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カネモリが推奨する映画

カネモリが推奨する映画(06)

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(2011年1月)


2008年 / アメリカ映画 / スパイク・リー監督

郵便局に切手を買いに来た男性をいきなり窓口の職員が拳銃で撃ち殺すというシーンが冒頭だし、あれっと思う間もなく第二次世界大戦の戦闘場面に移って行くから、何が何だか分からない感覚がずーっと残るわけで、これを最初から取り除いておくためには、あらかじめ解説を読んでおいた方がよいかも知れない。

「STAMPS ONLY」だったかな? いろいろな暗喩が何となく分かるし、ネタバレという程のことはないかと思う。

スパイク・リー監督らしく黒人差別の問題を其処此処にちりばめてはいるのだが、それはそれとして、真に迫る演出はさすがだと思わせる。

「実話に基づいて」とのキャッチフレーズが観賞の邪魔をすると思うが、そのあたりの事に惑わされずに観ると、よい映画の部類に入ることがわかる。

あれこれの唐突感はあるものの、それは映画だから大目に見る心の広さが必要かも知れない。

原題:Miracle at St. Anna


2009年 / 台湾映画 / 張作驥監督

台湾映画なので中国語の題名を読めば内容はすぐに分かるが、文字種の関係で表記できないのは残念としても、約10分のエピソードを10個連続させたオムニバス形式というのか、そういう構成の映画なので、外国映画ではあっても間延びすることなく観ることができる。

台湾と言うよりも、どちらかと言えば広東語の文化圏の匂いがするので少しとっつきにくい点はあるものの、日本でも同じようなことがあるなと思わせるシーンがあちこちに出てくるので、全体としてはすんなり受け入れることができる。

普通の日常的にありそうな事柄を取り上げている部分が多いので、ドラマチックな感じはほとんどないけれど、それが逆に静かにズッシリと心に迫って、何ともいえない感情を引き出してくれる。

単純に言えば、親父という立場は世界共通して辛いものなのだなと認識させてくれる映画であるし、自分のことを振り返ってみてもそういう事だから、最後には諦めに似た心境になってくる。

唯一の救いはエンディングロールにあるので、たぶん監督はここまで引っ張ってくるのにあれこれのテクニックを使っているのだと思うから、途中で投げ出すことなく、最後まで見て欲しいと思う映画である。

英題:How Are You, Dad?


2010年 / ロシア映画 / Aleksei Popogrebsky監督

ロシア映画ではあるが、2ヶ所ぐらい意味不明なところはあったものの、話の筋は単純なのであまり混乱することなく観ることができた。

大学を卒業したばかりなのかどうか、1人の青年が北極海に面する気象観測所にやってきて、ベテランの観測員にしごかれながらも、遊び半分で楽しく過ごしているのだが、あるちょっとした出来事をきっかけに、抜き差しのならない状況に追い込まれて行くというのが粗筋。

実にどうということのない映画であるが、ところが北極海の自然の厳しさとか、美しさとかが常に映しだされていて、そこにずっと見入っているうちに、あっという間に時間が過ぎてしまう。

殺人場面は一切ないし、結末はそれなりに自然なので安心して観ることができた点でも有り難かった。

どこかの映画祭で何か賞を受賞しているはずだが、確かにそれなりの出来栄えのように思う。

使われている音楽もよかったので調べたが、こちらの方はさっぱり判明しなかった。

原題:Kak ya provyol etim letom


2010年 / 中国映画 / 張芸謀監督 / 周冬雨

何ともたとえようもなく素晴らしい映画で張芸謀監督の渾身作と言ってよいのではないかと思う。

おそらく評価は真っ二つに割れるのだと思うが、この映画の美しさについて、あれこれの言いがかりをつける映画ファンはおそらくいないだろうとも思う。

監督としては究極の愛を撮りたかったのだと思うが、ほぼ実現しているのではないだろうか。

こういった清冽な映画をいまの日本で製作しようと思っても無理な話だろうから、その点でも脱帽せざるを得ない。

1970年代の中国の状況を完璧なまでに再現していることには驚くし、細部にいたるまでそうだから、あらゆる場面で激しく感情移入をしてしまった。

字幕付きとはいえ、中国語なので3分の1も理解できないが、川が重要なモチーフとされていることは間違いなく、これにどのような意味合いが込められているのか確かめてみたい気はする。

音楽も素晴らしいから、せつない気分がしばらくは残ってしまい、少しばかり狼狽えてしまった。

外国映画には珍しく何回観ても飽きない。

英題:Under the Hawthorn Tree


2007年 / 台湾映画 / 陳懷恩監督

ロードムービーなるジャンルがあって、それに属する映画になるらしい。ハッとさせられたのは、台湾も島国だと言うことで、それで周回するのが案外に簡単そうなことだった。

台湾を「国」として考えてしまうことが多いから、そうなったのだろうと思うが、地理的には小さな島であることがわかる。

この映画の魅力は、島でありながらもと言うべきか、島であるからと言うべきか、この美しい風景が絶妙なカメラワークでとらえられていることで、この部分を観ているだけでも十分に楽しむことができる。

加えて、日本ではすでに失われてしまっている稠密な人間的生活環境が、画面に溢れんばかりに描かれていて、これには圧倒されてしまう。

日記形式であるため、一種のオムニバスになっているから、適当に気分を休めることができる点でもよかったのかも知れない。

多分どうということのない主張の映画だと思うが、心に残る点においては秀逸な映画だと思う。

日本人にも通じる感情が彼方此方にあって、この点でもかなり面白く鑑賞した。挿入歌の「太平洋的風」(胡徳夫)もよかった。

英題:Island Etude


2008年 / 台湾映画 / 魏徳聖監督

何とも奇妙な映画なのだが、台湾での興行成績は抜群によかったらしい。その理由が何となく分かるような分からないような気分なのだが、秀作とも言えないし、かと言って駄作とも言えない。

実話として似たようなことがあったのかも知れないが、ストーリーは取って付けたような展開の連続なので、このあたりは深く考えてはいけない。それに加えて、田中千絵という女優が誰であるから知らないから、どうもビシッとしないところがある。

この映画は、心理的に追い込まない設定になっているから、描かれている人間関係の優しさに気持ちよく包まれている状態が一番得策な観賞態度のような気がする。

使用されている楽曲がよいので、これを聴いているだけでも楽しく過ごせると思う。

原題:海角七號 英題:Cape No.7


1983年 / 深作欣二監督 / 薬師丸ひろ子

深作欣二監督の作品だから、話の筋がどうであるとか、テーマ性がどうであるとか、論理性がどうであるとか、そういう事を求めていると、ひたすらに疲れてしまうことになってしまうので

ここは薬師丸ひろ子の可愛さと、アクション・シーンのハチャメチャさを堪能してお終いということにするのがよいと思う。

もともとの『南総里見八犬伝』とそれを現代風にアレンジしたものがあるようで、映画は現代版を原作にしているから、私のように滝沢馬琴版で育った世代にはどうもピタッと来ないころがある。

これは致し方のないことかも知れない。なので、この映画に日本人の心情を揺さぶる里見八犬伝的なことを期待するとずっこけてしまうから、そのあたりはすべて無視して受け入れるという心の準備が必要だと思う。


2006年 / 是枝裕和監督 / 宮沢りえ, 田畑智子

私にとっては、宮沢りえが出演する映画は、彼女が登場するシーンを集中して観るためのもので、この映画もその例に漏れない。

出演者が多数に及ぶこともあって、登場する機会が極端に少なくなっているのは、これはちょっと不満が残るところではあるが、いつもながらに可憐でよい感じだったから全て許すことにしたいと思う。

これだけのゴチャゴチャした人間関係をあまり破綻させることなく纏め上げているのは素晴らしいことだとは思うが、しかし、これは群像映画の宿命のようなことで、仕方なくどうしても意識が分散してしまい、散漫になってしまう。

お笑い系というのか、タレントを起用するのはこの時代だから許容すべきだとは思うが、せいぜい2人ぐらいに止めておいてくれないと、りえちゃん1人で支えるのは辛く、次からは考慮して欲しいと思う。


1960年 / 新藤兼人監督 / 乙羽信子, 殿山泰司

この映画は3〜4回は観ている。自分も島で育っているから辛い点もあるのだが、どこか懐かしい風景もあってついつい観てしまう。

映画のように悲惨ではなかったけれども、同じような生活レベルであることに変わりはなかったわけで、ちょっと重たいところもあるのだけれど、原風景を確認するという感じになっている。

新藤兼人監督の映画は機会があればなるべく観るようにしているが、やはり『裸の島』が代表作になるのだと思う。

苦しい時に精魂を込めて製作したことが映像からもひしひしと伝わってきて胸を打つものがある。音楽が林光であることは暫くして知ったのだが、こうした才能が結集することで良い作品が生まれて来るのだなと、その時はつくづくそう思った。


2005年 / 源孝志監督 / 豊川悦司, 原田知世, 吉川晃司, 寺島しのぶ, 田畑智子

おびえた目つきの演技をウリとする田口トモロヲを人間関係の中心に据えると言う最悪のミスキャストにも関わらず、個性を抑えながらも、他の演技達者の魅力を最大限に引き出している点で、これは出色の映画だと思う。

これだけ主役級が出演していると、必ずどこかで軋轢が生じるものだが、これをオムニバス的な形式を採り入れることでうまく回避しつつ、しかも人間関係の物語とすることで、微妙につなげるという実に巧みな演出で感心してしまう。

田畑智子は魅力的な女優ではあるけれども、どこか地味さが目立ってしまって、これ以上の成長は難しいだろうと思っていたのだが、この映画では実に素晴らしい演技で表情もよく、少し見直してしまった。

夢見る少女がそのまま大人になった感じの女性を演じているのだが、ちゃっかり成長している雰囲気をさりげなく醸し出していて、こうした難しい役所がこなせるのであれば、これは期待がもてそうな気がした。

香椎由宇は、本来ならばどうにも扱いようのない女優であると思うのだが、はまりどころを見つけてあげれば、そこそこの役割が果たせる訳で、これも新しい発見であった。

映画の宿命として、最終的には無理矢理にでも各エピソードを収束させなければならないわけだが、多視点と言うべきなのか、コアになる部分が複数設定されているために、このあたりが実にスムースで嫌みなくエンディングを迎えていて、さわやかな感じさえ残ってしまった。

映像も素晴らしく綺麗だし、必見の映画だと思う。


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