第13回巻地区まちづくり音楽文化講座 秋の音楽会 トリオ・ベルガルモ
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2020年10月17日(土) 14:00  新潟市巻文化会館 大ホール
トリオ・ベルガルモ: ヴァイオリン:庄司 愛、チェロ:渋谷陽子、ピアノ:石井朋子
 

第1部

ルビンシテイン:メロディ

メンデルスゾーン:ピアノ三重奏曲第1番 Op.49

(休憩15分)

第2部  〜世界民謡めぐり〜

後藤 丹・編:ロシア民謡集

後藤 丹・編:日本民謡によるパラフレーズ「北前船西廻り航路」

コープランド:ロデオ より 「ホーダウン」

カザルス・編:鳥の歌

町田 治・編:村祭、赤とんぼ

(アンコール)
ラヴェル:ボレロ

 今日は土曜日で休みが取れました。いつものように亀の水替え、猫のトイレ掃除、家中の掃除機かけ、ゴミだしをして、家を出ました。某所で休息と昼食を摂り、巻文化会館へと向かいました。

 このコンサートは、地元民向けの音楽講座として毎年開催されています。私は西蒲区民ではありませんが、何度か参加させていただいております。地元の方による手作り感あふれるほのぼのとした雰囲気が魅力です。
 毎回新潟で活躍している音楽家が招聘されていますが、今回は昨年の春の音楽会に引き続いて、トリオ・ベルガルモの出演とあって、万難を排して駆けつけたしだいです。

 巻文化会館は、大ホールの吊り天井の改修工事のため、2019年9月より長期に休館していましたが、8月1日に開館し、クラシック関係ではこれが最初のコンサートということになりましょうか。
 このホールは巻市街の奥にあり、アクセス道路が狭く、一方通行もありますので、慣れないと行きにくいのが難点です。私はこれまで何度か来ていますので、13時過ぎに無事到着しました。

 受付で当日券を購入。予定より早く開場されましたのでそのまま入場し、前方7列目に席を取りました。偶然にも近くにお世話になっている音楽仲間のお姿があり、お話しできて良かったです。

 ステージにはスタインウェイが置かれ、開演を待っていました。ワンスロープで1000席の大ホールですが、地元以外には告知されていないコンサートですので、毎回同様のそれなりの集客でした。
 客席は間隔を開けて座る余裕は十分にあるのですが、COVID19など何のその、地元の皆さん方は仲間同士で密集・密接状態で着席され、おしゃべりの花が咲いていました。しばし席に座ってこの原稿を書きながら開演を待ちました。

 開演時間となり、主催者のまちづくり協議会会長の挨拶がありました。ホールはリニューアル工事により音響が良くなったとのことですが、一見しただけではどこがどう変わったかはわかりません。

 司会者による紹介があり、ベルガルモの3人が登場。庄司さんはあずき色のドレス、渋谷さんは上がクリーム色、下が黒のドレス、石井さんは黒いドレスです。相変わらずヴィジュアル的にも魅力的な3人であり、うっとりとしました。

 1曲目はルビンシテインの「メロディ」です。聴き馴染みのあるメロディを柔らかなハーモニーで爽やかに歌い、挨拶代わりには最適でした。会長さんが話されていたように、ホールはなかなか良い響きで、うっとりと聴き入りました。

 ここで庄司さんの挨拶があり、ロングヘアが美しい譜メクリストが登場して、2曲目はメンデルスゾーンのピアノ三重奏曲第1番です。
 当初は抜粋で演奏する予定だったそうですが、せっかく大きなホールで演奏するので、全4楽章を演奏することにしたそうです。市民向けのコンサートに、聴き応えある本格的なプログラムを載せてくるのは、さすがベルガルモですね。
 第1楽章は、哀愁とロマンの香りが漂う親しみやすいメロディが耳に心地良く、情熱をほとばしらせながらも、美しく歌い上げました。第2楽章は、優しく美しいメロディにうっとりと聴き入り、夢見心地に誘われました。第3楽章は、軽快に早足で駆け抜け、第4楽章は、耳に残る意味ありげなメロディが、形を変えながら情熱的に繰り返し訴えかけ、ゆったりと歌ったかと思えばスピードアップしてたたみかけ、大きなうねりの中にフナーレを迎えました。

 これぞピアノ三重奏という演奏に、大きな満足感をいただきました。8月の「SanDoコンサート」、9月の「椿三重奏団」と、最近ピアノ三重奏を連続して聴く機会がありましたが、ベルガルモも負けていませんね。

 前半はちょっとヘビーな本格的な内容でしたが、休憩後の後半は、肩のこらない親しみやすいプログラムです。庄司さんのMCで演奏が進められましたが、海外旅行ができない現状を鑑みて、音楽で世界めぐりをしようという趣旨だそうです。

 まずはロシアということで、赤いサラファン、ステンカラージン、黒い瞳、カリンカといったお馴染みのロシア民謡がメドレーで楽しく演奏されました。

 続いて石井さんのピアノ独奏で「日本民謡によるパラフレーズ」です。北前船航路に関係した8県の民謡を題材にした曲で、お馴染みの各県の民謡が、後藤丹先生の見事な編曲と、石井さんの素晴らしい演奏により、聴き応えある曲になっていました。

 次は庄司さんと石井さんにより、アメリカということで、コープランドの「ホ−ダウン」です。庄司さんの軽快なヴァイオリンが心地良く、いかにもアメリカというような躍動感があり、西部劇が眼前で繰り広げられているかのようでした。

 次はスペインということで、渋谷さんと石井さんで、チェロの定番とも言えるカタルーニャ民謡の「鳥の歌」です。柔らかなピアノに導かれて、チェロが朗々と、切々と歌い、胸に熱く響いてきました。泣かせる演奏は、さすが渋谷さんですね。

 最後は3人で日本の童謡が2曲続けて演奏されました。「村祭」を楽しく演奏し、「赤とんぼ」をしっとりと演奏し、深まる秋を感じました。

 司会者が出てきて3人に拍手を贈り、アンコールに「ボレロ」が演奏されました。この曲はベルガルモ名物と言っても良いでしょう。何度も聴かせていただいていますが、編曲も演奏も素晴らしく、大いに楽しませていただき、感動の中にコンサートは終演となりました。

 石井さんは終始出ずっぱりでご苦労様でした。MCは庄司さんが一手に引き受けておられましたが、なぜかメンバー紹介がありませんでした。まあ、3人をよく知る者にとりましてはどうでも良いのですけれど・・。

 地元の方の代表3人により、ベルガルモの3人に花束贈呈が行われましたが、お土産が入った紙袋も手渡したりして、アットホームでほのぼの感があって良いですね。

 元気の良い女性司会者の賑やかな挨拶で、コンサートは締めくくられました。また来年も開催されることと思いますが、楽しみにしたいと思います。

 最近トリオ・ベルガルモとしての活動がなく、公式ホームページも休眠状態のままで寂しく思っていたのですが、久しぶりに3人揃っての演奏を聴くことができて良かったです。帰りにベルガルモのポスターをお土産にいただきました。

 ゆっくりと余韻に浸りたかったのですが、17時から仕事が控えており、大急ぎでホールを後にしました。
 
  

(客席:7-14、当日券:¥600)