5月、6月に引き続いて、3ヵ月連続の東響新潟定期です。東響のスケジュールの都合なのでしょうが、今年度は前半に集中しており、その分後半は寂しくなります。
今回の定期は、本来でしたら中国人指揮者ロン・ユーが指揮するはずだったのですが、例によって新型コロナウイルス感染に伴う入国制限によって来日できなくなり、代役として鈴木優人さんが指揮することになりました。これに伴うプログラムの変更はありませんでした。
今日のプログラムは、昨日の東京オペラシティシリーズ第122回と同じです。これまでの東京交響8楽団新潟定期演奏会を振り返って、今回の演目のうち、前半のムソルグスキーの「モスクワ河の夜明け」は今回が初めてです。 チャイコフスキーのヴァイオリン協奏曲は、人気曲にも関わらず、2008年10月の第50回新潟定期(Vn:鍵冨弦太郎)以来2回目です。
一方、後半のムソルグスキー(ラヴェル編)の「展覧会の絵」は、2013年5月の第77回新潟定期(指揮:ヴェデルニコフ)、2018年1月の第105回新潟定期(指揮:飯森範親)で取り上げられており、今回が3回目となります。
今回はマニアックでない定番の人気曲が並んでいますので、集客が期待できそうに思われますが、実際の集客はどうなるでしょうか。若い人に是非聴きに来てほしいですね。
さて、指揮者の鈴木さんは若手指揮者のトップを走る一人であり、「題名のない音楽会」など、テレビ、ラジオ番組への出演も多く、知名度は高いのではないかと思います。
5月に京都市交響楽団の定期演奏会のネット配信があり、私も視聴させていただいたのですが、このときもチェンバロの弾き振りのほか、ベートーヴェンの7番で熱い演奏を聴かせてくれました。
ご存知のように鈴木優人さんは、父が鈴木雅明さん、叔父が鈴木秀美さんという音楽一家に育ち、指揮者のほか、作曲家、チェンバロ・オルガン奏者として活躍されています。古楽・バロック音楽のスペシャリストという印象が強いのですが、様々なオーケストラでバロックから現代音楽まで、幅広い曲を指揮しています。
東響新潟定期演奏会では、2020年3月の第118回新潟定期演奏会で、バッハの「マタイ受難曲」を指揮することになっていて、このシーズンの中で最も注目された公演になるはずだったのですが、残念ながら新型コロナ感染拡大のため定期演奏会は中止され、幻の演奏会となりました。
そんな経緯もあって、今回の定期演奏会に鈴木さんが代役で登場するというのは大きな魅力となりました。プログラムは、ムソルグスキーとチャイコフスキーというロシア物であり、私が勝手に思い描いている鈴木さんのイメージとは合わない印象もあり、どんな演奏を聴かせてくれるのか、大いに楽しみでした。
また、チャイコフスキーのヴァイオリン協奏曲のソリストを務める外村理紗(ほかむらりさ)さんは、2001年生まれという期待の若手奏者であり、私はもちろん初めてです。
中学生時に全日本学生音楽コンクール1位、高校生時にインディアナポリス国際ヴァイオリンコンクール第2位、Young Concert
Artists International Auditionで優勝など、活躍は目覚ましく、神尾真由子さんの愛弟子としても知られています。
昨年7月に新日本フィルと共演したのがプロオケとの共演デビューだったそうですが、その演目も今回演奏するチャイコフスキーのヴァイオリン協奏曲でした。今回鈴木さんとともにどんな演奏を聴かせてくれるのか期待が高まりました。
さて、そんな東京定期の日に恒例のロビーコンサートは、今回はヴァイオリンの土屋杏子さん、ハープの景山梨乃さん、パーカッションの網川淳美さんという珍しい組み合わせでの演奏で、これもいったいどんな演奏になるのか想像もできず、楽しみにしていました。
昼食を摂り、ロビーコンサートを楽しみ、一旦休んで、夕方の定期に臨みました。
となるはずでしたが、今日は仕事で行くことはできませんでした。きっと若さとパワーにあふれる素晴らしい演奏会になったことでしょうね。
ちょうど「展覧会の絵」の演奏が行われている頃、職場でテレビをつけますと、「ナニコレ珍百景」をやっていました。BGMに使われている「キエフの大門」を聴きながら、コンサートに思いを馳せました。
(客席:2階C*-**、\7500) |