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カネモリが推奨する映画

カネモリが推奨する映画(03)


2008年 / 西谷弘監督 / 柴咲コウ, 松雪泰子, 堤真一

ミステリー映画とか、推理映画とかに共通の弱点と言えるものなのだが、最終的にはナゾ解きをしなければ完結しないし、あたりまえだが犯人も登場人物の中からしか出て来ないわけで、なぁーんだという感じで観終わってしまうことになる。

この映画もそうだったのだが、シナリオがよく練られているためか、あるいは原作が優れているためか、最後まで映画のテーマの根幹部分が明らかにされないから、引き込まれた状態がずっと続いて飽きさせない。

種明かしをしてしまえば、ちょっとメロドラマ風のようなことなのだが、それが最後の10分ぐらいのことなので興味をそがれることはない。

福山雅治の棒を飲んだような演技や台詞については、そういうものだと思って諦めるしかないが、堤真一と松雪泰子が素晴らしくよかったので、逆に福山の存在をほぼ消し去ってしまってあまり気にはならなかった。

松雪泰子は美形であるがゆえに、女優としてはある意味においては「損」をしている面があるのだが、そうした点を微塵も感じさせせることがなかった。

彼女の持つ端正さによって、悲惨や凄惨といった気分が緩和され、気分的に楽に観賞することができたと言ってもよい。これがいわゆる演技派の女優であったら、ちょっと娯楽にはなりにくかったかもしれない。

ダンカンの滑舌の悪さは、この映画でもどうしょうもなく、彼を配した監督の意図するところが不明だが、これを除けば、本来は主役級の柴咲コウと北村一輝がしっかり脇を固めていて、多少のキズは覆い隠している。

普通はベテラン陣を起用してその役割を担わせるのだが、これを若手がしっかりこなしている点には、ちょっと驚いてしまった。

ベテランが彼方此方に登場すると、それはそれで重厚感は出てくるのだが、モタモタ感を醸し出すという負の側面もあるわけで、スピード感が求められる映画では、こういう配役もあり得るのかと思った。(柴咲コウは、こういう役回りが合っているのかも知れない。)

あまりお金をかけてないことはすぐに分かるが、シナリオと俳優の二大要素さえしっかりしていれば、ある程度の質を持った映画になるという好例のような気がする。

松雪泰子と堤真一のツーショット画像を探したが、これは見つからないのが当然で、これが重要な要素になっていることに改めて気付かされた。


2009年 / 細田守監督

あるブログに曰く

数学オリンピックの日本代表の選に漏れた男子高校生が主人公。数学好きだから当然にパソコンオタクの彼があこがれの先輩に連れられて上田市にある実家に行くというのが話の始まり。

彼女の実家は戦国武将の流れを汲む一族という設定だが、これは真田氏がモデルになるらしいが、この末裔と一緒に世界を救う三日間の戦争に立ち上がる。

というような解説があったので面白そうだと思い、観ようとしたらアニメだった。

てっきり実写フィルムだと勘違いした自分が悪いのだが、仕方なく観始めたものの、ネットを人工知能が乗っ取るというような荒唐無稽な話で、真剣に考える必要のない部類の映画だから、まぁまぁ気楽に楽しめたと言ってよい。

けれども、電源を落としてしまえばお終いぢゃないかという気分がどこかにずっとあるから、画面に引き込まれるということはなく。アニメの造りも少々粗いような感じはした。

無難なアニメ映画という感じはする。


2009年 / 緒方明監督 / 小西真奈美

ハートフルコメディの部類に属する映画なのだと思うが、実際のところそういう内容で、その意味では期待を裏切ってはいなかった。

小西真奈美のファンではないけれども、主演でなければ観なかった映画だから、どうなることかとちょっと心配したが、なかなかの演技で、これも満足した。

もう30代バツイチのしかも母親役が来るようになったかと思うと感慨深いものがあるが、ヨタヨタとはしながらも、最後までしっかり演じきったのには驚いた。

これからどういう風に女優として成長してくれるか楽しみなのだが、天狗にならずに精進して欲しいと思う。

共演者も変にでしゃばり過ぎずよかったのだが、しかし亭主役がなんとも下品で、これは映画自体の柔らかな雰囲気をぶち壊してしまっていて、監督がどうしてこのような演出にしたのか理解に苦しむところではある。

役柄とはいえ、真奈美ちゃんの亭主がこんなのでは困るということでファンはもっと怒ってもよいと思う。


1999年 / 森田芳光監督 / 鈴木京香, 堤真一

『<39>刑法第三十九条』予告編

タイトルからして殺人事件を暗示しているから、気が進まなかったのだが、森田芳光監督だからそれなりの映画になっているのではないかと期待し、ほぼそのとおりだった。

しかし、陰々滅々としたストーリーがずっと続くし、それを象徴するように画面の調子も暗いから、精神的に落ち込んでいたり、不安定な状態にあったりする人は観ないほうがよいことは確かだと思う。

学術的なことではなく、最終的には娯楽でしかも有料で提供するわけだから、サスペンス的な要素も盛り込みつつ、観客を飽きさせない工夫があって、そういう意味でもよくできた映画なのだと思う。

場面としては法廷を中心とした裁判所関係が中心になるわけで、面白くも可笑しくもない光景の連続になる。こう言った場合には出演者の力量で引きつけるしかないわけて、そういった点ではかなり成功していて、やはりこれだけの俳優陣をそろえなければ成り立たない映画なのだということがよく分かった。

1999年の作品なので、約10年前になるわけだが、それぞれが年齢相応の役回りを与えられていて、これはなかなかの配役だと感心した。


2009年 / 森岡利行監督 / 深津絵里

映画を観たあとでの後付けの感想なので説得力には欠けてしまうが、西原理恵子の漫画には、笑いのなかにもどこか哀愁というか、悲しみのような雰囲気が常に存在しているのだが、その理由がなんとなく分かったような気がした。

高知の片田舎に育った主人公の少女時代を描いた映画だけれども、近代とは無縁の土地柄だけに、悲惨を絵にしたような話ばかりで、どう頑張っても希望などどこにも見つかるはずはなく、多分そういった重さを軽減する意味合いで、主演に似ても似つかぬ深津絵里を選んだのだろうと思った。そうでもしないと、娯楽としてはちょっと耐えきれないところがある。

原作は漫画だというから、自分の半生を映画にまでしようとした気持ちがどうなのかは分からないが、何らかの方法で徹底して決着を付けておこうと思ったのかもしれない。この映画一発で吹っ切れることなどないはずだから、どういう具合になるだろうかと少し心配になるところはある。

西原のファンは見た方がよいかも知れないとは思うが、言い切るほどの自信はない。


2007年 / 三枝健起監督 / 宮沢りえ

5年ぐらい前、宮沢りえが主演する映画を観ようとしたとき、共演の男性俳優がどうにも気に入らなくて、どうしようかと知人に話したら、宮沢りえだけを観ていればいいのではないですかとのアドバイスを受け、なるほどと納得して、それからはそういうスタンスで望むようにしている。

あまりひどい内容の映画ではなかったが、これも宮沢りえを中心に観賞する映画だと思うが、せっかく樋口可南子が出演していているのだから、もう少し彼女の魅力を引き出すような工夫があってもよかったのではないかと思った。

閉館する映画館を舞台に話が進むのだが、過去と現在を交錯させる手法で感動を与えようとしているのだけれども、もともと架空の話ではあるし、こちらも思い入れを持って観ているわけではないので、そういえば昔の映画館はあんな感じだったかなという程度のことだから、話の設定だけで泣いてもらうに無理があるような気がした。

昭和30年代であれば、『ALWAYS 三丁目の夕日』ぐらいの仕掛けを造らなければ、映画のスケール感としては満足するに至らないのだと思う。

宮沢りえの旦那役が宇崎竜童でなければならない理由が思い浮かばないし、加瀬亮と原田芳雄が同一人物を演じるのも雰囲気的に合わないし、田口トモロヲと樋口可南子が夫婦役というのも釣り合わない。そういったあたりを気にしないで見逃せば、いい映画であるような気がする。

象徴的に『無法松の一生』を映写するシーンがあるわけだけれども、こういう暗喩はもう少し控えめにやらないと知性を疑われることになりかねない。

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2008年 / ジャン=ポール・サロメ監督 / ソフィー・マルソー

第二次世界大戦の時、フランスで結成された女性特殊部隊の活躍を描いた作品。

構成するのは5人だけだから部隊というよりも工作員とした方がよいのかも知れないが、スペクタクル映画ではなく、内容としては少し残酷な部分もある。

フランス語なのでストーリーの詳細は不明だが、設定自体は単純なので、おおまかな流れは把握できる。

史実に忠実であるのかどうかは判断のしようがないが、場面の迫力はかなりのもので、こういったフランス映画もあるのかと再認識させられた。

アメリカ以外の外国映画もたまには見ておくべきであると、素直に思わせる映画だった。少し凄惨な場面があるので注意。

原題:Les femmes de l'ombre 英題:Female Agents


2000年 / ジョナサン・モストウ監督

全米で大ヒットした映画との触れ込みだが、当否は別として、『真夏のオリオン』に比べると、スケール感に圧倒的な違いがあり、日本の映画が子供だましの様に思えてくる。

例えば、日本の場合は費用のかからない潜水艦内部の場面から物語は唐突に始まるが、『U-571』の場合は出航準備の段階から撮影しているため、そのリアル感は並大抵のものではない。

本来なら事前に内容を知らない方がよいのであるが、場面が突然に何回か転換するので、この映画に限って言えば、迷うことなく追いかけるためには、知っておいた方がよい気がした。

ストーリーの展開自体は、よくある米国の戦争ものと同じで、最後には米国が勝利することがわかっているから、これは問題ないと思う。

心理劇ではなく戦争映画なので、遠目からザックリと観る感じであれば、楽しめるのではないかと思う。


2009年 / 沖田修一監督 / 堺雅人

『南極料理人』予告編

全体的には野郎ばかりが出演する映画であるし、舞台設定が南極の観測基地というほぼ閉じた空間なので、最後まで間が持つのかと心配したが、案外にすんなりと最後まで観てしまい、良い意味で予想が裏切られた。

代理の調理担当として南極に急遽派遣されることになる主人公だが、その間のちょっとした上司とのやり取りなど、多少は映画的に演出しているとは思うものの、基本的な点はついている思えるところがあって、そうだよなぁ、と共感する場面が多く飽きさせない。

ぎっしり詰め込まれているエピソードはおそらく本当のことだろうと思うし、そういう意味でのリアル感が随所に見られ、あっという間に観終わった感じがする。

こういった映画に見られる無理筋の個性偏重主義的な演出もなく、抑えた演技がそこはかとなく品の良さも醸し出していて、嫌みなところがない。

南極のシーンは、本当に現地で撮影したのかと思わせる出来映えのよさだし、こういう映像技術の活用もあるのかと気付かされた。

原作の著者は、主演の堺雅人と外見はまったく違うそうだが、原作にとらわれることなく、自分に合わせた役柄で演じきっているのは素晴らしい。

家族で楽しめる数少ない作品だと思う。


2008年 / 郭在容監督 / 綾瀬はるか, 小出恵介

SF映画であると銘打った段階で現実からは解放され、フリーハンドを得たような気分に監督がなってしまっているのか、例えばこの映画では、何回かタイムトラベルが重層的に繰り返されていたり、唐突に東京に大地震が発生したり、ストーリーを真剣に追いかけていると頭が混乱してしまう。

そういう意味では、小出恵介(北村ジロー役)と綾瀬はるか(「彼女」役)の演技が比較的優れているので、小出のファンは小出を注目し、綾瀬のファンは綾瀬を注目していることで楽しめると思う。

タイトルが「サイボーグ」であるにも関わらず、冒頭に妙に艶めかしい姿態の綾瀬はるかが登場して不思議に感じるのだが、別に秘匿するようなことではないが、このナゾは最後にコロッと解けるので、ここでは紹介しないことにする。

綾瀬はるかは特にそうであるが、両者ともかなり難しい役を素直に演じ切っていて、これは予想外のことではあった。いまひとつパッとしないなと思っていた綾瀬だが、これはひょっとすると大化けするかもしれない。

ハイライトはジローの故郷を訪ねるシーンだと思うが、わずか10分ほどではあるが、情感に溢れた素晴らしい出来映えであり、しかも挿入歌の「山奥少年の恋物語」がいっそうの興趣をかきたてていて、このシーンを観るだけでも十分に価値があると思う。


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