第13回新潟クラシックストリート
  ←前  次→
2023年5月5日(金) 11:00  新潟市内各所
 
11:00 音楽文化会館ホール
 新潟県立新潟中央高等学校コーラス部

13:00 音楽文化会館ホール
 敬和学園高等学校混声合唱部

14:00 音楽文化会館練習室11
 庭野リコーダー with フレンズ

14:30 音楽文化会館ホール
 アンサンブルフィーデル

15:00 りゅーとぴあ スタジオAホワイエ
 小助川謙二

16:00 音楽文化会館練習室10
 中央男子

16:30 りゅーとぴあ スタジオAホワイエ
 タンブル・ヴァツソ

17:30 りゅーとぴあ スタジオA
 Trio Beer
 

 長い歴史を持つ新潟ジャズストリートのノウハウを元に、2010年に始まったラ・フォル・ジュルネ新潟の関連イベントして2011年に第1回が開催された新潟クラシックストリートは、今年で13回目を迎えました。なお、2020年の第10回、2021年の第11回はコロナ禍で中止になり、欠番となっています。
 運営のご苦労は計り知れないものがありますが、本家の新潟ジャズストリートと同様に、新潟市の活性化に繋がるイベントとして歴史を重ねてきました。
 収支的には厳しいということは想像に難くなく、今年からは運営母体の新潟ジャズストリート実行委員会の体制が変わり、新たなスタートが切られたという話を伝え聞きました。
 そのためか、パンフレットのデザインが一新され、1日のフリーパス券は、500円のドリンク券付ながら2000円に値上げされました。昨年までは1000円でしたので、正直言って値上げに驚きましたが、会場を提供してくれる飲食店に、ドリンク券で最低限の飲食代を落とすという意味で、意義あるシステムだと思います。

 今年は、新潟市内の21会場で、11時から19時30分まで、全部で105公演が開催されます。当然同じ時間帯にいくつもの公演が重なりますから、どの公演を選び、どういう順に会場を回るかを考えるところからクラシックストリートの始まりです。今年のパンフレットは大変見やすく、予定を思案しやすくなって助かります。

 ということで、昨年に引き続いて、今年も参加させていただくことにしました。とはいえ、どの公演を選ぶべきか頭を悩まし続け、いくつかの候補を選んでおいて、そのときの状況で最終決定することにしました。

 好天が続いていた連休も明日から雨の予報が出ていますが、今日は天候も良く、歩いて回るには最適の、絶好のクラシックストリート日和になりました。
 長時間の参戦になりますので、駐車料金に上限がある某所に車をとめて、どこからスタートするか思案しました。蔵織での犬飼彩乃さんを聴きたかったですが、会場が狭く混雑しているようでしたので、毎年聴いている音楽文化会館での新潟中央高等学校コーラス部を選びました。
 開演時間となり、主催者代表として新潟ジャズストリート実行委員会理事長の高坂元己さんからの挨拶があり、今年のクラシックストリートが開幕しました。オープニングセレモニーに参加できて、スタートをこの会場にして良かったです。
 手拍子とともにコーラス部員が登場していよいよ開演です。コンクールの課題曲2曲では、清廉な女声合唱に心が洗われました。そのほかの曲では、振りを付けての歌唱などで楽しませてくれました。

 音楽文化会館からりゅーとぴあに行きますと、スタジオAホワイエでは、Trio Cecillia の演奏が行われており、美しき女性によるチェロ三重奏を途中から聴かせていただきました。
 その後は、12時からの公演もありましたが、パスさせていただき、昼食がてらに古町を歩きました。いつも静かな古町通りにも人出があって、賑わっていて良かったです。古町6のストリート会場も準備が進められていました。
 久しぶりの古町通りを回り、上古町の楼蘭で今シーズン初の冷やし中華をいただき、その変わらぬ味に感激しました。食べながら幸せを感じることができる貴重な逸品です。

 13時からは、トリオ・エレピクス、キャトルフルート、古楽アンサンブル・ルクレツィアと、最後までどこに行くか決めかねていましたが、音楽文化会館に戻り、敬和学園高等学校混声合唱部を選びました。
 混声合唱に始まり、男声合唱、女声合唱、再び混声合唱と、軽妙な曲目紹介により、楽しくも密度の濃い演奏を披露してくれました。声量豊かな濃厚なハーモニーが素晴らしかったです。

 1階に降り、続いては練習室11での庭野リコーダー with フレンズです。リコーダーの庭野宏樹さん、ヴァイオリンの井口歩さん、チェロの瀬高伸一郎さん、ピアノの佐藤世子さんからなるユニットで、庭野さんはカホンも演奏して、バロック音楽のほか、現代の音楽も演奏して楽しませてくれました。

 音楽文化会館1階から大急ぎでエレベーターで3階に上がり、今度はアンサンブルフィーデルです。知人が出演されることもあって毎回聴かせていただいていますが、今回はコンマス/独奏に増永花恵さん、指揮に増永雄記さんという強力な布陣での演奏で、美しい弦楽アンサンブルを楽しませていただきました。途中で地震が発生して中断がありましたが、特に混乱はありませんでした。

 音楽文化会館から急いでりゅーとぴあへと移動し、今度はスタジオAホワイエで開催されたエレクトーンの小助川謙二さんの公演です。小型のエレクトーンではありましたが、創り出される音響はオーケストラを聴くかのようであり、多彩なサウンドを楽しみました。

 りゅーとぴあから音楽文化会館へ戻り、今度は練習室10での中央男子です。新潟中央高校出身のピアノの品田真彦さんとチェロの山田慧さんのユニットです。チェロ独奏、ピアノ独奏の後に、2人でシューマンの幻想小品集が演奏され、アンコールのバッハのアリオーソを含め、2人の音楽性の豊かさと聴く者の心に何の抵抗もなく染み込んでくる優しさに感嘆しました。

 音楽文化会館からりゅーとぴあへと移動し、スタジオAホワイエでのタンブルヴァツソです。地震の影響で開演は30分ほどの遅れでした。
 ユーフォニウム2、チューバ2という4人編成で、ジャズやミュージカルナンバーにバッハと多彩な演目で楽しませていただきました。ガラス壁のホワイエの狭い空間であり、音量豊かな重低音の金管4本の迫力はすさまじく、音楽というより、その音量に圧倒されました。

 そのままスタジオAに移動し、続いてはTrio Beerです。クラリネットの石尾きららさん、チェロの山田 慧さん、ピアノの栄長敬子さんの3人のユニットで、三重奏のほかに個人での演奏も聴かせてくれました。新進気鋭の若き2人の音楽家を栄長さんが支え、生き生きとした音楽が創り出されました。

 終演後ホワイエに出ますと、アンサンブル・ヘヴィトーレの皆さんがスタンバイしておられました。これも聴ければ良かったのですが、地震で進行が遅れて時間も押しており、これで私の予定は終了です。

 結局、私は8公演聴かせていただくことができました。天候にも恵まれ、参加者も多かったようです。私は結果として、音楽文化会館とりゅーとぴあのみでしたが、各会場とも大盛況だったようで、満員札止めの公演も多かったようです。衰退が危惧されている古町界隈の活性化にも繋がったものと思います。
 新潟ジャズストリートとともに、新潟クラシックストリートもなくてはならないイベントとして歴史を重ねています。新潟の音楽家の素晴らしさを再認識し、今後のさらなる発展を祈念したいと思います。そして、運営に携わっておられる実行委員会の皆さんに感謝したいと思います。
 


(客席: 1日フリーパス券:¥2000)