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カネモリが推奨する映画

カネモリが推奨する映画(01)

推奨する映画を紹介しています。順次追加する予定です。ジャンルとかはバラバラです。他の映画については、左のカラムにあるリンクをクリックしてください。

(2011年1月)


2007年 / 周防正行監督 / 加瀬亮

電車内で起きた痴漢えん罪事件を題材にした作品であるが、作品の評価は別として、これは必見の映画。

痴漢行為の発生から警察の事情聴取、逮捕、拘留、検察の取り調べ、起訴、裁判という一連の流れが克明に描かれている。

どういう形であれ、誰でも「えん罪」に巻き込まれてしまう可能性があるわけなので、ひとつのシミュレーションとして観ておく必要はあるように思う。

司法とか裁判とかは、建前では公正公平に行われているように思っていたが、まぁ相当にいい加減なところがあるようで、本編に対して格別の抗議もなかったようだから、当たらずとも遠からずといった状態なのだろうと想像できる。

とりあえず人権派の弁護士を登場させて、ストーリーとしてのバランスはとっているのだけれど、現実には、裁判官も検察官も弁護士も、もともとは同じ釜の飯を食った仲間でもあるし、大胆に括ってしまえば利害関係は一致している。

信じがたいことだが、こういうこともあり得るのだとの認識は持っておいてほうがよいと思わせる映画。


2006年 / 堤幸彦監督 / 渡辺謙, 樋口可南子

広告代理店に勤める主人公(渡辺謙)が49歳で若年性アルツハイマー病と診断され、それを妻(樋口可南子)が献身的に支えるというあらすじ。

アルツハイマー病に限らず、こうしたことが現実として迫ってくる年になると、身につまされる話ばかりで、多くのコメントのように、感動したとか、涙なしではみられなかったと言う余裕はなかった。

これで少し気付いたのは、「感動」は自分とは無関係だと思えることに対して覚えるもののようで、なんだか終始暗澹とした気分のなかで観終わってしまった。

設定が大手広告代理店の課長という時点で、すでに現実味はないし、まして樋口可南子のような美形の妻がそうそういるわけでもないので、他人事と言ってしまえば、それまでだが、主人公が退職に追い込まれる過程あたりに、なんとなくサラリーマンや企業のいやらしさが出ていて、それなりのリアル感は保たれていた感じがする。

出演者では、香川照之の相変わらずの過剰演技を除けば、みな全体的に抑えた感じの演技が秀逸で、すんなり感情移入することができる。樋口可南子もなかなかよかったし、医師を演じた及川光博がこんなにいい雰囲気を醸し出すとは思いも寄らなかった。

映画のなかで主人公がアルツハイマー病の簡単なテストを受けるが、それにあわせて、こちらもやってみたら、ほとんどできず、心底あせってしまった。

記憶を失うこと自体も問題であるが、現時点で記憶していることについて、自分にとって本当に「意味」のある記憶がどれだけあるのかと問うてみると、どうも窮してしまう感じになる。

電気回路のこととか、ソフトウェアのことを仮にいくら記憶していたとしても、それで何か心が満たされる訳ではないし、そこの部分がザックリ取り除かれてしまったら、何が残るのだろうかと心配になってくる。

音楽は大島ミチル。映像とのマッチングが素晴らしく、暗澹たる気分になるところをメロディが非常にうまくカバーし、最後まで引っ張ってくれた。


1962年 / 黒澤明監督 / 三船敏郎, 仲代達矢

なんだかつまらない映画をみてしまったので、口直しのために久しぶりに『椿三十郎』を観た。

何回か観ているので、自分では細部まで覚えていると思っていたが、記憶というものはいい加減なもので、けっこう重要な場面が抜け落ちたりしていた。

あらすじは知っているし、論理的につながらないシーンもあちこちにあるわけだが、それでも途中からドキドキしてしまった。

仔細に観賞してみるとわかるのだが、若手の出演者はあきらかに三船敏郎に畏敬の念を抱いていて、それが画面に滲み出て映画の魅力をいっそう引き出している。

森田芳光監督がリメイクしているが、観た感想では、やはり遙かに及ばない。


2002年 / 前田哲監督 / 宮崎あおい

宮崎あおいは、ちょっとコミカルでカワイイ女性を演じると出来がよいが、その好例の映画。

ある日突然シッポが生えると言う、考えようによっては、かなり深刻な「奇病」騒動であるが、そのあたりは彼女の明るい演技で気楽にみることができる。

確かにそういったこともあり得るなと思わせる庶民的行動をデフォルメしているあたりは、なかなかよかったが、ちょっと行き過ぎと思えるところもあって、気分的に乗り切れなかったところはある。

この映画をみて感動する人はいないと思うし、何か教訓的なものを得る映画でもないし、エンディングにどんでん返しがあるわけでもないし、これは宮崎あおいのファン向け映画と思ってよい。

母親役は松田美由紀であるが、ちょっとおっちょこちょいな役柄をうまく演じていて、これは妹の熊谷真美のことを考えると、本当は現実でもそうなのかも知れないと思ったりした。


2004年 / 土井裕泰監督 / 竹内結子

ホラー映画は苦手なので、「1年たったら、雨の季節にまた戻ってくるから」との言葉を残して死んだ妻が、そのとおり、雨の季節に現れるという「あらすじ」をみて、どうしようかと迷ったが、この映画での竹内結子の評判が相当によかったので観ることにした。

評判のとおり、この映画は竹内結子の演技で持ちこたえている。

しかし、中村獅童のギロッとした目の動きはどうにも気持ちが悪いし、小日向文世やYOUのクサイ演技も相当に気になるし、これがなければもっとよい映画に仕上がったと思うと残念と言うしかない。

夫と幼い子を残して死に、また現れるものの、6週間後にはまた姿を消してしまうという、考えようによっては、かなり辛くて切ない物語であるが、そこを竹内の明るさがカバーし、最後まで引っ張ってくれる。

死んだ妻が蘇るとの相当に無理な設定を日常として描き出すため、過去や未来や現在の時間軸をかなり激しく前後させていて、途中で頭がクラクラッとするが、最後に堰を切ったようにクライマックスへと向かう手法はなかなかのものだと思う。

実際には哀しい物語であるが、エンディングの見事さによって、観終わったら何となくホッとして、思わず背伸びをしてしまった。

この監督の力量からすると、おそらく映像の中には、いろいろな暗喩が込められているはずであるが、これは読み解くことができなかった。


1995年 / 新藤兼人監督 / 杉村春子, 乙羽信子

新藤監督の作品でなければ、ぼろくその評価になる映画だと思うが、いまのような状況になってくると、映画を撮影してくれているだけで有り難いという気持ちになっている。

評価とか感想とか、そういうものを超えた感情で映画を観ているわけで、と同時に、すでにいろんなことが情報として入っているから、その内容を後追いするという観賞の仕方になってしまい、作品に没入することがあまりなかった。

乙羽信子の体調が思わしくなく、急いで撮影したことも監督自らが話していたとおりで、あちこちに、ちょっと無理と思える展開があったりして、どうかなぁと思ったりもした。

いちばんのクライマックスは、牛国夫妻が辿った道を女性ルポライターに案内してもらう場面だと思うが、それぞれの場所で必要なシーンを全部撮影し、そして次の場所に移動して撮影して、ということを繰り返し、最後に編集でつなぎ合わせていることが日光の関係などでハッキリわかるので、興ざめしてしまうところがある。

主演が杉村春子なので、当然の事ながら、もうほとんど動きがないわけで、それを払拭するためなのかどうか、いろんなエピソードを差し挟んではいるものの、どういう意図でそうしているのかよく分からないし、少しくどいような感じもした。

それでもちょっといいなぁと感じたのは、レストランでダンスをする場面で、ストーリーと歌詞と音楽と演技が渾然一体となって、ふっと引き込まれてしまった。

流れている音楽は倍賞智恵子が歌っていたと思うが、その歌唱力も大いに預かっていたと思う。

倍賞美津子の女性ルポライターも好感のもてる演技で、こういう形での共演もあるのかと、あとで感じ入った。

殿山泰司はいないし、乙羽信子の体調はすぐれないし、もう限界がきているのかなと思う。


2004年 / 佐々部清監督 / 水谷妃里, 上野樹里, 桂亜沙美, 三村恭代

「チルソク」とは人物の名前かと思っていたら、韓国語で「七夕」という意味らしい。

このタイトルだけで、嫌韓主義の人はダメなのだろうが、私は別にそうではないので、まぁ素直に観賞することができた。

日本と韓国の高校生による国境を越えた初恋物語だと言ってしまえば、それでおしまいになってしまうのだが、これは、実話だったのかどうか、それとも、それに類することがあって、それを物語として膨らませたのかどうか。

日常的なシーンの中で、あるような、ないようなストーリーが展開されるわけで、そうなのかな、どうなのかなと思いつつ観てしまうところがある。

韓国の釜山を除いてのことだが、おそらく全編を下関でロケしたのだと思うが、どうして、山本譲二が出演しているのかしばらく納得できなかったが、途中で彼が下関出身であることを思い出した。多少の資金的援助はしたのかもしれないが、しかし映画というものを私物化してはいけない。

テーマ曲が「なごり雪」になっているのは、時代に合っているとしても、この曲に対する思い入れが監督自身にあるとしても、それにしても演奏回数がちょっと多すぎる。加えて、イルカが出演しなければならない理由はないとも思う。

こういうところに作品としての緊張感のなさが現れてしまって、印象的にはかなり点数を落としているが、ただ参考になると思ったのは、下関のような地方の小都市でも、しっかりしたシナリオをつくって、きちっとした撮影をすれば、そこそこの作品はできる可能性があるということが分かったことだった。

地方で悶々としている映像作家には、何かヒントが得られる映画かもしれない。

下関に行ったことはないが、とてもよい具合に撮れているので、下関市民にとってみれば永久保存してもよい映画だと思う。

上野樹里が出演している点も特筆できる。


1967年 / 小林正樹監督 / 三船敏郎, 仲代達矢, 加藤剛, 司葉子

こういった重厚な時代劇映画はもう撮影できないのだとつくづく思わせる作品。

主演が三船敏郎と仲代達矢であれば、結末は容易に想像が付くのだが、クライマックスへと徐々徐々に高まっていく緊張感は並の俳優ではなかなか出せないから、これはやはり相当な人達が集結しているという感じは受ける。

スタッフもキャストも一流どころをそろえれば、いい映画ができるということなのだろう。

封建制のどうしようもない非人間的な面を描いているのだが、何人斬り殺そうとも、体制自体には何ら変化がないわけだから、このあたりの落としどころのなさというのが、それはそれで監督の意図したことだったのかもしれない。

三船敏郎に悪人をスパッと斬ってもらって気持ちよく映画館を出るという映画ではないから仕方がないが、何だかモヤモヤッとしてしまう感じはある。

英題:Samurai Rebellion


1974年 / 西河克己監督 / 山口百恵, 三浦友和

吉永小百合と内藤洋子の『伊豆の踊子』は観た記憶があるが、当時もファンではなかったし、ましてや三浦友和をみる気などサラサラなかったのでホッチラかしていたのだが、なんとはなしに一度は観ておこうかという気分になった。

どうなんだろうと思っていたが、意外にもよい映画で、これは当たりだった。

演技がどうとか、演出がどうとかのレベルの問題ではないから、その点は端から放っておいたのだけれど、懐かしい俳優が数多く出演しているし、アイドル・スターの映画のテイストというものも出ているし、すんなりと終わりまで観ることができた。

『伊豆の踊子』の主演を務めることができる青春スターは、もう出て来ないとは思うが、しかし、無駄とはと思っても、こういう映画を撮っておくと、それが後々には貴重な資料になることが解って、ちょっと新鮮な気分にさせられた。

当時を振り返ってみたいと思われる方にはお奨めの映画だと思う。時間的にも約90分なので、苦にはならない。


2008年 / 前田哲監督 / 妻夫木聡, 田畑智子

教育目的のために小豚を飼育しているのだが、卒業を目の前にしてこの豚をどうするかという実に他愛のない話。

別にどのような社会的メッセージもないのだとは思うが、日本映画としてはこのような路線もあり得るのかなとの印象を持たせてくれた映画だった。

おそらくはずっこけてしまう程の軽いテーマではあるのだけれど、ドキュメンタリー風に撮りつつも、娯楽映画としての要素も失わせていないと言った点で、実に巧みに構成されている。途中に小うるさい部分はあるものの、最後まですんなりと楽しむことができる。

どこかで見たような、あるいはどこかで聞いたようなエピソードばかりで構成されているわけだが、かえってそれが共感を呼ぶ面もあって、豚は極端であるとしても、小学生の頃に鶏や兎を飼育した経験を持つ人は多いだろうから、懐かしく思い出すかも知れない。

お子さんが現に何かを飼っているということであれば、話がはずむきっかけになるかと思う。


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