第11回巻地区まちづくり音楽文化講座 春の音楽会 トリオ・ベルガルモ
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2019年3月21日(木) 14:00 巻文化会館
 
トリオ・ベルガルモ
  ヴァイオリン:庄司 愛、チェロ:渋谷陽子、ピアノ:石井朋子
 

モーツァルト:ピアノ三重奏曲 ディヴェルティメント KV254 第1楽章

メンデルスゾーン:春の歌

ラヴェル:ピアノ三重奏曲 イ短調 より 第1楽章、第2楽章

(休憩15分)

シューベルト名曲集
   楽興の時、野ばら、ます、セレナーデ

ファリャ:スペイン舞曲 第1番

モンティ:チャルダッシュ

ロドリゲス:ラ・クンパルシータ

ラヴェル:ボレロ

(アンコール)
ウィーン我が夢の街 ?

 今日は春分の日。実際の気温はそれほど低くないのですが、小雨が降って、ちょっと肌寒さを感じます。今日は中央区ではなく、西蒲区へ遠征しました。

 今日のコンサートは、巻地区まちづくり協議会主催の「巻地区まちづくり音楽文化講座 春の音楽会」です。今回が11回目だそうですが、昨年の第10回に引き続いて参加することにしました。
 西蒲区以外にはほとんど知られていない催しですが、私はアンテナを張り巡らして情報を得て、第1回の演奏会以来何回か参加させていただいております。今回はトリオ・ベルガルモの出演であり、是非とも聴きに行かねばと考えた次第です。最初の情報ではデュオ・コンソーノ(庄司さんと渋谷さん)ということだったのですが、その後石井さんが加わってのトリオ・ベルガルモとなりました。

 このホールは旧巻町の市街地の住宅街にあり、初めての人には分かりにくい場所なのですが、カーナビに導かれて、順調に到着できました。
 当日券を買って、開場とともに入場。このホールは、古さが目立ちますが、ワンフロア1000席の大きなホールで、客の入りとしましては、それなりにというところでしょうか。当然ながらビジュアルも重視して、前方に席を取りました。ピアノはスタインウェイです。

 さて、トリオ・ベルガルモのメンバーは、それぞれが活発な活動をされていますが、ベルガルモとしてのコンサートは久しぶりになります。ホームページも2017年6月を最後に更新されないままで、どうしたのかと心配していました。こんなとき、今回たまたまこのコンサートがあることを知り、うれしさでわくわくしました。
 私がトリオ・ベルガルモとしてのコンサートを聴くのは2014年の結成10周年記念コンサート以来になりますので、ずいぶんと久しぶりであり、時の流れの速さに驚いてしまいます。

 開演時間となり、主催者の挨拶の後、毎回お馴染みの親しみやすいご婦人の司会で開演となり、3人が登場しました。庄司さんは緑、渋谷さんは黒、石井さんはベージュに黒の模様のドレスで登場。相変わらす、3人ともお美しいですね。

 最初はモーツァルトのピアノ三重奏曲です。久しぶりに聴くベルガルモの演奏。繊細に奏でるヴァイオリン、心地良く歌わせるチェロ、そして軽快なピアノ。三人の個性がかみ合い、絡み合い、爽やかに音楽を奏で、聴衆の心を引き付けました。

 ここで庄司さんの挨拶と曲目紹介があり、メンデルスゾーンの「春の歌」を演奏して、春到来を感じさせました。柔らかな曲でひと休みというところでしょうか。

 前半最後は、ちょっと本格的なラヴェルの三重奏曲です。第1楽章を幽玄に演奏し、第2楽章を明るく快活に演奏して前半を締めくくりました。
 なかなか聴き応えある演奏で、ベルガルモの実力を知らしめるにふさわしい演奏だったと思います。今日は全4楽章のうち前半の2楽章のみでしたが、全曲は5月24日にりゅーとぴあ・スタジオAで開催するコンサートで演奏するそうです。

 ここで司会者が登場し、終演時に行う「花束贈呈」の贈呈者が客席から募られました。このやり取りがほのぼのとしており、地域に根ざしたコンサートということを感じさせました。何とか3人の観客代表が決まって休憩に入りました。

 休憩後の後半は親しみやすい曲が集められました。さて演奏はと行くはずでしたが、ここでちょっとしたトラブル。庄司さんが楽譜を忘れて、慌てて楽屋に取りに行ってしまいました。この間渋谷さんが場を取り繕ってくれましたが、渋谷さんのお話しが聞けて良かったです。渋谷さんはこのホールでの演奏は2回目だと話されていましたが、前回の演奏も私は聴いています。

 気を取り直して、庄司さんの曲目紹介で後半の開演です。まずはシューベルトの名曲を4曲。ピアノ独奏で「楽興の時」、続いてヴァイオリンとピアノで「野ばら」、チェロとピアノで「ます」、最後に三重奏で「セレナーデ」を演奏して楽しませました。

 一旦ステージから下がって、チェロとピアノで「スペイン舞曲」、続いてヴァイオリンとピアノで「チャルダッシュ」を演奏して、それぞれの演奏技巧と音楽性を披露し、最後に3人で「ラ・クンパルシータ」を演奏して盛り上げました。

 そしてプログラム最後は「ボレロ」。ベルガルモの「ボレロ」は何度か聴かせていただいておりますが、なかなか良くできた編曲で、ピアノトリオで十分に楽しめます。出だしは割り箸で弦を叩いたりして、面白い趣向で演奏効果を上げています。クライマックスはなかなかの迫力で、聴き応え十分。今回も良かったです。

 例の司会者が登場して、客席から募られた代表者3人により花束贈呈がされ、アンコールを演奏して終演となりました。
 アンコールの曲名を失念してしまいましたが、あれで良かったでしょうか。このアンコールがこれまで以上に美しくホールに響き渡り、ベルガルモの素晴らしさが伝わりました。久しぶりに聴くベルガルモでしたが、期待にたがぬ演奏で、楽しいひと時を過ごしました。

 前記しましたが、5月24日に、りゅーとぴあ・スタジオAで、小山瑠美子さんを迎えてのコンサートを開催するそうです。チラシはまだできていないそうですが、久しぶりのベルガルモのコンサートということで、完売必至と思います。楽しみですね。

 巻地区まちづくり協議会主催の手作り感あふれるアットホームなコンサート。毎回新潟の演奏家を招いて楽しませてくれます。来年も時期未定だそうですが開催するそうで、誰を招聘するのか楽しみにしたいと思います。

 

(客席:6-15、当日券:\600)