名古屋フィルハーモニー交響楽団 新潟特別演奏会
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2016年11月23日(水・祝) 14:00  新潟市民芸術文化会館 コンサートホール
 
指揮: 小泉和裕
ピアノ: ゲルハルト・オピッツ
 



(ロビーコンサート ヴァイオリン:小泉悠、 コントラバス:上岡翔)

ピアソラ:ヴァイオリンとコントラバスのための5つのタンゴ

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ベートーヴェン: ピアノ協奏曲 第5番 変ホ長調 作品73「皇帝」

(休憩20分)

バルトーク: 管弦楽のための協奏曲

(アンコール)
ブラームス:ハンガリー舞曲第5番

 東響新潟定期会員が、日本の他のオーケストラをいつもの席で聴き比べようということで、2009年度から始まったのが“東響定期+α「日本のオーケストラシリーズ」”であり、今回が第8回となります。昨年の大阪フィルに引き続いて、今回は名古屋フィルの登場です。名古屋フィルの新潟での演奏会は、おそらく初めてではないでしょうか。

 私が名古屋フィルを聴くのは、2011年5月に、本拠地の愛知県芸術劇場での定期演奏会を聴いて以来5年ぶり2回目となります。
 小泉さんの指揮は何度か聴かせていただいていますが、直近は2012年9月の柏崎でのN響演奏会であり、4年ぶりになります。
 そして共演のオピッツさんは、新潟では、2003年7月2009年11月の東京交響楽団新潟定期演奏会に出演しているほか、2010年12月にリサイタルを開催しており、すっかりお馴染みになっています。

 11月も下旬であり、明日は雪の予報も出ています。今日は昨日から気温が一気に10度も下がって、寒風が身にしみる休日となりました。

 実は、今日は私の旧友であるN先生が主宰される「プロジェクトリュリ第9回演奏会」が同時刻に開催されていました。そちらにも是非行きたかったのですが、毎年聴かせていただいておりますので、今年は欠席させていただきました。ごめんなさい。次回は必ず・・・。
 今日はほかにも、オルガンとか、東響首席奏者によるコンサートとか、聴きたいコンサートがいくつも重なり、時刻がずれていてくれたらなあと思わずにはいられませんでした。

 ということで、天候優れず肌寒い中、りゅーとぴあへと向かいました。客の入りはいつもの東響定期くらいでしょうか。ただし、私の周辺の定期会員席は空席が多く、お休みした人が結構いたようです。

 公演の前にウェルカムロビーコンサートが開催され、3階のバルコニーから聴かせていただきました。ヴァイオリンとコントラバスの二重奏でのピアソラでしたが、本番前の前菜として楽しめました。
 このときのお話しでは、大阪公演を終えて、東京回りで新潟入りし、明日は上田市での公演なんだそうです。ご苦労様です。

 開演時間となり、拍手の中団員が入場。全員揃う前にコンマスが出てきて、一礼してしまいました。ちょっと段取りが良くないように思いますが、名古屋流でしょうか。

 オピッツさんと小泉さんが登場して、前半は「皇帝」です。演奏は快活で生き生き。明るく元気なベートーヴェンでした。オピッツさんは巨匠然とした風貌ですが、生み出された音楽はパワーにあふれ、元気の良い、若々しい演奏でした。速めのテンポで突き進み、重厚さは感じられません。小気味良い演奏でした。

 休憩後はバルトークです。オケは奏者間の間隔が詰められ、ステージ中央に密集するように配置されていました。これが素晴らしい演奏効果を上げていたと思います。
 小泉さんは暗譜での指揮で、大きな身振り手振りで、速めのテンポで、オケをぐいぐいとドライブしていました。各奏者の演奏も素晴らしく、「管弦楽のための協奏曲」という曲名そのままに、管弦楽の楽しみを味わえました。
 前記しましたように、オケは密集するように配置されたため、音が散漫とならず、マスとして客席に届き、美しくホールに響きました。
 小泉さんの指揮にオケは見事に反応し、躍動感、生命感あふれる音楽を創り出していました。東響とは一味違った音色であり、各奏者の一生懸命さが伝わり、魅力あふれる演奏でした。アンコールのハンガリー舞曲も同様に快活であり、コンサートの〆にふさわしかったと思います。

 前回名古屋フィルを聴いたとき、曲目の問題もありますが、必ずしも良い印象を持ちませんでした。しかし、今日の演奏は躍動感にあふれた素晴らしい演奏であり、オケの質の高さを示していたと思います。このような演奏を引き出した小泉さんの指揮を賞賛したいと思います。

 外に出ますと雨こそ降らないものの、気温は低く、肌寒さを感じました。でも、良い音楽を聴くことができて、心は温かでした。

 

(客席:2階C5-**、定期会員招待)