宮田 大 & 大萩康司 デュオ・コンサート | |
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2021年7月21日(水)19:00 新潟市民芸術文化会館 コンサートホール | |
チェロ:宮田 大 ギター:大萩康司 |
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サティ:ジュ・トゥ・ヴ ラヴェル:亡き王女のためのパヴァーヌ ニャタリ:チェロとギターのためのソナタ ピアソラ:タンゴの歴史〜カフェ1930 (休憩20分) ピアソラ:タンティ・アンニ・プリマ ピアソラ:ブエノスアイレスの冬 ピアソラ:ブエノスアイレスの夏 (アンコール) ピアソラ:オブリビオン ミヨー:コルコバド ルグラン:ロシュフォールの恋人たち より キャラバンの到着 |
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りゅーとぴあの会員増を図るために、以前にも会員優待コンサートが開催されたことがありましたが、今年度は3回シリーズで会員限定のコンサートが開催されることになり、その第1回が本日のチェロの宮田大さんとギターの大萩康司さんのデュオ・コンサートです。 一方、大萩康司さんは、新潟に度々来演されており、私個人としましては、2016年4月の荘村清志さん林美智子さんとのコンサート、2019年4月の鈴木大介さんとのコンサート以来、2年ぶり3回目となります。日本を代表するギタリストの一人であり、今日も卓越したテクニックを披露してくれるものと期待されました。 連日の猛暑でうんざりの毎日です。早くも夏バテ気味の私ですが、弱った体に鞭打って働き、早めに職場を退勤し、大急ぎでりゅーとぴあへと車を進め、開演10分前に入場しました。 さて、今回は会員限定コンサートということで、集客が危惧されましたが、1階席はかなり埋まり、2階席もそれなりに席は埋まっていました。 開演時間となり、宮田さんと大萩さんが登場。宮田さんが右、大萩さんが左に着席。大萩さんの前にはマイクが設置され、後方に小さなスピーカーが置かれていました。 最初の曲は、サティの「ジュ・トゥ・ヴ」です。ギターとチェロの音量差はアンプで調整されていましたが、音量豊かに響き渡るチェロと優しく響くギターが絶妙に絡み合い、心地良く感じられました。パリの街角イメージさせるような洒落た演奏に心が和みました。 ここで宮田さんがリードをとり、挨拶と曲目紹介があり、以後も二人の楽しいトークと曲目紹介を挟めながら演奏が進められました。チェロもギターも、ホールの気温・湿度、照明等により調弦が狂うので、MCの間で調整するというのも目的だそうです。 2曲目はラヴェルの「亡き王女のためのパヴァーヌ」です。ビロードのように柔らかく、ふくよかなチェロの音色が優しく響き、澄んだギターとの音色とともに、聴く者の心に癒やしをもたらしてくました。 ここで一旦退場し、次はニャタリの「チェロとギターのためのソナタ」です。題名の通りチェロとギターのためのオリジナル曲です。第1楽章は、官能的な響きでギターとチェロとが絡み合い、第2楽章は、ちょっとけだるくて切ない嘆きを感じさせ、第3楽章は、激しい変拍子の音楽で、チェロとギターが自己主張し、激しいバトルが交わされました。初めて聴く曲でしたが、聴き応えありました。 再び退場した後、前半最後はピアソラの「タンゴの歴史」から「カフェ1930」です。紫煙漂う場末のカフェ。けだるいチェロが大人の世界を感じさせました。 休憩後の後半は、ピアソラ生誕100周年を記念して、前半最後に引き続いてオール・ピアソラ・プログラムとなりました。「タンティ・アンニ・プリマ」は、ゆったりとして甘美なメロディが心をなだめ、心を明るくしてくれました。 大きな拍手に応えて、アンコールに「オブリビオン」を情感豊かにしっとりと演奏し、しみじみとした余韻の中に終演と思いきや、つづいてミヨーの「コルコバド」の変わったメロディで楽しませ、最後はミッシェル・ルグランの「ロシュフォールの恋人たち」よりの「キャラバンの到着」をかっこ良く演奏して盛り上げて、明るい気分の中にお開きとなりました。 二人の演奏の素晴らしさはいうまでもなく、トークの面白さでも楽しませてくれました。ニャタリのソナタ以外は編曲物でしたが、編曲の良さもあって違和感も無く、オリジナル曲のように楽しむことができました。 宮田さん、大萩さんの素晴らしさを再認識できた内容の濃いコンサートでした。特に宮田さんが純クラシック以外にもこういうコンサートでも才能を発揮していることに感銘を受け、今後のさらなる活躍が確信されました。 暑い夏には熱い音楽。良い音楽を聴いた満足感を胸に、外に出ますと、まだ暑さが残っていましたが、心は爽やかでした。
(客席:2階C3-7、¥3000) |