熱き演奏で、潟響に新たな風を吹かせてくれた松沼さんが戻ってきました。このニュースに歓喜した音楽仲間が多かったですが、もちろん私もその一人です。
前回の指揮は2013年11月の第93回定期演奏会であり、マーラーの9番が演奏されましした。潟響との別れを象徴するような演目であり、感動的な名演が今なお記憶に刻まれています。
あれから2年。松沼さんの演奏を再び聴けることは大きな喜びです。今日は魅力ある公演がいくつか重なっており、松沼さん来演の情報を知るまでは、長岡でのヴェルディのレクイエムの演奏会に行く予定にしていました。しかし、松沼さんが指揮するとなれば、潟響を聴かないわけにはいきません。日時がずれてくれたら良かったのですけれど・・。
そして、注目されるのは今日のプログラムです。テーマが「組曲」ということで、3人の作曲家による「組曲」が演奏されます。目玉となる交響曲がないというのは、いかにも松沼さんらしい選曲に思われます。そういえば、2009年6月の第84回定期演奏会でも「オーケストラ世界一周」と題した小品を集めたプログラムで楽しませてくれました。
今日は天候に恵まれて、青空も見える好天となりました。気合を入れるため、某所でラーチャンを食べてコンサートに臨みました。今回は指定席を奮発。並ぶ必要がないのは気が楽です。ホールには知った顔が多数。
客席はほどほどの入りでしょうか。私の指定席エリアは空いていて、ゆったりと、隣人を気にせずに音楽に浸ることができました。
拍手の中団員が入場。全員揃うまで起立して待つという東響定期のスタイル。最後に松村さんが一礼して、一段と大きな拍手が贈られました。
最初はドビュッシーの「小組曲」です。優しい弦の調べに乗ってハープとフルートの甘美なメロディが奏でられる「小船にて」で演奏開始です。実に美しい音色で、本日のコンサートの成功を確信しました。最初の音を聴いたとき、潟響じゃなくて東響の間違いじゃないかと思うほどでした。各楽器のソロは美しく、ビロードのような弦のアンサンブルは、まさにフランスです。
続くファリャの「三角帽子」は色彩感豊かにオケを鳴らし、明るい音楽はいかにもスペインを感じさせました。豊潤なオーケストラサウンドに気分も爽快になりました。
後半はご存知「展覧会の絵」。誰もが知る名曲であり、難曲でもあります。さすがに息切れしてしまった部分もありましたが、全体としてはまずまず良かったのではないでしょうか。ちょっとグロテスクなこの曲を、気持ちよく聴かせ、オーケストラを聴いたという満足感を与えてくれました。各ソロパートとも頑張っていましたが、エキストラで出演されていたサックスの五十嵐文さんはさすがでした。
アンコールを明るく華やかに演奏して終演となりましたが、松沼マジックは今回も健在です。潟響からパワー溢れる音楽を引き出してくれました。
次回の第98回定期は、再び伊藤翔さんの指揮に戻ります。松沼さんが再び常任に戻ってくれたものと喜んだのですが、違ったようですね。伊藤さんに期待しましょう。
ちなみに、潟響は12月20日に恒例の第九の演奏会が控えています。指揮は伊藤翔さんです。その伊藤さんが今日ピアノとチェレスタで出演されていたというのは面白いですね。
(客席:2階C3-7、指定席:¥1500) |