山宮るり子 ハープ・リサイタル
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2013年7月27日(土) 14:00  新潟市民芸術文化会館 コンサートホール
 
ハープ:山宮るり子
 


パリッシュ=アルヴァース:大幻想曲マンドリン

モーツァルト:ピアノ・ソナタ第16番 ハ長調 K.545

ルーセル:即興曲 Op.21

ムチェデロフ:パガニーニの主題による変奏曲

(休憩20分)

ヒンデミット:ハープ・ソナタ

カプレ:二つの嬉遊曲 

ドビュッシー(ルニエ編):二つのアラベスク

ルニエ:交響的小品

(アンコール)
スメタナ:モルダウ
 
 

 リリー・ラスキーヌ国際ハープコンクールで日本人初の優勝を果たした山宮さんの、国内初のリサイタルが、地元新潟で開催されました。

 山宮さんは、3月のN響演奏会で、フルートの小山裕幾さんと素晴らしい演奏を聴かせてくれたことが記憶に新しいです。今回は単独のリサイタルということで注目されました。
 しかし、ハープだけのコンサートは退屈するんじゃないかという先入観があり、チケットを買ったのはごく最近でした。

 今日は土曜休みの週でしたので、コンサートに行くことができました。某所で昼食を摂り、りゅーとぴあに向かうと、隣の県民会館では人気グループのライブがあるらしく、若者たちが長い行列を作っていました。

 開場とともに入場。チケットは1階席と2階席のみの販売でしたが、まずまずの入りでしょうか。正面の席はかなりの混雑ですが、私のDブロックは数人の客のみで、ゆったりと聴くことができました。

 ダークグリーンのドレスの山宮さんが登場して開演です。チラシの写真よりずっと美しい方です。チラシの写真は視線がきつく感じましたが、プログラムに使用した写真は良いですね。チラシもこっちにした方が良かったんじゃないかと思いますが・・。(本質に関係ない話で申し訳ありません。)

 さて、演奏は、まずハープの音量の豊かさに驚きました。コンサートホールの響きの良さも相まって、十分な音量で、ダイナミックレンジも広くて音響的にも楽しめました。自己紹介のトークも面白く、ハープについての解説もあり、わかりやすくて良かったです。話しぶりも好感度満点。
 ハープにペダルがあるのは知っていましたが、ドからシまでの7つの音に対応した7つのペダルがあり、半音を上げ下げする3段階に調節しているというのは初めて知りました。一見優雅に見える演奏の陰に、複雑な調節がされているんですね。

 なお、チラシにはコンクールの優勝記念に貰った金色のハープで演奏する予定と書かれていましたが、楽器に慣れていないので、使い慣れたハープで演奏することにしたそうです。

 後半は赤紫のドレスに衣裳換えして登場しました。ドイツの生活についてのトークも面白く、会場を和ませてくれました。

 私はハープの単独公演を聴くのは初めてですので、演奏の良否は判断できませんが、良い演奏ではなかったでしょうか。初リサイタルということで、緊張が大きかったものと推測しますが、そんなことは感じさせませんでした。

 プログラムは初めて聴くハープの曲のほか、お馴染みの曲も交えて飽きさせませんでした。アンコールも含めてボリューム的にも十分な内容であり、予想以上に楽しめました。退屈するんじゃないかという私の不安は杞憂に終わりました。ハープひとつでここまで楽しませてくれるとはたいしたものです。

 新潟から世界に羽ばたく音楽家が輩出するなんて素晴らしいですね。今後の活躍を期待したいと思います。
 

(客席:2階D2−26、会員割引:¥1800)