いままでは自分の趣味に合った映画だけしか観なかったが、分別なくいろいろな映画を観て、ダメな映画の条件というものがなんとなく判ってきた。
(1)複数人のアイドルが出演している映画
演技の訓練ができていない出演者が複数いると、映画全体がしまりのないものになってしまう傾向にある。
一人だけであれば監督の目も行き届いて綿密な演技指導も可能だと思うが、複数になるとそのあたりがいい加減になるのか、演技の粗さが目立ってしまう。
これはお笑いタレントにも言えることで、彼らは本能的に笑いをとろうとするため、それが演技の端々に現れてしまう。これをキッチリ抑えながら、しかもその人の魅力を引き出すには、相当の努力が必要になるわけで、アイドルもタレントもということになると、なかなか難しいのだと思う。
海老蔵に代表される歌舞伎役者は無論のこと論外。
(2)ナレーションのある映画
ラジオ番組でもないのに、やたらにナレーションのある映画はいただけない。
映像表現に挑戦しているはずなのに、このあたりの努力を怠って手抜きをしているわけで、こういう映画は本質的にダメだと思って間違いない。
(3)やたらに映像表現に凝っている映画
ストーリーに関係なくCGを多用したり、映像に凝っていたりする映画は、だいたいにおいて駄作が多い感じがする。
こういった類の映画は観るだけで疲れてしまい、内容を追いかけることができない。逆に勘ぐれば、「忍者物」のように、誤魔化すために映像のほうに気を惹きつけようとしている可能性はある。
(4)やたらに人が死ぬ映画
もともとホラー映画や人が死ぬ映画を観るのは好きではないが、テレビの安直なドラマではないのだから、やたらに人を殺してしまう映画はいけない。
人殺しという「衝撃」で場面を持たせて、これで力量のなさをカバーしようとしているのかもしれない。
『疾走』のように、ものすごくよいテーマを取り上げているにもかかわらず、それを表現するために何故に5人も6人も死なせる必要があるのかサッパリ理解できない。
『あずみ』のように百人斬りというのはともかく、映画の中で何人が死ぬのかをパンフレットなどに明記してくれると、ひとつの判断基準になるような気がしている。
|