ついにこの日がやってきました。私が1年で一番大切に思っているコンサートです。万難を排して、毎年駆けつけているコンサートです。
毎年書いていますが、ウィーン・フィルが来ようが、ベルリン・フィルが来ようが、私はジュニア・オケを選びます。私はジュニア・オケでの感動を糧に生きているようなものですから。
ご存知のように、新潟市ジュニア音楽教室は、オーディションで入団者を選抜するのではなく、楽器の初心者から指導している点が特徴です。各楽器の単科教室から、初級者のA合奏、上級者のB合奏へと進級するシステムは、全国に誇りうるものと思います。
初々しい小中学生のA合奏も最近レベルアップが目覚しく、しっかりとした“オーケストラ”演奏を聴かせてくれます。上級者のB合奏の完成度には毎年驚かされており、数々の名演奏を聴かせてくれました。昨年の「シェエラザード」の感動も記憶に新しいです。
今年のメインはチャイコフスキーの「悲愴」です。指揮は永峰大輔さんで、先日の「オーケストラはキミのともだち」では東京京響楽団と新たな感動をもたらしてくれたばかりです。今度はジュニア・オケからどんな演奏を引き出してくれるのか期待が高まるばかりです。
と、チケット発売とともにネット購入し、ワクワクしながら今日の日を待っていたのですが、新型コロナ感染は新潟市のジュニア音楽教室にも波及し、ジュニア合唱団で集団感染を起こしたため、合唱団のほか、オーケストラ、邦楽の各教室、さらに劇団のAPRICOTの活動も停止されました。
昨今の感染状況を考えますと、いつかはこうなる日が来ることは危惧していたのですが、ジュニア合唱団と共に、ジュニアオケの定期演奏会が中止されたのは誠に残念です。ジュニア邦楽合奏団の演奏会が予定通り開催され、APRICOTの公演も開催できたことがせめてもの救いだったと思います。
演奏を聴けないのは誠に残念ですが、一番悲しいのは発表の場を失われた子どもたちであり、関係者の苦渋の決断に思いを馳せますと、涙が禁じ得ません。
この演奏会で卒団する高校3年生の思いが込められた「威風堂々」を今年は聴けません。でも、私の心の中では音楽が鳴り響き、ブラボーを叫びました。
頑張れ! ジュニアオーケストラ教室!
(客席:2階C5-11、¥700) |