フランツ・リスト室内管弦楽団
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2010年1月24日(日) 14:00  長岡リリックホール  コンサートホール
 
ヴァイオリン:南 紫音、ピアノ:菊池洋子、フルート:高木綾子、ソプラノ:中嶋彰子
 
 
 
モーツァルト:セレナード第13番 ト長調 K.525 
        「アイネ・クライネ・ナハトムジーク」 より 第1楽章

モーツァルト:ヴァイオリン協奏曲第5番 イ長調 K.219 「トルコ風」 より 第3楽章

モーツァルト:ディヴェルティメント ニ長調 K.136

モーツァルト:フルート協奏曲 第1番 ト長調 K.313 より 第1楽章

(休憩20分)

モーツァルト:ピアノ協奏曲第9番 変ホ長調 K.271 「ジュノム」 より 第1楽章

モーツァルト:カッサシオン ト長調 K.63 より 第1,2,5,6,7楽章

モーツァルト:モテット「踊れ、喜べ、汝幸いなる魂よ」 K.165

(アンコール)
J.シュトラウスII:喜歌劇「こうもり」 より 「侯爵様、あなたのようなお方は」
 
 
 フランツ・リスト室内管弦楽団は、ハンガリーの偉大な作曲家であるフランツ・リストに因んで、ブダペストのフランツ・リスト音楽院の同窓生によって1963年に結成されたオーケストラだそうです。日本公演は今回で10回目とのことですが、私は初めてです。
 実は、曲目を見るとモーツァルトばかりで、それも全曲ではなく、細切れの名曲コンサートみたいな内容で、初心者向けに思い、魅力は感じませんでした。ところが共演するソリストを見ると、きれいなお姉さん方であり、若手、元若手の実力者揃いです。ヴィジュアルに弱い私はチケットを買ってしまいました。

 最近は寒波続きで天候が落ち着かず、私の健康も落ち着きません。朝起きると頭痛に鼻水で最悪です。恒例の某温泉の朝湯に行かず、薬に栄養ドリンクを飲んで休養しました。今日は大人しく休もうかと思いましたが、昼前には頭もスッキリしてきたので、長岡遠征に出発しました。今月2回目、2週間ぶりのリリックホールです。

 客の入りは7〜8割というところでしょうか。人気公演かと思っていましたが、空席も若干目立ちました。オケの構成は、弦5部が5−4−3−3−1の16人、管が4人(Hor:2、Ob:2)で総勢20人の編成で、指揮者はいません。

 拍手の中楽員が入場し、最初は弦楽だけで「アイネ・クライネ・ナハトムジーク」です。厚みのある柔らかなサウンドがホールを満たし、軽快で心地よい演奏でした。このオケの実力がすぐに感じられました。

 次に、ピンクのドレスの南さんが登場して「トルコ風」です。南さんは初めて聴きましたが、容姿端麗、演奏もすばらしいものでした。ヴァイオリンの音色も美しく、音量豊かでした。清楚な姿にうっとりしながら聴き惚れました。姿も演奏も華を感じさせ、第3楽章だけというのが何とももったいなく感じました。

 次は再び弦楽だけでディヴェルティメントが演奏されました。軽快で心地よい演奏で、アンサンブルも見事であり、春風がそよぐような爽やかさを感じさせました。

 前半最後は高木さんが登場してフルート協奏曲が演奏されました。高木さんはこれまで聴く機会があり、その実力は承知していましたが、期待に違わぬ名演を聴かせてくれました。青地に黒い模様のドレスで堂々とした演奏でした。

 休憩後の後半の最初は、菊池さんの登場です。ピアノは蓋が外されて中央に置かれ、ちょうど指揮振りをするときの配置です。真っ赤なドレスの菊池さんが登場して「ジュノム」です。客席に背を向けるような格好になりますが、ウエストまで伸びた黒髪がきれいでした。演奏が短かったので実力を推し量るに至りませんでした。ピアノの響きは若干クリアでなかったですが、軽快な演奏でした。菊池さんは赤いドレスがよく似合い、容姿端麗、妖艶さも感じさせました。

 次は「カッサシオン」。聴いたことがなかった曲なので昨年買ったモーツァルト全集で予習して臨みましたが、きれいな演奏だったと思います。

 最後は中嶋さんの登場です。ボリューム感のある白いドレスで存在感たっぷりです。声もすばらしく、ホールいっぱいに響き渡ります。最後の「アレルヤ」で会場を盛り上げました。貫禄を感じさせ、コンサートの最後を飾るにふさわしく感じました。
 アンコールに「こうもり」のアリアを歌い、これがまたすばらしいものだったのですが、どうせならアンコールもモーツァルトに統一すれば良かったようにも感じました。最後に団員が全員お辞儀して終演となりました。

 ホールの響きと良く溶け合ったオケの演奏のすばらしさは特筆すべきですが、ソリスト4人の競演というのも贅沢でした。ガラコンサートと言うべき内容で、大満足でした。演奏もさることながら、ヴィジュアル的にも一級のお姉様方に、中年オヤジは悩殺されてしまいました。いずれも甲乙付けがたいですが、個人的には南さんの清楚な美しさが一番良かったかな。
 
 細切れの演奏で、音楽をじっくり聴くという点では問題でしたが、日本の各分野を代表する期待のソリスト4人を同時に聴けたということはお得でした。すばらしいオケの演奏も期待以上であり、十分満足のできるものでした。風邪薬を飲んでボーットした頭を爽やかにさせてくれました。本当によいコンサートであり、長岡まで遠征した甲斐がありました。


(客席:10−11、5000円)