新潟室内合奏団第68回演奏会
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2014年10月4日(土) 18:45  新潟市民芸術文化会館 コンサートホール
 
指揮:本多優之
ソプラノ:デボラ・ヨーク
 


モーツァルト:交響曲第41番 ハ長調 「ジュピター」 K.551

(休憩20分)

マーラー:交響曲第4番 ト長調
 
 
 新潟室内合奏団創立30周年の記念演奏会です。メインの演目は、何とマーラーの4番。まさかと思われた人も多いものと思います。私もそのひとりです。
 新潟のような地方都市では、マーラーの4番なんて、めったに聴けるものではありません。個人的には、今年の4月に東京で、読響の演奏で聴いていますが、新潟で聴くのは、2003年9月の第22回東響新潟定期以来かと思います。というわけで、マーラー好きの私は楽しみにしていました。

 ワクワクしながら、早めに会場入り。3階席は閉鎖されていましたが、ほどほどの入りでしょうか。2階正面前方に席を取って開演を待ちました。
 空席も結構あって、今日はゆったり聴けるかなあと安心したのですが、開演間近になって客席は埋まりだし、私の横にもご年配のグループが座られました。急いでこられたのか、息をハアハアさせていました。長年のコンサート通いで、良くない予感が胸をよぎりました。でも、空席がいっぱいあるのに、何でわざわざ私の横に座るのかなあ。などと考えるのは良くないですね。

 開演時間となり、前半はジュピターです。躍動感があり、軽快で気持ちよい演奏でした。合奏団という名が示すように、合奏する喜び伝わってくるようでした。心地良いモーツァルトの世界に引き込まれ、これがメインプログラムでも十分だったように感じました。もちろんアマオケですので、プロオケと比較すればあれこれありましょうが、素晴らしい演奏だったと思います。

 後半は、マーラーの4番です。エキストラで増強したとはいえ小編成でしたが、逆に透明感があり、解像度の高い音が生み出されました。第1楽章の鈴の音を聴いて、紛れもないマーラーの世界へと誘われました。第3楽章などは天国にいるかのような至福の美しさを感じることができました。
 第3楽章終盤の音が大きくなるところで、独唱のヨークさんが登場。指揮台に載った本多さんより背が高いのにはびっくりしました。
 第4楽章でのヨークさんの歌声は、小編成のオケに埋れる場面もあり、ちょっと声量が足りないかなと感じました。実力ある方なんだと思いますが、声の調子が良くなかったのでしょうか。ちょっと私好みとはいえませんでした。

 振り返って、前半のモーツァルトも良かったですが、後半のマーラーはそれ以上に良かったです。創立30周年を記念するにふさわしい高水準な演奏だったと思います。マーラーといえば、ステージいっぱいの大編成のオケによる濃厚な演奏をイメージしがちですが、本日のような切り詰められた編成でも何の違和感もなく、逆に小編成ならではの良さが感じられました。美しく、感動的な演奏だったと思います。どのパートも良かったですが、特に管の素晴らしさが際立っていたと思います。

 次回の演奏会は、平成27年5月13日に音楽文化会館で開催されます。演目はベートーヴェンの交響曲第2番と第3番「英雄」。指揮は高橋裕之さんです。意外性のないオーソドックスな演目ですが、これも期待できそうですね。


 ここからはいつもの愚痴ですので、読み飛ばしてください。開演前の不吉な予感は当たりました。隣のご老人は咳き込んでばかり。まあ、生理現象ですから仕方ないですね。我慢してやるしかありませんが、ちょっと残念でした。
 これは目をつぶるにしても、これ以上にいらついたのは、1階席12列目左端のおばさんです。プログラムをうちわ代わりにして、しきりに扇いでいました。私の席からは視界にどうしても入ってしまいます。目を閉じていないと気になって音楽どころではありません。先日も扇子おばさんに悩まされましたが、今日も被害にあってしまいました。困ったものです。
 その他にも、客席で平気でペットボトルの飲料を飲んでいるおばさんがいて、睨みつけてやりましたが、逆に睨み返されてしまいました。こんなこと書いているようじゃ、まだまだ修行が足りませんね。大人にならなければ・・・。

 
 

(客席:2階C3-7、\1000)