新潟セントラルフィルハーモニー管弦楽団は、2011年に、県央地区でのバレエ公演での演奏のために、県内で活躍するプロの音楽家を中心に結成されたオーケストラです。
オーケストラだけのコンサートとしては、2014年8月のデビュー公演が最初であり、私も聴かせていただきました。そのときは、佐々木友子さんの独奏によるブルッフのヴァイオリン協奏曲とベートーヴェンの交響曲第7番が演奏され、その素晴らしさに感嘆したことが思い出されます。
今年2月に開催された第2回演奏会は、大谷康子さんを迎えてのコンサートでしたが、チケットを買っていたものの所用のため聴けず、残念な思いをしました。
今日の演奏会は、ベートーヴェンシリーズ第2弾として、第1回での交響曲第7番に引き続いて「田園」が演奏されるほか、「新潟のアーティストたち」というシリーズとして、ピアノの品田真彦さんをソリストと迎えるというのが注目されます。
品田さんは新潟で最も活発な活躍をされているピアニストの一人であり、私は2012年12月に初めて聴いて以来、何度か聴かせていただいていますが、真摯な演奏に感銘を受けています。コンチェルトを聴くのは今回が初めてであり、どんな演奏を聴かせてくれるか、非常に楽しみでした。今日は他に魅力的なコンサートもありましたが、こちらを選びました。
猛暑の中、秋葉区文化会館に到着。開場30分前からロビーで待機していましたが、ロビーの片隅では出演者の皆さんがお弁当を食べたり、休憩されていたりしていました。
開場待ちの列ができ始めたところで、私も列に並び、開場とともに入場。中段左寄りに席を取りました。
興ざめのうるさい開演のブザーが鳴り、団員が入場しました。オケの編成は小型で、いわゆる室内管弦楽団というサイズで、弦5部は、6-6-4-4-2で、ヴァイオリンが左右に別れ、コントラバスとチェロが左、ヴィオラが右の対向配置です。
メンバー表を見ますと、お馴染みの名前がずらり。たとえば、第一ヴァイオリンは、コンマスが清水俳ニさん、隣は高橋百合さん、2列目に小島健弘さん、佐々木友子さん、3列目に佐々木公将さんと松村牧子さんという豪華メンバーです。
ちなみに第二ヴァイオリンのトップは庄司愛さんで、一番末席に奈良秀樹さんがいたりし、ほかのパートも豪華メンバーが揃っていますので、演奏水準の高さは想像がつくかと思います。
最初はモーツァルトの序曲です。最初の音を聴いただけで、やっぱりアマチュアとは一線を画していることを感じさせました。もちろん中央の常設プロオケにはかないませんけれど。ホールもオケのサイズにちょうど良く、きれいなオーケストラサウンドで満たされました。特に弦がきれいですね。
続いて、ステージ中央にスタインウェイが運ばれて、いよいよ楽しみにしていたモーツァルトのピアノ協奏曲です。品田さんが登場して、演奏開始。
明るく軽快に、流れるような音楽に心は躍りました。第2楽章はしっとりと演奏し、そして躍動感あふれて弾けるような第3楽章。見事な演奏でした。オケとピアノで紡ぎ出される美しい音楽。音も演奏も文句なく、品田さんファンとしましては、至福のひと時でした。
休憩後は「田園」です。小編成であることを感じさせない豊かな音楽がホールを満たしました。編成が小さい分、解像度が高い音となり、個々の奏者の技量の高さが示されました。
管では石丸さんのフルートが特に良く、他のパートも良かったです。ただし、微妙なところでもう少し安定感が欲しかったと思わせる部分も無きにしも非ず。でも、十分に楽しめる演奏でした。
この曲はつい最近山形交響楽団の演奏を聴いたばかりですが、十分に対抗できるレベルの演奏だったと思います。
アンコールにハンガリー舞曲が演奏されましたが、これも最高。スピーディで躍動感にあふれ、最後を締めくくるにふさわしい演奏でした。
外に出ますと、暑さは厳しいですが、雲行きが怪しくなっていました。小雨がぱらつく中、帰宅の途につきました。天候とは裏腹に気分は爽快です。良い音楽を聴かせてもらって感謝です。
年末にはバレエ公演での演奏があり、来年の第4回演奏会も秋葉区文化会館での開催が決まっているようです。吹奏楽ではプロの楽団として新潟ブラス・ブラス・ブラスが活躍していますが、オケの分野でも、セントラルフィルの活躍と発展を祈りたいと思います。早くも来年の公演が待ち遠しいです。
(客席:7-15、¥2500) |