昨夜は新潟駅前での宴会に出席。そのままホテルに宿泊し、午前中に雑務を済ませ、急いで西堀へと向かいました。いつもの三吉で中華大盛りを食べて市民プラザへ。ちょうど開場時間となりました。
幣さんは兵庫県出身で、東京藝大卒業後ドイツで研鑽を積まれ、現在はシュトゥットガルト放送交響楽団の団員として活躍されているほか、国内外でのリサイタル活動なども活発にされています。
実は、幣さんを聴くのは今回が2回目です。4月にルートヴィヒ・チェンバー・プレイヤーズの一員として来演され、素晴らしいアンサンブルを聴かせてくれました。
また、ピアノの大瀧さんは、昨年8月にスタジオスガマタでリサイタルをされており、そのときの感動と興奮が記憶に残っています。
世界で活躍される幣さんと、新潟が誇る俊英・大瀧さんの共演ということで、期待は高まりました。
会場は、通常ならだいしホールあたりが適当と思うのですが、今回は音楽ホールではない新潟市民プラザでした。リサイタルにしては広すぎて、音響的には不利な会場ですので、前方に席を取りました。観客は結構集まりましたが、客席が多いのでゆったり聴くことができました。
ちなみに、幣さんは4月の来演時に新潟が気に入られ、大瀧さんの計らいもあって、急遽今回のコンサートを開催することになったそうです。
ステージ右手から譜めくりの女性を従えて二人が登場。最初はシューマンのアダージョとアレグロです。最初から見事な演奏に引き込まれました。チェロでも弾くかのように、軽々とコントラバスを弾き、心に染みる音楽を奏でてくれました。ピアノは蓋を閉めたままで、音量を押さえ、大瀧さんのサポートも見事でした。
続いては当初のプログラムにはなかったコントラバスの独奏でした。フィンランドの作曲家の曲でしたが、幣さんの超絶技巧を堪能しました。
そして再び二人でコル・ニドライ。祈りの音楽が胸を打ちました。ボッテシーニでコントラバスの魅力を存分に知らしめて前半が終了しました。
後半はブラームスのチェロソナタ。チェロのための曲を軽々と弾き、大きなコントラバスであることを忘れさせました。でも、重低音はコントラバスならではの魅力です。
カーテンコールでの幣さんは息を切らしておられ、渾身の演奏であったことを物語っていたようでした。アンコールにエレジーをしっとりと演奏し、感動のステージは終演となりました。
コントラバスのリサイタルはあまり聴くことはありませんが、コントラバスの魅力を再認識させられる素晴らしい演奏でした。ふくよかな重低音から繊細な高音まで、きれいな音色にうっとりとしました。大瀧さんは控えめな演奏で、引き立て役に回っていましたが、大瀧さんあっての名演だったと思います。
外に出ましたら天候は回復し、青空が垣間見えていました。爽やかな若者たちの演奏に心洗われ、清々しい気分で帰路に着きました。
(客席:3列目正面、 \3000) |