再び軽食を摂ってコンサートホールに向かいました。客席はなかなかの入りであり、私の斜め前には、オーヴェルニュ室内管弦楽団を指揮したヴェセスさんと出番を終えたヴァイオリンのドートリクールさんが並んで聴いておられました。

　香港シンフォニエッタは初めてですが、小編成の室内オーケストラです。弦５部は8-7-4-4-2という編成です。香港というので中国系ばかりかと想像していたのですが、多国籍であり、コンマスも白人でした。

　指揮のイプ・ウィンシーさんは、名前に聞き覚えがあり、容姿も記憶に残っていましたが、実は2012年1月の群馬交響楽団との公演を聴いたことがありました。颯爽とした指揮ぶりはかっこよかったです。

　オケの音色は潤いと厚みがあり、席の違いはありあすが、昨夜のオーヴェルニュ室内管弦楽団より良いサウンドに感じました。キビキビしたウィンシーさんの指揮に応えて、メリハリのある生き生きとした演奏でした。

　協奏曲ではペヌティエさんが見事な演奏を聴かせてくれました。いかにも巨匠然とした風貌ですが、軽やかなモーツァルトでした。緩徐部での繊細な響きにもうっとりしました。この曲の実演ではこれまでで一番に感じましたが、会場からもブラボーの声が上がっていました。

　アンコールも演奏してくれてサービス満点でした。早くも今年のLFJの公演の中でも最高の演奏になるんじゃないかと思わせるすばらしい演奏でした。
　　　

（客席：１階１０−１５、2000円）