新潟中央高等学校管弦楽部♪コーラス部 Joint Cncert 2016
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2016年8月11日(木・祝) 13:30  新潟市民芸術文化会館 コンサートホール
 
 
第1部 〜オーケストラステージ〜 指揮:渡邉真紀子
   エルガー:威風堂々 作品39 第1番 ニ長調
   ブラームス/シュメリング編:ハンガリー舞曲 第5番
   チャイコフスキー:スラブ行進曲

(休憩10分)

第2部 〜コーラスステージ〜
 卒部生合唱団「すずかけ」(賛助出演) 指揮:立川祐子
   岡野貞一/チルコット:Furusato 故郷

 新潟中央高等学校コーラス部 指揮:立川祐子、ピアノ:斉藤晴海
   プーシキン/リムスキー=コルサコフ:雨雲
   星野富弘/なかにしあかね:「悲しみの意味」から 木のように
   朝井リョウ/三宅悠太:次元
   林芙美子/信長貴富:風のような歌は
   大手拓次/信長貴富:月色の羽音 −歌のゆくえ−
   チルコット:A Little Jazz Mass

(休憩15分)

第3部 
 管打アンサンブル 指揮:森山 健(3年)
   植松伸夫/石毛里佳・編:FFメインテーマ
   和泉宏隆/真島俊夫・編:宝島

 オーケストラ
   バデルト/リケッツ・編:パイレーツ オブ カリビアン
   シェーンベルク/クレッツマー・編:レ・ミゼラブル

 管弦学部・コーラス部合同演奏
   宇多田ヒカル/郷間幹男・編:花束を君に

(アンコール)
   新潟中央高等学校校歌 

 毎年夏に恒例の、新潟中央高等学校管弦楽部とコーラス部のジョイント・コンサートです。新潟県トップの実力を誇るコーラス部とオーケストラを一緒に楽しめるお得なコンサートであり、昨年に引き続いて今年も聴かせていただきました。

 今日は劇場でアプリコットの公演があり、ホールに着きますと、開場待ちの長い行列ができていました。そちらにも行きたかったのですが、体はひとつ。今日はこちらを選びました。
 早めに並んで、Cブロック前方に席を取りました。3階席と2階ステージ周りの席は使用されませんでしたが、客の入りはまずまずというところでしょうか。

 第1部はオーケストラの演奏です。最初はP席にコーラス部も登場して、エルガーの威風堂々。合唱付の新潟中央高校ヴァージョンでの演奏です。この曲の合唱付の演奏は初めて聴きましたが、良い演奏効果をあげていました。そして何より、オーケストラの演奏水準の向上に目を見張りました。昨年より一段とアップしているように思います。
 続くハンガリー舞曲では、若干管楽器の音量バランスが良くなかったような印象もありましたが、しっかりとした演奏でした。
 そして、スラブ行進曲はお見事でした。弦楽器は初心者がほとんどとのことですが、なかなかのアンサンブルだったと思います。オケ好きの私も十分に楽しめる素晴らしい演奏に驚きました。オケのレベルアップは間違いないようです。
 最初にこのオケを聴いたときは、新潟市ジュニアオーケストラ教室で言えば、A合奏の少し上くらいかなという印象だったのですが、聴くたびにレベルアップし、今日の演奏は、B合奏に限りなく近づいているように感じられました。当然団員は毎年入れ替わるはずですが、どのようにしてこれほどのレベルアップが図られたのか興味深く感じられました。


 休憩の後の第2部は、コーラスステージです。まずOGにより結成された合唱団「すずかけ」の演奏でしたが、美しい女声のハーモニーに、うっとりと聴き入りました。練習時間はあまりとれないものと推測しますが、コーラス部でともに切磋琢磨した皆さんであり、仲間同士で歌う喜びが伝わってくるようでした。

 そして、いよいよコーラス部の登場です。コーラス部の演奏を聴くのは、5月の新潟クラシックストリート以来になります。曲毎に編成を若干変えながら歌われました。
 最初は無伴奏でリムスキー=コルサコフの「雨雲」です。この曲はクラシックストリートでも歌われましたが、先ほどのお姉さん方の演奏以上に、美しいハーモニーを聴かせてくれました。

 続く2曲は、今年の合唱コンクールの課題曲であり、斉藤晴海さんのピアノ伴奏で歌われました。コンクール間近ということで、仕上がりは順調のようであり、さすがに新潟県代表とうならせました。ピアノ伴奏も輝くように美しく、伴奏のスペシャリスト斉藤さんの力量を再確認しました。

 次の2曲は再び無伴奏で歌われました。これがまた清らかに美しく、合唱の楽しさ、奥深さを知らしめるような、渾身の演奏だったのではないでしょうか。こんなにも胸に迫り、心洗われるとは・・・。

 最後はがらりと雰囲気を変え、チルコットのジャズ・ミサからキリエとグローリアが演奏されました。この曲は5月の新潟クラシックストリートで演奏されていましたが、以前のジョイントコンサートでも演奏されており、コーラス部としては定番曲のようですね。中央高校の数少ない男子学生の中の3人によるジャズトリオ(ピアノ、ドラム、ベース&テューバ)とともに、振りを付けながら、軽快に、スウィングするように歌われました。どうせなら全曲を聴きたかったです。
 どんな曲もこなすコーラス部の力量に感服しました。個人的にはアンコールで「Hail Holy Queen」でもやってくれたら最高でしたが・・。


 2回目の休憩の後は、管打楽器アンサンブルということで、吹奏楽の編成により、学生の指揮で2曲演奏されました。これまでの芸術性あふれる演奏とは違った、楽しいポップスステージに、ホールは盛り上がりました。

 続いては、OG、OBを加えて大編成となったオーケストラで2曲演奏されました。吹奏楽に弦が加わったという印象ではありますが、さすがに豊かな音量であり、芳醇なサウンドで楽しませてくれました。

 最後は、P席にOGを加えた合唱団が登場して、管弦楽部とコーラス部の合同演奏が行われました。曲は朝の連続テレビ小説でお馴染みの「花束を君に」です。合唱向きの曲とは思えませんでしたが、きれいにまとめてくれました。

 アンコールに校歌を演奏して終演となりましたが、オーケストラ、合唱、そして吹奏楽まで楽しめて、満足感は高かったです。合唱の質の高さは当然ですが、オケのレベルアップには目を見張るものがあります。今後のますますの発展を祈念したいと思います。

 以上のように、大満足のコンサートだったのですが、ひとつだけ気になることがありました。それはカメラマン。演奏中にステージ周りの客席を傍若無人に歩き回って、大変目障りでした。せっかくのステージを視覚的には台無しにしていました。無料で聴かせていただいている身ですので、文句を言える筋合いではないのですが、今後の運営に参考になればということで、率直な感想を述べさせていただきました。
 

(客席:2階C3-11 、無料)