痔瘻治療ドキュメント
in C.P.C
Chapter-1 はじめに
Mr.えむえいち 46歳
  ここ4,5年、仕事のスケジュールが過密になり、徹夜などの睡眠不足が続いたりすると、必ず排便時に痛みや出血(鮮血が便や紙に付着)があり、その度に市販の軟膏や坐薬などを使用して自分なりに『治療』をしていました。それなりに痛みも出血もおさまるので、治ったものだと勝手に思い込んでいましたが、2003年9月中旬頃、再び排便時に今までにないひどい痛みと出血があったため、過去に痔の入院治療を経験した友人から、必ず専門医の診察を受けて治療をおこなうようにとアドバイスを受け、ホームページの検索の結果奥田哲也先生のサイトにたどり着きました。
 そのサイトにある「おしりの悩み相談室」という24時間以内に必ず相談の返事がいただけるというページから自分の症状をメールで送り、返事を待ちました。メールを送った日の夜、奥田先生から「明日、診察しましょう」と返事が返って来ました。このドキュメントは奥田先生との出会いから、診察、入院、退院後の経過までを手術を体験して自分が直接、観て感じて思ったことをドキュメントしたものです。

 入院中、重い複雑痔瘻の手術を受けられて退院される患者さんが大声で
「手術時間と入院日数の長さは、痔を放置した日数に比例して、右肩あがりだな。肛門科へ診察にいくこと自体とても恥ずかしく感じたし、診察後も手術や入院に対する不安があるから敬遠してしまうよね。でも思いきって治療(手術)を受けて、今は最高の気分だ。もっと早く来ればよかったよ(笑)」
と笑顔で自分の痔瘻史を話してくれました。
 私の場合は幸いにも軽い痔瘻と裂肛であったために、短い時間で手術が済み、手術後と排便後の痛みが苦痛へ至ることなく、早期に退院出来たのも事実です。しかし手術に対する不安や、短い期間ではあるが慣れない入院生活に対する不安が必要以上にあったのも事実であり、特に腰痛麻酔の切れたときの不安と手術後の排便に対する恐怖感は人並み以上だったと思います。
 短期間の痔瘻手術の体験ではすべてを語ることはできませんが、これから痔の治療をはじめようとしている方々に、僅かなことかもしれませんが参考になればと思いこの記録をお伝えすることにしました。