りゅーと新潟フィルハーモニー管弦楽団第4回定期演奏会
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2022年3月6日(日) 14:00 新潟市音楽文化会館
指揮:榎本正一
ゲストコンサートマスター:奈良秀樹
 

ワーグナー:ジークフリート牧歌

(休憩15分)

ベートーヴェン:交響曲第3番 変ホ長調 作品55 「英雄」

(アンコール)
ベートーヴェン:トルコ行進曲
新潟市民歌「砂浜で」





 

 新型コロナウイルス感染は猛威を振るい続け、連日多数の感染者が報告されていますが、新潟県に出されていたまん延防止等重点措置は今日で解除されることになりました。
 とはいえ、感染者数は多いままであり、注意が必要な状況です。コンサートの中止や延期も数多くあり、この演奏会もどうなるのか心配されました。
 この演奏会のチケットは、発売開始早々に購入しましたが、その頃は新型コロナ感染は小康状態で、オミクロン株による感染爆発により、社会がこれほどまでに混乱しようとは予想できませんでした。感染は収まってはいませんが、予定通りに開催されて何よりです。

 さて、りゅーと新潟フィルハーモニー管弦楽団は、新潟のアマオケでは一番新しく、2017年12月に創立記念特別演奏会(第1回定期演奏会)を開催し、以後活動が続けられています。
 私がこのオケを聴くのは、2021年2月の合唱団にいがたと共演した「Mozart Requiem 特別演奏会」以来1年ぶりです。
 また、定期演奏会を聴くのは、新型コロナ感染が拡大する直前の、2020年2月に開催された「第3回定期演奏会」以来2年ぶりです。

 定期演奏会のプログラムとしては、第2回定期演奏会ではベートーヴェンの交響曲第1番、第3回定期演奏会では第2番が演奏され、今回の第4回定期演奏会では第3番「英雄」が演奏されます。
 この流れで考えますと、第5回定期演奏会では、きっと第4番が演奏されるだろうと想像されますが、今年の9月18日に開催予定の第5回定期演奏会では、ハイドンの交響曲第104番「ロンドン」が演奏されることが既に発表になっており、ベートーヴェン・チクルスの流れは早くも断ち切れてしまいました。
 ベートーベンの交響曲は、新潟セントラルフィルがシリーズ化して取り上げていますので、後追いすることもなかろうと思います。


 3月も1週間が過ぎようとしていますが、天候は落ち着かず、今週末も強風が吹き荒れ、雨や雪が降ったりしています。今日も晴れ間が見えたりもありますが、冷たい風が吹いて荒れ模様です。
 ゆっくりと昼食を摂り、強風の中、音楽文化会館へと向かいました。りゅーとぴあでチラシ集めをして音楽文化会館に入りますと、既に開場されていました。
 中段左寄りに席を取り、この原稿を書きながら開演を待ちました。舞台袖からは音出しの音が聴こえ、気分が盛り上がりました。客席では女性グループのお喋りが賑やかでした。

 配布されたプログラムを見ますと、これまで同様に、このオケのオリジナルメンバーは15人と少なく、コンマスを含めて賛助出演が19人、団友が1人、お試し参加が3人という陣容です。メンバーが少なくても、こういう裏技を使って演奏会を開催できるわけで、ひとつのやり方であり、良い試みだと思います。
 指揮者は、第1回定期から参加している新潟のフルートの重鎮・榎本正一さん、賛助出演のコンマスは、お馴染みの奈良秀樹さんです。

 開演時間となり、拍手の中に団員が入場し、コンマスの一礼はなく、そのままチューニングとなりました。オケのサイズは小型で、弦5部は、6-6-5-5-2です。

 榎本さんが登場して、前半はワーグナーの「ジークフリート牧歌」です。弦楽アンサンブルの力量が試される曲ですが、アマオケの不安定さを感じさせながらも、十分に美しく、うっとりと聴き入り、曲に没入できました。賛助出演のホルンが良い仕事をしてくれて、曲を引き締めてくれました。

 休憩時間は自販機のソフトドリンクでのどを潤した後、客席で原稿の続きを書いていましたが、関係者の感染防止の努力を嘲笑うように、相変わらずお喋りが賑やかでした。ロビーでお喋りしてほしいですね。

 後半はメインのベートーヴェンの交響曲第3番「英雄」です。前半同様に、アマオケの危うさは感じられましたが、指揮棒を持たず、速めのテンポで、全身を使ってキビキビと指揮する榎本さんに応えて、オケは緊張感を維持し、演奏技術を超越した熱気とパワーを感じさせました。スピードアップして感動を誘い、第1楽章終了後には拍手が湧き上がりました。
 第2楽章も緊張感を保ち続けながら、暗くなりすぎず、青白い炎を感じさせました。ティンパニが良い味付けをして、演奏を引き締めていました。
 第3楽章はスピーディにリズムを刻み、聴かせどころのホルンも素晴らしく、アタッカで第4楽章へ。軽快な弦のピチカートにティンパニが加わり、その後の各変奏の対比も鮮やかに演奏が進みました。弦のフーガも美しく、形を変えながら演奏が進み、ゆったりと歌わせた後、一気にギアチェンジしてスピードアップし、興奮のフィナーレを迎えました。

 拍手に応えて、アンコールに、シンバルとトライアングルが加わって賑やかに「トルコ行進曲」を演奏し、続けて毎回恒例の新潟市民歌「砂浜で」を美しいアンサンブルでしっとりと演奏して終演となりました。

 個々を見ればアマオケの不安定さは感じられましたが、総体としてはエネルギー感と熱気に溢れ、演奏技術を云々することなど意味のないことを知らしめてくれました。熱い感動をいただき、オケの皆さんに感謝です。

 感動を胸にホールの外に出ますと、雪が降り、寒風が容赦なく吹き付けました。駐車場へと早足しましたが、強制的に一気にクールダウンさせられました。春はまだ来ないようですね。
 
 
 
(客席:15-8、¥800)