武蔵野音楽大学管弦楽団演奏会
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2016年9月10日(土) 14:00  新潟市民芸術文化文化会館 コンサートホール
 
指揮:北原幸男
ピアノ:馬場翔太郎
 

サン=サーンス:「サムソンとデリラ」より 「バッカナール」

リスト:ピアノ協奏曲第1番 変ホ長調

(休憩20分)

ブラームス:交響曲第4番 ホ短調 Op.98

(アンコール)
エルガー:行進曲「威風堂々」 第1番
 

 暑すぎることもなく、天候に恵まれた爽やかな土曜日となりました。ホールに着きましたら、開場時間にはまだ早いはずですが、すでに開場されていて、私も急いで入場し、2階席正面に席を取りました。
 3階席とステージ周りの客席は使用されていませんでしたが、前方の客席には若干空席も目立ちました。しかし私の周辺はびっしりで、それなりに賑わっていました。

 最初は「バッカナール」。さすがに管・弦・打楽器を専攻する学生さんの選抜メンバーだけあって、演奏水準は高く、限りなくプロに近い演奏です。生き生きとして明るく、色彩感も豊かです。ダイナミックにまとめて、最初から驚きの演奏を聴かせてくれました。

 続いてピアノがステージ中央に運び込まれて、リストのピアノ協奏曲です。ピアノは4年生の馬場さん。順天堂大学医学部卒業後に武蔵野音大に入学したというのは驚きです。
 1曲目同様に、生命感、躍動感にあふれる音楽が奏でられました。「若さ」という表現では陳腐すぎるかもしれませんが、若者ならではの情熱とパワーを感じさせました。
 この曲はつい最近、7月の東響新潟定期で横山幸雄さんの演奏で聴いていますが、ピアノもオケも決して引けを取るものではなく、むしろひたむきさや音楽に向き合う情熱では勝っているやも知れず、聴く者の心を揺さぶりました。トライアングルもきれいに響いていました。

 休憩時間に友人と遭遇。「うまいねえ」という感想で一致しました。そして後半は、前半女性だったコンミスが、いかにも若者という感じの男性に代わり、ブラームスの4番です。
 これまで同様の、明るさとパワーにあふれる演奏であり、ブラームスに対して勝手にイメージしてしまう渋さや暗さは感じさせず、むしろ爽やかな音楽にすら感じられました。聴く方も気分爽快になります。当然ながらブラボーの声も上がって、大盛り上がりとなりました。
 実はこの曲は、つい最近、6月の潟響定期で聴いたばかりなのですが、名演に感じた潟響以上に今日の演奏は素晴らしかったです。

 アンコールは「威風堂々」。これも若さとエネルギーにあふれた演奏であり、聴く者にパワーを与えてくれます。聴きながら感動の涙が込み上げてきました。
 「威風堂々」といえば、新潟市ジュニアオケのアンコールの定番。明日の演奏会でも演奏されるはずです。毎年この曲を聴きながら泣いている私としましては、今日の情熱あふれる演奏を聴きながら、明日のことが頭に浮かび、胸が高鳴ってしまいました。
 実はこの曲は、最近1ヶ月に限ってみても、新潟中央高校の演奏と、浜松ジュニアオケの演奏を聴いており、今回が3回目となります。続くときは続くものですね。もちろんこれまででは今回の演奏が最高ですが、どんな演奏を聴いても感動できるのがこの曲の魅力ですね。

 さすがにプロを目指す音大生の演奏は違います。課外活動、サークル活動のオケとは別次元であり、アマオケとは大きな違いを感じます。
 若者たちから生命感あふれる音楽を引き出した北原先生、そして、エネルギッシュな指揮に見事に応え、ひたすら疾走した学生さんのパワー。良い音楽を聴かせていただきました。爽やかな感動を胸に、明るい気分で家路につきました。
 

(客席:2階C5-7、¥1500)