NHK交響楽団演奏会
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2012年9月30日(日) 19:00  柏崎市文化会館アルフォーレ 大ホール
 
指揮:小泉和裕
チェロ:横坂 源
プレトーク:池辺晋一郎、司会:山田美也子
 



モーツァルト:歌劇「フィガロの結婚」序曲

ドヴォルザーク:チェロ協奏曲 ロ短調 作品104

(休憩15分)

ベートーヴェン:交響曲第5番 ハ短調 作品67

(アンコール)
J.S.バッハ:G線上のアリア
 
 

 柏崎市に7月、新しいホールがオープンしました。かつては市民会館がありましたが、中越沖地震に被災し、以後柏崎には大きなホールがない状態が続いていました。震災から5年でホールが復活したことは喜ばしいことと思います。

 今日は開館記念公演の一環としてのN響演奏会です。曲目的には、いかにもというような地方向けの名曲コンサートで、興味はわきませんが、共演者として新潟が誇る横坂源さんが出演するのが楽しみです。
 横坂さんは2009年6月の加茂でのN響演奏会(そのときも司会は山田美也子さんでした)で、梅田俊明氏の指揮により、チャイコフスキーの「ロココ風の主題による変奏曲」を演奏し、N響と堂々と渡り合った素晴らしい演奏を披露してくれました。あれから3年、ドイツで研鑽を積み、ミュンヘン国際コンクール2位など、数々の実績を積み上げています。その成長した姿を見ることができるのはうれしいことです。
 N響といえば、ついこの間、第1733回定期演奏会をNHKホールで聴いてきたばかりです。新潟でのN響演奏会は何度か聴いていますが、必ずしも最良の演奏とは言えなかった公演もありました。地方公演では手を抜くということはないのでしょうが、今日はどんな演奏を聴かせてくれるか期待が高まりました。
 実は、8月に、マルチホールでのTOKI弦楽四重奏団のコンサートを聴きに来ているのですが、大ホールは初めてであり、どんなホールか確かめてみたいというのも大きな理由です。

 新潟メモリアルオケの名演奏を聴き、高揚した気分で柏崎へと向かいました。台風が接近中であり、次第に風が強くなり、雨も降り出しました。柏崎駅前の「そばよし」で焼きそばを食べ、会場入りしました。(この店はチャシュー麺が有名ですが、焼きそばも美味しいのでお勧めします。)

 柏崎駅前に程近いアルフォーレは、駐車場も広く、車で行っても便利な施設です。赤茶色がイメージカラーということで、外観も内部も赤茶色が基本になっています。大ホールは1102席で、重厚感と豪華さを感じさせる素晴らしいホールです。ステージの天井は高く、音響反射板の形状は、オーチャードホールのような感じです。(新潟で言えば、北区文化会館のような感じでしょうか。)
 私の席は2階席左手のA席。手すりが少しじゃまでしたが、見晴らしは良かったです。開演前に、山田さんと池辺さんのプレトークがありましたが、さすがに話し上手なお二人ですから、結構楽しかったです。

 時間となり、拍手の中に団員が入場。今日のコンマスは堀さんです。小泉さんが登場して、最初は「フィガロの結婚」序曲です。まず、N響の素晴らしい演奏に感銘を受けるとともに、柔らかなホールの響きに感動しました。ホールの内装そのままに、高音域がうるさくない落ち着きのある響きです。

 続いて、横坂さんが登場して「ドヴォコン」です。濃厚で重厚なN響に対して、横坂さんのチェロはちょっと繊細。フレージングの取り方などこだわりがあるようでしたが、オケに埋没する所もあり、若干力負けという印象もありました。でも、歌わせどころではしっかり決めてくれましたし、実力は発揮していたものと思います。ソリストアンコールを期待したのですが、休憩に入ってしまいました。

 後半は、山田さんと横坂さんのトークの後、「運命」です。またかという感じで臨みましたが、これは大きな誤算でした。私の認識不足で、素晴らしい演奏でした。早めのテンポでグイグイ飛ばし、新鮮な感動をいただきました。小泉さんと一体となったN響の皆さんは、ものに取り付かれたかのように、熱のこもった演奏を聴かせてくれました。こんなにも全力疾走するN響を見聴きするのは初めてです。

 熱狂の後のアンコールはG線上のアリア。デザートとして最高。N響の弦楽の素晴らしさに感動しました。ホールの響きも良く、極上のサウンドでした。

 新潟メモリアルオケの「ベト7」に大感激した後柏崎に来て、「運命」で再び大感動。柏崎まで来た甲斐がありました。外に出ると風雨が強く大荒れでしたが気分は爽快。良い音楽を聴けて良かったです。

 明日も郡山で同じ演目の演奏会が行われます。福島の方々にも素晴らしい演奏を聴かせてくれるものと思います。
 

(客席:2階2−10 、A席:5000円)