ラナンキュラス ヴォーカルコンサート vol.16
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2019年3月23日(土) 14:00 だいしホール
 
ソプラノ:伊藤 舞、井上千華、神田幸子、熊谷真梨子、佐藤友美、
      鈴木美恵、野田有佳理、比護慧子、北住順子
バリトン:木了 涼、塙 康平
ピアノ:小黒亜紀、黒田麻里子、田中健太郎
 
1.さくらさくら、
   すてきな春に      (熊谷真梨子、Pf:黒田麻里子)
2.この道          (伊藤 舞、Pf:田中健太郎)
3.九十九里浜       (塙 康平、Pf:黒田麻里子)
4.木兎           (木了 涼、Pf:田中健太郎)
5.献呈           (佐藤友美、Pf:田中健太郎)
6.歌劇「こうもり」より
   田舎娘を演じるときは (野田友佳里、Pf:小黒亜紀)
7.歌劇「ドン・ジョバンニ」より
   残酷な女ですって?いいえ、愛するお方…
                (北住順子、Pf:小黒亜紀)
8.歌劇「アンナ・ボレーナ」より
   私の生まれたあのお城 (井上千華、Pf:黒田麻里子)
9.歌劇「ルサルカ」より
   月に寄す          (比護慧子、Pf:田中健太郎)
10.女声三部合唱 ぜんぶ (女声合唱、Pf:小黒亜紀)

(休憩10分)

11.手紙、月夜のララバイ (鈴木美恵、Pf:小黒亜紀)
12.ミュージカル「レ・ミゼラブル」より 
   星よ           (木了 涼、Pf:田中健太郎)
13.さかさことば
   ジャックが建てた家
   君がいないと      (神田幸子、Pf:小黒亜紀)
14.わが歌に翼ありせば  (伊藤 舞、Pf:田中健太郎)
15.ドゥルシネア姫に想いを寄せるドン・キホーテ 
                 (塙 康平、Pf:黒田麻里子)
16.歌劇「ロメオとジュリエット」より
   私は夢に生きたい    (佐藤友美、Pf:田中健太郎)
17.歌劇「ラクメ」より 
   ジャスミンとバラの厚く群れ咲くアーチ(花の二重唱)
                  (熊谷真梨子、井上千華) 
18.歌劇「運命の力」より
   神よ、平和を与えたまえ (比護慧子、Pf:田中健太郎)

(アンコール)
   つなぐ歌          (全員、Pf:小黒亜紀)
 

 北住順子さんが主宰するラナンキュラスの会によるこのコンサートも、回を重ね、今回が16回目となります。4年前の2015年に一度聴かせていただいたことがあり、その内容の素晴らしさに驚嘆したことが思い出されます。
 今日は当初は出かける予定がなかったのですが、予定が空いて時間ができましたので、急遽聴かせていただくことにしました。

 今週末は気温が下がって、肌寒さも感じる中、だいしホールに到着しました。すでに開場されており、当日券を買って入場しました。このホールでの定席に席を取りましたが、客の入りはよく、かなりの賑わいとなりました。
 開演時間となり、場内が暗転するとともにステージの照明が付けられ、いよいよ演奏開始です。

 トップバッターの重責を果たしたのは熊谷真梨子さんです。水色のドレスで登場。2曲歌いましたが、透明感のあるクリスタルのような歌声は美しく、最初から感激しました。

 2番目は伊藤 舞さんです。白いドレスで登場。活発な演奏活動をされており、私も何度か聴かせていただいていますが、昨年11月のコンサートはチケットを買っていながら所用で行けなかったのが残念でした。堂々として落ち着いた歌声には風格すら感じられました。

 3番目は塙 康平さんです。前回のコンサートで大器の片鱗を見せてくれていましたが、見事に花開き、素晴らしい歌手に成長されました。声に艶があり、小柄ながらも声量豊かで、お見事でした。

 4番目は木了 涼さんです。ちょっとソフトで落ち着いた歌声。ドラマチックに歌い上げて聴衆を魅了しました。ピアノは田中健太郎さんでしたが、これも良かったです。

 5番目は佐藤友美さんです。水色のでレスで登場し、華のある容姿そのままに、可憐な歌声で愛の歌を歌い上げてうっとりさせました。

 6番目は野田有佳理さんです。赤いドレスで登場し、ちょっとコミカルに、表現力豊かに、オペラの場面を楽しく演じてくれました。

 7番目は北住順子さんです。紫に金の模様の豪華なドレスで登場。さすがに主宰者だけあって、透き通るようなコロラトゥーラソプラノはさすがというしかありません。

 8番目は井上千華さんです。薄ピンクのドレスで登場。クリアで声量豊か。表現力豊かにドラマチックに歌い上げ、圧倒されるばかりでした。

 9番目は比護慧子さんです。ブルーにラメ入りのドレスで登場。比護さんを初めて聴いたのは、2015年3月の野上詩織さんのコンチェルト・インストアライブで飛び入り出演したときで、その直後にこの会のコンサートがあり、塙さんとともに飛び入り出演されていました。そのときは新潟中央高校を卒業したばかりで初々しかったのですが、現在は東京藝大の4年生。驚くほどに成長されました。つぼみは見事に花開き、大人の女性となり、妖艶さすら漂います。声量豊かに落ち着いた歌声は風格を感じさせ、これぞソプラノ・ドラマティコという感じでした。

 10番目は女性陣9人で、女声三部合唱です。見事な歌声とハーモニーに魅了され、感動の中に短い休憩時間へと入りました。

 北住さんの挨拶があって、後半最初の11番目は、鈴木美恵さんです。赤紫のドレスで登場。2曲歌いましたが、落ち着きのある包み込むような歌声はぬくもりを感じさせ、癒しを感じました。

 12番目は前半も歌った木了 涼さんです。趣向を変えて、ミュージカルの一場面をドラマチックに演じて感動を誘いました。

 13番目は神田幸子さんです。薄い水色のドレスで登場。3曲歌いましたが、これぞソプラノというような、リリカルで澄んだ歌声でした。最初の2曲はコミカルな歌を楽しく歌って和ませました。3曲目は曲自身も美しく、胸を熱くする感動の歌声に感動しました。

 14番目は再び伊藤 舞さんです。今度は黒いドレスで登場。前半同様にソフトでふくよかな歌声で、ドラマチックに歌い上げました。

 15番目は前半で感動を誘った塙 康平さんです。ラヴェル作曲の3曲からなる連作歌曲でしたが、性格の異なる3曲を見事に歌い分け、圧倒的な声量で聴衆を魅了しました。

 16番目は佐藤友美さんです。今度は赤いドレスに衣裳換えして登場。新潟大学4年生ですが、可憐な容姿そのままに、明るく快活に歌い、お見事でした。

 17番目は熊谷真梨子さんと井上千華さんによる二重唱です。熊谷さんは白地にピンクの花模様のドレスに衣裳換えしておられました。前半で圧倒した二人の二重唱ですので、もう何も言うことはありません。クリアで声量豊か。声質も似ていますので、美しいハーモニーはこの上なく美しく、心洗われました。

 最後の18番目は比護慧子さんです。今度はゴールドに花柄のドレスです。前半での感動を上回る歌声です。ホール内を圧倒する声量と迫力。まだ大学生とは思えない艶やかさと落ち着き。素晴らしいですね。

 アンコールは全員で歌って終演となりました。ピアノは小黒さんで、田中健太郎さんも歌で参加していました。

 多数の出演者で、内容豊富なコンサート。各出演者とも最高のパフォーマンスを発揮し、高水準な歌声に驚くばかりでした。
 甲乙付けがたかったですが、その中でも、熊谷さん、塙さん、井上さん、比護さんに感激し、特に比護さんの成長振りには驚きました。今後益々の発展を祈りたいと思います。

 そして、ピアノの3人も良かったです。特に小黒さんを久しぶりに聴けて良かったです。またリサイタルをやっていただきたいなあ・・。

 出演者に見送っていただいてホールを後にしましたが、間近でみる皆さんは一段とお美しく、胸がドキドキ。本当はひとりひとり声を掛けたいところでしたが、その思いは心に秘めてホールの階段を下りました。

 良い音楽聴いて幸せな気分。新潟にこのように素晴らしい音楽家がいるなんて、凄いことじゃないでしょうか。満足気分で家路に着きました。

 

(客席:H-6、当日券:\2300)