東京交響楽団 第57回新潟定期演奏会
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2010年2月6日(土) 18:00  新潟市民芸術文化会館 コンサートホール
 
指揮: 飯森範親
ピアノ: 河村尚子
ソプラノ: 吉原圭子、テノール: 高橋 淳、バリトン: 高田智宏
児童合唱: 新潟市ジュニア合唱団(合唱指揮: 海野美栄)
混声合唱: にいがた東響コーラス(合唱指揮: 樋本英一)
コンサートマスター: 大谷康子
 
 
 

モーツァルト:ピアノ協奏曲第9番変ホ長調 K.271 「ジュノム」

(休憩20分)

オルフ:世俗カンタータ「カルミナ・ブラーナ」
 
 
 
 

 26年ぶりの大雪に見舞われた新潟市。大雪だけならまだしも、暴風雪が地吹雪となり、高速道路は閉鎖、一部の幹線国道も通行止め、立ち往生した車が多数あって、避難所まで開設される事態になりました。交通機関は麻痺し、コンサートどころじゃない状況ではありましたが、頑張ってコンサートに行ってきました。
 道路は除雪が追いつかず、氷点下で凍り付いた道路はガタガタです。幸い今日は休みだったので、時間がかかることを予想し、十分すぎるほどの余裕を持って早めに会場入りしました。時間があったので、東響定期の日は1割引になるコンチェルトでCDを買って時間をつぶしました。
 今日のコンサートはチケット完売でしたが、大荒れの天候で交通機関は乱れまくっていましたので、来れない人が多数あり、空席が目に付きました。私の隣も2席続けて空席でした。
 予定になかった飯森さんのプレトークがあった後、開演となりました。今日のコンマスは大谷さんです。楽器の配置は飯森さんお得意のドイツ式対向配置。ヴァイオリンが左右に分かれ、コントラバスは左手に配置されました。

 前半はモーツァルトの「ジュノム」です。弦5部にオーボエ2、ホルン2の小編成です。いつものように拍手の中に楽員が入場。大谷さんの登場で一段と拍手が大きくなりました。大谷さんの隣はいつもの田尻さんでなく、先月のガラコンサートでコンマスを務めた廣岡さんでした。
 朱鷺色のきれいなドレスの河村さんが登場。CDのジャケット写真などから勝手に想像していたイメージとは若干異なりましたが、美しい方には違いありません。演奏はちょっとねちっこく、もうちょっと軽やかな方が良かったように思いました。東響の演奏は美しく、先日のN響よりいい音を出していました。この曲はつい先日、長岡で菊池洋子さんの演奏で聴いていますが、ピアノの演奏としては菊池さんの方が軽やかで良かったように感じました。とは言え、良い演奏には違いなく、河村さんを讃えて大谷さんが盛んに拍手していたのが印象的でした。

 休憩時間にホワイエをうろついていたら、いつもの定期以上にたくさんの知人に会うことができてビックリしました。皆さんこの公演を楽しみにしていたようです。

 後半はいよいよカルミナ・ブラーナです。この曲は、1998年10月の開館記念コンサートで秋山さんの指揮で演奏された思い出深い曲であり、生で聴くのはこの時以来となります。
 楽器の配置は前半同様に対向配置ですが、中央にピアノが2台並べられ、打楽器群が右側に配置されています。ステージ後方に合唱団席が組まれ、P席中央に児童合唱が配置されました。
 独唱者は指揮者の前ですが、始めはバリトンの高田さんのみ登場して演奏が始まりました。東響コーラスの皆さんは練習の成果を見事に発揮しておられました。高田さんの声もすばらしかったです。その後テノールの高橋さんが客席から酔っぱらいを演じながら登場して見事な歌いっぷりでした。さすがにカルミナのスペシャリストと感嘆しました。出番が少ないのが誠に残念でした。その後赤いドレスの吉原さんが登場しましたが、小柄な体に似合わぬ声量であり、声も容姿も大変美しく、うっとりしました。
 演奏映えし、聴き応えある曲だけに、飯森さんのエネルギッシュな指揮ぶりもあって、裏切ることなく感動を与えてくれました。独唱陣のすばらしさは驚異的にすら感じました。3人とも甲乙付けがたい歌唱だったと思います。にいがた東響コーラスもジュニア合唱団も暗譜で歌い通したのはすばらしく思います。飯森さんも暗譜での指揮でした。

 熱のこもった飯森さんに応えて、東響の皆さんはすばらし演奏を繰り広げました。各セクションともお見事。ブラボーの声が飛び交い、ホールは大盛り上がりでした。カーテンコールの後、飯森さんの挨拶があり終演となりました。チケットを買いながらホールに来ることができなかった多数の人に申し訳ないようないいコンサートでした。常々思うのですが、人間の声ってやっぱり最高ですね。明日は同じプログラムを東京オペラシティで演奏します。きっとさらに熱のこもった演奏を披露してくれるに違いありません。
 来シーズンの新潟定期には飯森さんの出演はなく、さびしく感じます。今度飯森さんを聴けるのはいつになるのかなあ・・・。

 外に出ると氷点下の世界。道路はガチガチ・ツルツル。通常の2倍の時間をかけて、家に無事帰ることができました。

 この文章は名盤と呼ばれるヨッフムのCDを聴きながら書いていますが、やっぱり生演奏の迫力にはかないませんね。
 

(客席:2階C5-**、S席:定期会員、5500円)