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(2011年1月)


2004年 / 中国映画 / 陸川監督

ストーリーに何か格別の秘密があるわけではないから、ウィキペディアなどで予め映画の内容を把握しておいた方が観賞するにはよいかも知れない。

それによって興趣がそがれるという柔な映画ではなく、可可西里(ココシリ)の迫力ある自然の風景が、これでもかというぐらいに目の前に突きつけられ圧倒されてしまう。

これが本当に真実に基づいた映画なのかと疑わせるほどの内容で、これにも驚かされてしまう。

多少の脚色があるのではないかと思うことで、やっと精神的なバランスがとれるような強烈な映画であった。

こうした映画製作が可能な環境が中国にあるとしたら、半径5メートル以内のことをチマチマと撮影している日本の映画はどうなってしまうのだろうかと、余計なことまで心配してしまった。

原題:可可西里


1997年 / ドイツ映画 / トーマス・ヤーン監督 / ティル・シュヴァイガー

カタカナの邦題を見ただけでは、何のことかサッパリわからないが、英題は『Knockin' On Heaven's Door』。これはボブディランの楽曲名そのものらしく、テーマ音楽もこれになっていて、実にいい感じで使われていた。

ドイツの映画だから、もう意味が取れずに不明で、しかも最初の出だしが後々の展開の伏線になっているから、観ていてかなり混乱してしまう。しかし、ここを乗り切ってしまえば、案外スムースに最後まで観ることができる。

ガンで余命いくばくもない2人の青年が、一度は海を見てみたいとの至極単純な動機から事件は始まるが、後はてんやわんやの大騒ぎで、喜劇調のノリであるし、車で逃げ回るシーンはまさに『ボニーとクライド』を彷彿とさせる。

しかしテーマがテーマだけに、どこか笑えない気分があって、おそらく監督としてはそこも計算に入れてのことだろうと思うが、最後のちょっと泣かせるシーンまで一気になだれ込む手法はなかなかのものだと思った。

今敏監督の遺書的ブログを読んだ直後のことなので、いろんな感慨が生まれたが、アクション・シーンも派手で、日本映画のような子供じみたところはない。

ドイツ車がふんだんに使われている点も魅力かも知れない。これをリメイクした日本の映画が『ヘブンズ・ドア』であるが、こちらは言うべき言葉もないほど、ひどい出来だった。


2005年 / 三木聡監督 / 上野樹里, 蒼井優

後付けの話になるから気が引けるのたが、主演の女優が素晴らしくよい演技をしているので感心してしまった映画で、これが上野樹里だった。

今よりずっと若い頃の作品なので、旦那が単身赴任をしている妻の役柄というのは年齢的には難しかったと思うのだが、何とかこなしていて、実にいい感じになっている。

ストーリーは喜劇調ではあるのだが、一つ一つのシーンがよく練られていて嫌みなところがないし、またこれらが最終的には一本の線にまとまって行くわけで、このあたりの仕上げ方には監督の力量を感じる。

少しずつクセのある役者が、それなりの演技をするわけなので、どうかするとシツコクなっても仕方がないと思うが、そこを上野樹里の透明感のある爽やかな演技がよく中和していて、なかなかの存在感を見せている。

最後の方で伊武雅刀が出てきて、この雰囲気をぶち壊しにしているのは残念だが、さすがにこの当時の上野では太刀打ちできなかったのかもしれない。

ひとつ強く印象に残っている場面は、ラーメン店を経営する松重豊が「旨いラーメンを作るのは簡単だが、そうすると目立ってスパイの任務に差し支えるからそうしない。普通のラーメンを普通に作り続けること程難しいことはない」との禅問答のような話をするところで、これにはちょっと唸ってしまった。

結論的には上野だけを観ていればよい映画だと思うが、彼女は『チルソクの夏』にも出演しているのだなと、いま頃だが気が付いた。


1960年 / 小津安二郎監督 / 原節子, 司葉子, 岡田茉莉子

『秋刀魚の味』を繰り返し観ているからそのためかもしれないが、『秋日和』は観るのが始めてだとかり思っていて、実際に途中まではそういう感じだった。

しかし、岡田茉莉子の家が鮨屋という場面で記憶が呼び覚まされた。どうしてこの場面が強く印象に残っていたのかハッキリしないが、おそらく、ここで年配者のダラダラした台詞から岡田のチャキチャキの話しぶりに切り替わるためなのだろう思う。

代表作は別にあるのだろうけれども、この映画での演技も特筆されてよいと思うし、実にいい感じで、こういうのを本当の準主役というのだろうと思う。

『秋刀魚の味』を観て『秋日和』を観るという逆の順序になっているからちょっと混乱してしまったが、前作のテーマを引き継ぐという手法は、山田洋次監督の『遙かなる山の呼び声』と『幸福の黄色いハンカチ』に通ずるところがあり、なるほどこういう所が松竹映画の真骨頂なのだと改めて思った。


2010年 / 中村義洋監督 / 堺雅人, 竹内結子

テーマは荒唐無稽の極地なのだが、昨今の状況を見るとそうとも言えない部分があり、そういう事も手伝って、冒頭から一気に引き込まれてしまった。

途中で多少の中だるみはあるものの、2時間あまりの長時間をまったく飽きさせることなく楽しませるのは、なかなかの手腕の監督だと思った。

こうした青春群像に近い映画になると、出演者の多さから内容はどうしても散漫にならざるを得ないのだが、それが一切ないばかりか、それぞれの持ち味がしっかりと出ていて、これは出色の出来映えだと思う。

「劇団ひとり」が準主役として重要な役割を果たしているのだが、非常によい演技で、これにもちょっと驚いてしまった。

扱っているテーマ自体は悲惨極まりがないし、殺人場面も多くあってよろしくないのだが、ファンタジー感を醸成するシーンが随所に嫌みなく挿入されているから、娯楽として十分に楽しむことができる。

竹内結子は相変わらず可愛いし、おすすめの映画だと思う。

冒頭のちょっと間の抜けた入り方の意味が最後に解るというのは、『今、会いにゆきます』に通ずるところがある。これはどちらかと言えば手法としては成功しているとは言い難いが、この「ゆるさ」加減も計算されたもののように感じてしまうようなところさえある。

これぐらいの人数の出演者になると、気に食わない演技をする役者が一人はいるものだが、全くいなかったので、これは配役の妙としか言いようがない。

たまにこういう映画に出会うから、ついつい映画を見てしまうことになるが、ちょっと腑に落ちない部分もあったので2回も見てしまい、このあたりも計算づくのことなのだろうかと思う。


1958年 / 黒澤明監督 / 三船敏郎, 千秋実, 藤原釜足

この映画は何回観たかわからないほど観ているわけだが、それでも飽きないし、何時も面白いから不思議だ。

ストーリーに特別な仕掛けや展開があるわけではないし、至極単純明快な誰にでも理解できる話なのにどうしてだろうと思う。

太郎冠者や次郎冠者を模しているとか、そういう専門的な見方もあるのだろうが、古い映画にもかかわらず手に汗を握る気分で何時も一気に観てしまう。

活劇娯楽巨篇とは正にそのとおりで、お金をずいぶん掛けていることはすぐにわかるし、出演者も錚々たるメンバーだから、そういうことになるのかも知れない。

しかし、こうして名作としてずっと後世に残っていくのだと思うと、これは関係者全員を讃えるしかないのだと思う。

英題:The Hidden Fortress


Dossier K.

2009年 / ベルギー映画 / ヤン・ヴァーハイエン監督

ドイツ語とフランス語が飛び交っているように聞こえたから、何なんだろうと思っていたらベルギー映画だった。

ストーリーはわかりやすく、麻薬マフィア同士の抗争に、これも定番のように警察幹部の不正が絡むという構図になっている。(実際にあった事件らしいが、小説を映画化しているから、そのものということではないのだと思う。)

そんなにお金はかけていないと思われるが、それなりに迫力のあるシーンが続くので、そこそこ楽しむことができる。日本のようにツルッとした幼児顔の俳優が刑事役を演じるような無様なことはしていないので、リアリティもある。

ベルギーでも映画が制作されているのだと思うと不思議な感じがしたが、当たり前のことなわけで、如何に狭い世界しか知らなかったと思うと、その点では少なからぬショックを受けた。

これからは彼方此方の国の映画を観るようにしないといけないなと切に思った次第。邦題は『HITMAN X.復讐の掟』


2004年 / アメリカ映画 / ニック・カサヴェテス監督 / レイチェル・マクアダムス

アメリカ映画の底力を見るような映画で、こういう映画を製作する能力があるから、他のチャラチャラしたアメリカ映画が存立し得ると気付かせてくれる点でもすごい。

現代版の『ロミオとジュリエット』であると紹介したら、この映画はハッピーエンドだから相当に外すことになるが、優れて切ないロマンスと言うことではあたっていると思う。

主演の女優が素晴らしくよくて、活気に満ち溢れていた頃のアメリカを象徴するような圧倒的な演技力でこれは本当に素晴らしい。

最初は気を持たせるような展開をするが、ストーリー自体は単純で、すぐに結末は予想できるようになっているから落ち着いて観ることができる。

出会いのシーンが喩えようもなく美しく、この道路上でのダンスのシーンで気持ちがしっかりわしづかみにされてしまって、もう後は監督の思い通りのままという感じになってしまう。

家族映画として観るには不適切であるが、最高かつ良質の映画であることには間違いない。

原題:The Notebook


2010年 / 中西健二監督 / 北川景子, 宮尾俊太郎

『きみに読む物語(The Notebook)』の後で観たから余計にその印象が強くなっていると思うが、タイトルに合わせると、まさにこれこそ縦書きの映画と言うべきで、ひょっとしたら、藤沢周平原作の映画では、ある意味においては最高傑作なのかも知れない。

北川景子の柳腰でもって剣術の遣い手というには無理があるのだが、そうした数々の突っ込みどころをすべて払拭してしまう品のよさが全編に漂っていて、これは本当によくできている。

出演陣が豪華というわけでもなく、またセットが素晴らしいというわけでもないのだが、実に丁寧に撮影している様子がうかがえて気持ちがよい。

北川景子にとっては初めての時代劇らしいが、そのとおりに各所にぎこちなさが認められて危うい感じがするが、それがまた逆に真剣さを醸し出していて、欠点になるどころか見所になっている。

対する宮尾俊太郎も、大丈夫かいなと終始ハラハラさせるのだが、何となくまとまっていて、もしこれが意図したことであるとしたら、相当な演技力のある俳優で、将来が楽しみになってくる。

持論としては、歌舞伎役者が出演すると歌舞伎の口調や仕草が出てしまってぶち壊しになるから絶対に止めて欲しいのだが、この唯一最大の欠点も他の出演人がカバーしていて、あまり気にならない。

淡々としていて手に汗を握るような場面はないが、日本映画のよさが前面にでた映画だと思う。

暗喩的には、いずれも右腕に痛手を受けるわけだが、最後の決着を婚姻の祝いとして贈られた短刀でつけるわけで、このあたりにも深い味わいがあって端然とする。

もう4回は観ていると思う。


2009年 / 片渕須直監督 / 福田麻由子

自分でも理由はよくわからないから仕方がないのだが、アニメ自体を好まないから観ることはあまりない。

これは山口弁を使っているとの一点で興味が湧き観ることにした。

あにはからんや、今までの固定観念をひっくり返されたような気分で、このような良質のアニメもあるのだと衝撃を受けてしまった。

昭和30年代の防府市が舞台であるし、加えて方言を使っているから全国区にはなり得ないのかとも思ったが、そのようなことはなく、ひょっとすると最高傑作のアニメかも知れない。

深刻なテーマがあるわけでもないのだが、心にしみいるような話の連続だし、当時を生きて来た人には懐かしい心象風景を見ることになるのだろうと思う。

山口県人を自認する人は必見だと思うし、普段に使っているものとは違っているとは思うが、こうして方言を芸術的な域にまで高めた監督の力量は素晴らしいと思う。

千年前の少女と現代の主人公をオーバーラップさせながら物語は展開するのであるが、普通であれば五月蠅く感じるこうした手法が実に巧みに扱われていて楽しい。

さわやかな空気感というのか、そういう感じが画面から伝わってきて、言いようもなく感動してしまうようなところがある。

拡がる緑の麦畑の中にたたずむ家屋を舟に見立てるアイデアには驚くばりだが、これはどういう感性から生まれてくるものなのだろうかと、しばし感心してしまった。

家族で観るべき絶好の映画だと思うが、しかし、こういう映画が興行的には苦戦したというのだから、日本人としては情けない。


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