奏されました。箏では有名な曲ですが、黛敏郎がハープのために編曲した曲だそうで、ハープを叩いたり、弦をこすったり、様々な特殊奏法が散りばめられた、聴き応えある曲目でした。
奥田さんについては何の知識もありませんでしたが、度肝を抜くような演奏で、林さんの名演が霞むようにさえ感じられました。曲も面白かったですが、演奏もすばらしく、奥田さんは、なかなかの実力者のようですね。
ハープの演奏と言いますと、7月の山宮さんのリサイタルが思い起こされますが、そのとき以上の驚きを感じました。
その後はハープとクラリネットの共演で、優雅な気分で演奏を聴くことができました。林さんの演奏は前半以上に落ち着きをみせ、聴きやすい曲調もあって、ゆったり気分で楽しませていただきました。
カーテンコールでは、林さんに花束が贈られるのではなく、林さんから片桐さん、奥田さんに花束が贈られ、林さんの人柄がしのばれました。
アンコールは、ピアノ、ハープとの3人で、秋にちなんだ曲をしっとりと演奏して終演となりました。編曲も良くて、最後を締めるに良い演奏でした。その後3人はロビーに出て、客を見送ってくれました。
クラリネットとピアノだけですと、ちょっと単調になったかもしれませんが、ハープが加わることで、飽きさせることもなく、楽しませてくれました。内容豊富であり、期待以上の好演奏で、満足気分で家路に着きました。
(客席:F−6、¥1500) |