山本真希オルガンリサイタルシリーズ No.27 (中止)
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2020年5月30日(日) 15:00 新潟市民芸術文化会館 コンサートホール
オルガン:山本真希
 


オルガン名曲集 〜スペインとJ.S.バッハの珠玉作品〜


J ヒメネス:第6旋法によるバッターリャ

A.deカベソン:「騎士の歌」によるディフェレンシャス

P.ブルーナ:聖母の連祷によるティエント

J.S.バッハ:小フーガ ト短調 BWV578

J.S.バッハ:幻想曲とフーガ ト短調 BWV542

 14年間の長きに渡って、りゅーとぴあの専属オルガニストとして活発な活動をされ、新潟市民にオルガンの素晴らしさを教えてくれた山本さんの功績は計り知れません。
 その美貌もさることながら、穏やかな表情から染み出るような優しく親しみやすい人柄と、真摯に音楽に取り組む姿勢に魅了され、新潟に数多くのファンを生み出しました。

 私が山本さんの演奏を初めて聴いたのは、今から14年前、2006年4月15日に、3代目の専属オルガニストのお披露目として、1コインコンサートとして開催された「新専属オルガニスト就任記念コンサート」であり、これまでに聴いたことのないオルガンの音色に魅了されたことが思い起こされます。

 そして、3ヵ月後の7月25日に開催された「バックステージ・ツアー2006」で、至近距離で見る山本さんの美しさに心奪われました。

 さらに、翌月の8月5日に開催された「オルガンサマーデイズ2006」で、山本さんの素晴らしさは確固たるものと確信しました。以後この「オルガンサマーデイズ」は以後毎年夏の風物詩となりました。

 そして、10月27日に、「山本真希オルガンリサイタルシリーズ グレンツイングオルガンの魅力」がスタートし、今回まで27回も続くことになりました。

 また、この年の12月15日には「オルガンクリスマスコンサート」が開催され、以後毎年年末恒例のコンサートになりました。

 その他にも、オーケストラとの共演も多数あり、2013年9月の「東京交響楽団第79回新潟定期演奏会」で、飯森さん指揮により共演したサンサーンスの交響曲第3番の素晴らしい演奏はCD化されています。

 ほかにも県内各地で演奏活動をされており、カトリック青山教会での演奏を間近で聴かせていただいたのも思い出深いです。

 この山本さんが専属オルガニストを退任するというニュースを聞き、ショックを受けたファンは多かったものと思います。
 その最後のリサイタルが、3月15日に開催されることになりました。山本さんファンの端くれとしましては、何としても聴きに行かねばならず、早々にチケットを買って楽しみにしていました。

 しかし、新型コロナウイルス感染禍に巻き込まれ、このラストリサイタルは、5月30日に延期されることになりました。結果として退任後のリサイタルになってしまいましたが、新潟から拍手で送り出してあげたいというのが、新潟の音楽ファンの共通の願いだったと思います。

 実はここで大きな問題がありました。この日は、同時刻に長岡市で「フィンランド放送交響楽団長岡特別演奏会」が開催され、延期が決まる前にこのチケットを買っていたのでした。長岡に行くか、山本さんに行くか、悩みましたが、ここは山本さんでしょうと考えていました。

 しかし、新型コロナウイルス感染は収まることなく、3月から延期されたこのコンサートまでもが開催中止となってしまいました。
 退任記念のリサイタルを開催しないままに山本さんは新潟を去ることになり、何とも悲しい結末になってしまいました。
 新潟の数多くの山本さんファンは、拍手とブラボーで送り出してあげられなかったことを残念に思っていることと思います。感染が終息した暁には、リサイタルを是非とも開催していただきたいと思います。

 この最後のリサイタルの当日に、ホワイエで放映する予定だった動画「山本真希 グレンツィングオルガンとの14年間」がYouTubeで公開されていますので、是非ともご覧ください。

 山本さんの今後の活躍を応援したいと思います。

 
 なお、第4代専属オルガニストは新潟市出身の石丸由佳さんに決まり、就任記念のリサイタルが6月20日に開催されます。
 ちなみに、初代から第3代までの歴代の専属オルガニストが一堂に会したコンサートが、2018年7月に、「オルガン・トリニティ」として開催されています。

 

(客席:*-**、¥2000)